ニュースの現場を離れても、記者のさがと言うか、
人名・地名の間違いには腹立たしさを感じる。
先日NHKで、誰にも読んでもらえないと言う
“宍粟”の珍名を逆手にとって
町おこしをしている取り組みを紹介していた。
知っている者からすれば、つい見落としがちだが、
兵庫県外の人では、
これを「しそう」と正確に読めるのはまれなようだ。
地名というのは厄介だが、謎だらけでもあり実に興味深い。
最近またいろんな地名本を持ち出して再読している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/8f/9e2bafbbb824b659038e3ae9b02a6b2d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/b9/fd88680ef2f606bc4393faba3f71406c.jpg)
こと兵庫に関しては、先達がよく調べている。
地元神戸新聞総合出版センターが発行した
「兵庫の難読地名がわかる本」は、
勉強になるし、辞書代わりとしても使える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/d7/d189c02e4bbe25f61834cf91b6e7f936.jpg)
これを見て思い込みの怖さを痛感した。
自分自身が住んでいるこの地は旧の字は“山田町小部”、
私は昨日まで「おぶ」と思っていたが、この書によると「おうぶ」。
色々調べたがやはり「おうぶ」が正しい。
地元の人たちはほとんどが「おぶ」と呼んでいるが。
先ほどの宍粟で言うと“百千家満”、これは読めないだろう。
随分前のことだが、私は宍粟のある人に教えてもらった
「もちけま」という読みが正しいと思い込んでいた。
しかしこれは間違い、ある取材の際「おちやま」が正確であることを知った。
有井基著『ひょうごの地名を歩く』は
「昔この地域は“落山”と呼ばれていたそうで、
高い峰が崩れ落ちてできたという伝承があり、
大地の上の小集落“埋野(うずみの)”の地名も
それを物語っている」と記述している。
ちなみにこの近くに“抜山(ぬけやま)”があり、
昭和51年9月の集中豪雨で大規模な山津波が起き
鉄筋の小学校の校舎が流されてしまった。地名から得る教訓は多いと思う。
こんなことを綴り始めるときりがないので、また機会を見て地名に触れたいと思う。