Il film del sogno

現実逃避の夢日記

こころ

2006-03-12 02:13:00 | 日記
3/11(土)
汗ばむくらいの陽気なり。
昼、散歩に出る。
駅前の本屋で立ち読み、逍遥していると路地に立看板。
出来心で階段を上る。
『当日券ありますか?』

龍昇企画「こころ」を観劇。
作:犬井邦益 演出:福井泰司
出演:龍 昇/直井おさむ/吉田重幸/栗原茂/稲田恵司/中野真希/黒木美奈子/大崎由利子/高村志穂 

小屋は江古田ストアハウス。
木戸銭3700円也。
100に満たない客席は満員御礼の盛況(但しお友達多し)。

ご存知漱石先生の名作を舞台化したもの。
私、先生、先生の妻などを時制を超えたダブルキャストが交互に演じる。
現在の私(中年)が、先生の過去の秘密(学生時代の三角関係から友人を自殺に追い込む)を知るのですね。
その先生も自殺してしまうのですが・・・。

『こころ』は中学の教科書に抄録があり、文庫で読まされた。
今考えると、ローティーンにはヘビーな話ですが、なぜ文部省は採用したのでありましょう。

明治のインテリの苦悩を21世紀に敢えて問う製作サイドの意図や如何に。
いまさら漱石でもあるまいに、と不遜に思っていたのだが、これが意外と面白かった。
役者良し、練られた脚本・構成、正攻法な演出など、真摯で好感持てる舞台でございました。
明治の男女は、現代よりよっぽど自分の意見をきちんとした言葉で話している。

古典は普遍にして常に観る者に何かを問いかける。
コメント
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