この花の名前は「大文字草」、
見たまま“大”の字の格好をしている可愛いい花。
喫茶店のカウンターに座ると目の前に置いてあった。
あまり見かけないきれいな薄紅色だった。
もう30年以上も前、野草の会のメンバーの案内で、
兵庫の高峰・氷ノ山に入ったときに沢のそばで見かけた。
純白の清楚な姿にしばし見とれたことを憶えている。
こうした花の名前をテレビで表示するとき
カタカナで「ダイモンジソウ」と書くのが通常だが、
この花を見てからは「大文字草」と漢字を使った。
人字草・梅鉢草もしかり、
白鷺の舞う姿を想起させる鷺草もカタカナ表記は馴染まない。
山野草に付された名は、誰がつけたのか
日本語の美しさを誇示している。