Il film del sogno

現実逃避の夢日記

力道山

2006-03-05 05:23:00 | 日記
3/4(土)
晴天、暖かきかな。
居間でうたた寝をしているうちに夜があけた。ショック。
朝風呂に入る。ぬるめの湯に浸り瞑目する。
朝食にローストチキン・ベーコンエッグのスペシャルサンドを作る。
我ながらマメなり。
美味い。
自分で作ってこれだけ美味いのだから、誰かに作ってもらえばもっとおいしかろう。

散歩に出る。
川沿いの小路を散策すると、初春の柔らかい香りがする。

【力道山】を鑑賞。
ワーナーマイカルシネマズ板橋。
公開初日の初回 9:20~
劇場ロビーは【ナルニア国物語】と【ドラえもん】目当ての家族連れや弱年グループで結構な混雑。

わが演目は、観客たった5名で上映開始。

傑作【ペパーミント・キャンディ】や【オアシス】の名優、ソン・ギョングが稀代のヒーローを、【疾走】の情婦役に感心した中谷美紀が糟糠の妻を演じる。
これは相当なキラーキャストだと思う。

吹き替えなしでのリング上の実戦シーンは迫力あり。
当時を再現した美術にも感心。
タニマチと腹心で藤竜也・萩原聖人が好演。
日韓合同の力作であります。
残念ながら力作が必ずしも傑作になるとは限らないが・・・。

やはり実在した巨星を描くのは難しかろう。
観る者おのおのが、時間に醸成され思い出に修飾された鮮烈なイメージを持っている。
リアルタイムで本人を知らない世代であっても、周囲が伝説として熱く語れば人物像は固まる。
その一例に、本作も主人公が角界を去ったのは、民族的な出自によるもの、という最も世俗に通じた説を採っている。

実生活では愛人に生ませた子供がいたり、関脇時代は当人も格下の弟子をイビったという証言もあり、映画ほど純情でヒロイックなものではなかったのかもしれない。

昔は大手一般新聞のスポーツ欄にプロレスの記事が載っていた。
あれは何時頃からなくなっちゃったんだろう?と、不思議に思っていたが、狂騒とも言うべきブームが、東京オリンピック前にやや衰退してゆくのを示唆するシーンあり、得心した。

興行師と事業家としての側面も重要でありましょう。
近所に全盛時の力道山から1万円のチップを貰ったことを自慢する古老がいる。(赤坂のクラブでボーイをしていたそうな)
公務員の初任給が1万円前後だった時代でありますから、その成金趣味の程が知れる。
その人物評・・・『スケベで猜疑心の強いただの酒乱』。

大人物ほど、その虚実の陰翳は濃く、その孤独は底なしに深い。
コメント
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