はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

シンエイ版「パーマンはつらいよ」感想

2004-06-18 23:08:59 | 藤子不二雄
 本日のシンエイアニメシアター「パーマン」は、第30話「パーマンはつらいよ」。本話は以前「ネオ・ユートピア」の会誌22号で取り上げられており、その記事を読んだ時から気になっていた。なぜかと言うと、非常に低い評価を付けられていたからだ。
 そもそも、「パーマンはつらいよ」は、白黒版アニメでは最終話としてアニメ化されており(サブタイトルは「パーマンよいつまでも」)、残念ながら私はまだ観たことがないが、名作として非常に評価が高い。基本的に原作に忠実な作りでありながら、アニメ版ならではの演出によって、よりよい話になっていたようだ。
 そんな白黒版と比べて、今日放送されたシンエイ版はどうだったか。アニメ版2作の比較をしたいところだが、私は白黒版を観ていないので、原作と比べてみた。まず、話の流れは基本的に原作と同じ。しかし、尺の都合であちこちが削られて、話が駆け足になっている印象を受けた。「パーマンはつらいよ」は、ミツ夫の苦悩をじっくり描きこむべき作品のはずなので、ここで最初にマイナス印象を受けた。
 そして、ラストシーン。NUの会誌でも取り上げられていたが、確かにこれは改悪だ。東海地方(原作では××地方)に水害が発生しており、一刻を争う自体だからこそ、ミツ夫が行くべきか、行かざるべきか悩む場面が生きるのに、シンエイ版ではミツ夫が一晩悩んだあげくに明け方に出動すると、なぜか先に行ったはずの残りのパーマン3人が、バードマンと共にミツ夫を迎えるのだ。パーマン全員の絆と、皆、自分の得にもならないのに頑張っていると言う事を描きたかったのだろうが、それなら事件を水害ではなく、他の物に変えるべきだったと思う。
 結論としては、私の感想としてもシンエイ版「パーマンはつらいよ」は、失敗作と言わざるを得ない。まあ、シンエイ版「パーマン」の原作物は微妙な出来の作品が多いが、それらの中でも特にダメな出来だろう。なお、「パーマンはつらいよ」は、映画「Pa-Pa-Pa ザ☆ムービー パーマン」1作目でもクライマックスに使われているが、こちらも微妙な出来だ。こうなると、名作と言われる白黒版最終話をぜひ観てみたい。ソフト化されないものだろうか。