Il film del sogno

現実逃避の夢日記

かもめ食堂

2006-03-15 02:02:00 | 日記
1/14(火)
コート着用。寒の戻り。
周囲に花粉の被害者ぼちぼちと。

夕刻、銀座へ。
シネスイッチで【かもめ食堂】鑑賞。
ヴェンダースの【アメリカ、家族のいる風景】と迷ったのだが、かもめ~は昼の部全てに立ち見の表示。
へぇ~そんなに入ってるの、と珍しく愛国者となり付和雷同。

北欧フィンランドで食堂を経営する女主人(小林聡美)。
ワケありで一人旅に来た旅行者(片桐はいり)。
荷物の誤配送で足止め食った謎の中年女(もたいまさこ)。
邦人は以上3名。
全編フィンランドでのロケ撮影。
森と湖と白夜の景観麗し。

原作は群よう子の書き下ろし。
『バーバー吉野』を撮った監督・荻上直子と、このキャスティングでおおよその雰囲気は判る。

おんな三人細腕繁盛(奮闘)記とはならない。
これは悪人が出てこないし、ヒロインたちに生活感もなく、ある種のメルヘンである。

出会いは一期一会、人生齷齪(あくせく)することなく、信念もって好きなことを・・・。
これはフィンランドでなくてもいい。
邦家の辺鄙なドライブ・インでも成立するんじゃないか。

敢えて異国に舞台をおいたのは、言語によるコミュニケーションなどより、人は目で語れるし、一杯のコーヒーや掌でむすんだおにぎりで気持ちが判りあえる、というメッセージであろう。

キャラの濃い片桐、芸達者が鼻につくこともあるもたいに比べ、ナチュラルな小林聡美が断然良い。

TVをほとんど観ないのでドラマは不案内だが、銀幕での彼女の最良作は【てなもんや商社】と【廃市】だと思う。
コメディアンヌとしても、シリアスな芝居も出来るというのは相当【カン】のいい女優である。

しっとり落ち着いた、良い映画でありました。
コメント
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