町田では古い建物を保存していますが、白洲次郎氏の旧宅は養蚕農家として明治、大正、昭和
と使われてきた「家屋敷」が原型に近いかたちで残されています。これは白洲夫妻のライフ・スタイ
ルの賜といわれています。冠せられた「武相荘」(ぶあいそう)という愛称も、いかにも・・・らしいもの
と読みとれますね。
戦後の新憲法制定に深くかかわり、マッカーサーを叱ったという逸話もある白洲次郎と、美術評
論家の正子夫妻が熊ケ谷の農家を買い取って移住したのは1942年でした。
永井家旧宅は、多摩丘陵で代々農家を営んでいたもので、現在地(野津田)の北3.3 ㎞のところ
にありました。多摩ニュータウン建設に伴って町田市に寄贈され、1955年に移築されました。建
築年代は17世紀ごろと思われます。寄棟造茅葺で正面に土庇、土間側面に突出部を設け、屋根
を葺き下ろしています。都内では最古に属するもので、国指定重要文化財となっています。写真は
Mr麹町。