マチンガのノート

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「甘えたいのに甘えられない: 母子関係のゆくえ、発達障碍のいま」 小林隆児

2015-06-02 12:30:16 | 日記
哲学者の河本英夫氏は、「自転車に乗れるようになる」などを、
「自ら生成するもの」「オートポエイシス」と書いているが、
対人関係も、そうなのだろう。
乳幼児期にそれがうまく形成されないと、小林隆児氏が書いているような、
甘えられずに拗ねる、あまのじゃく、へそまがり、などの行動につながり、
母子関係、対人関係が形成されず、甘えて安心する、
愛着を持つなどができず、
常に感覚過敏で安心することが出来ない硬直した自閉症、
発達障害の状態に留まるのだろう。
「自転車に乗れるようになる」過程を言語で表現しようとしても
とても困難なことから判るように、乳幼児と母親などの周囲の人間との、
対人関係の発達と成立を、言語で表現することは極度に困難だ。
精神科医の山中康裕氏が教え子などに、自閉症児などとの関わり、
治療について説明しようとしても、教わるほうが判らない、
というような事を、何かで聞いたことがある。
時間と言語について考えている哲学者の方々にも、頑張って貰いたい。