作中、主人公の境界性人格障害の娘が被災地で傾聴ボランティアをやるというふうに展開していたが、
周囲との境界が曖昧な人が、支援活動の様なことをするなら、仕事としてしっかり枠組みを作り、
関わらないと、余計に自他ともに混乱して、いろいろ大変だろうと思った。
熟練した臨床心理士によると、境界性人格障害のひとは、セルフモニタリング能力が低く、
自分の言ったことを覚えていないことがあるので、後から何を言ったりしたことでどのようなことになったかが
周囲にも本人にも解りにくく、因果関係が不明になるので、周囲は余計に困ることになるとの事である。
小説の中で、そのような展開になっていたが、やはりそのような人を被災地などで
著者はかなり見たのだろう。
さらに、いろいろ社会で適応できない人が、被災地での有償ボランティアとして出てくるが、
実際にそのような人も混じっていることも多かったのだろう。
被災して様々なトラウマを抱えた人は心身ともに不安定なので、そのような人に
利用されたり食い物にされているのも著者は見たことが、この小説を書くのに活かされていそうである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます