地球滅亡が流行中?

 また、最近観たアニメについて書いた。さらっと軽く書くつもりだったのだが、結構長くなった。しかし、毎日色々なアニメの感想を書き続けている人もたくさんいるのだから、素直に感心してしまう。私は、これだけ書くのでも一時間近くかかるのだ。



・「地球滅亡」ネタ2題

 「おねがいマイメロディ」「ぱにぽにだっしゅ!」と、日曜日から立て続けにアニメで地球滅亡ネタが放送されて、しかも両方とも、まともな内容ではない(ほめ言葉)ので、頭がおかしくなってくる。

 まずはマイメロ。先週流れた予告の巨大なひつじさん(ピアノさん)と、「地球が救えたらイイナ!」と言うサブタイトルから、よく分からないが凄まじい内容になりそうだとは思っていたが、ここまでとは想像できなかった。今回の展開を予想できる人は超能力者だろう。
 最初は、バクの能力で人の夢の中に入る展開だったので、地球滅亡は夢の話だろうと思ってしまったが、読みが甘かった。このアニメでそんな単純な展開になるわけがない。結局、夢の中の宇宙が現実にあふれ出して、夢と現実がごっちゃになった宇宙でやりたい放題。マイメロと王様が一番楽しんでいたようにしか見えないが、それでいいのか。
 これだけトンデモ展開になった後だったせいか、「シアワセの羽」を歌ってエネルギーをためる場面は、素直にしみじみとして、最終回と錯覚しそうになった。なにしろ地球を救うってしまうのだから、最終回でも違和感がない。その救い方が、月のウサギに「おねがい」なのは、さすがマイメロだが。

 中身の濃すぎた30分だったが、不思議と詰め込み過ぎたような印象はなかった。とんでもない話であっても、キャラクターの個性も丁寧に描かれて、マイメロのエピソードとしてはきっちり作られていたからだろう。しかし、こうなると最終回はどうやって締める気なのか、心配にさえなってしまう。普通にピンク音符が集まって終わり、ではないだろうなあ。黒音符が集まって悪夢の曲が完成する展開もありそうだ。



 次に、ぱにぽに。こちらは本編はこれまでと比べてやや散漫な印象だった。その中で、一条さんに「あと4回で終了」を強調させつつ、終盤で唐突に地球滅亡ネタが振られた。そのまま、次回に続くような引きがあったが、本当に続くのかどうかは判断しがたい。次回予告は毎回4コマ漫画+内容と関係のない豆知識なので、参考にはならないし。マイメロとは違う方向で、どうやって終わらせるのか予測しがたいアニメだ。

 そして、エンドカードではついに「月詠」ネタが来た。初めてエンドカードにセリフが付いたと思ったら、このネタだったか。声優・監督・アニメ制作会社が同じなのだから、当然やるだろうとは思っていたが、案外遅かった。だた、EDテロップの「エンドカード 有馬啓太郎」でネタが読めてしまうのは、ちょっと惜しい。




・「ブラック・ジャック」第52話

 今回からOPが変わったが、歌はともかく、ブラック・ジャックがアクションヒーローのようになっているOPアニメは一体何のつもりだ。こんなOPを作るようでは、「これは命のドラマだ」などと言っている場合ではないと思う。監督自身がコンテを切っているが、これが監督の中のブラック・ジャック像なのだろうか。

 本編は、「一瞬の目撃者」。全体の出来は悪くはなく、むしろシリーズ全体で見れば好印象を受けた方だが、それでも、原作では失明した女性に話を絞っていたのに対して、アニメ版では爆破犯人探しの要素を加えてしまったために、焦点がぼけてしまった感じがした。爆破犯人をあの人物にしたのは原作既読者の裏をかくためだったのだろうが、もともと意外性で驚かせる話ではないので、余計な改変だと感じた。

 そして、眼球移植手術を受けた女性が、また見えなくなる前に、最後に外の景色を見る場面。ここはじんときたが、原作の名ゼリフ「さよなら光さん」がカットされていた点は納得できない。はっきりと「眼が見えなくなる」描写を避けたためか。しかし、このセリフは締めに必要だったと思う。
 今回に限らず、アニメ版では展開を変えたために、「病院ジャック」の「ひとり助けるだけでせいいっぱいなんだ」や、「土砂降り」の「あなたの美しい顔にメスを入れたくはなかったのですよ」など、原作の印象深いセリフの多くが無くなっていて、何度もがっかりさせられた。「ちぢむ!」ラストのセリフが原作通りだったのは奇跡的な事かも知れない。

 どうも、「ブラック・ジャック」は原作に思い入れが強いせいで、アニメに対しては批判的な意見が多くなってしまう。しかし、毎回毎回「原作のいい部分が変えられやしないか」と、ハラハラしながら観ているのも事実だ。そこまでして観なければいいのに、と思われるかも知れないが、出来のいい話もたまにあるし、好きな漫画のアニメ化となれば観たくなるファン心理と言うことでご理解いただきたい。

 なお、今回のEDは映画の宣伝だったのだが、同時上映「Dr.ピノコの森の冒険」紹介ナレーションが能登麻美子だった。映画の公式サイトによると、本編ナレーションは竹下景子になっている。これまでに「ブラック・ジャック」の出演経験もない能登が、なぜテレビの宣伝で起用されたのか、実に不思議だ。
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