TVおじさん

世相の鏡であるテレビから学び、時として批判も。メディア表現にも触れる。まだ元気、散策の想い出も綴りたい。

気に入らぬ “維新 漸進”

2012-06-24 | ことば

大阪市の橋下市長が率いる「大阪維新の会」、

23日、政治塾の2学期の入塾式があった。

朝日新聞は「狙う国政 維新漸進」と大きな横見出しをつけて報じている。

この“維新漸進”は“以心伝心”をもじったつもりだろう。

どういう意図で使ったのかは分からないが、

その意味合いはあまりにも不鮮明で違和感がある。

この言葉は独特の韻を含んでおり、もっと大切にしてほしい。

広辞苑によると、「言語では表されない真理を師から弟子の心に伝えること」とある。

佐藤真由美の『恋する四字熟語』では

「言葉にしなきゃ伝わらない、でも言葉にならない。そんな場面でも、

彼には私の言いたいことがわかったはずだし、

彼が分かったということがわたしにもわかった」と説明している。

“目は口ほどにものを言う”ということだろう。

 

ところが「狙う国政 維新漸進」、ドロドロとしたものしか伝わってこない。

記事で紹介された橋下氏の挨拶、

「国の形を変える本当の戦士になってもらう。

統治機構を変える。勝たないと意味がない。

いつあるか分からないが、準備してください」。

分裂しかねない状況の政権政党、脆弱な野党、

「大阪維新の会」は、この機に乗じて、

過剰に選挙を意識した政策をうちたて、戦を仕掛けようとしている。

“前進”というにはやや抵抗があったのか,

朝日らしいというか、“漸進”としたのは笑ってしまった。

「大阪維新の会」は息切れするまで??フルスロットルで疾走している。

 

四字熟語ももじるなら、生保会社が募集した作品のように

「汚職や官官接待への怒りを込めた“高官無恥(厚顔無恥)”や

暴飲忘職(暴飲暴食)のように・・鋭い皮肉を込めた

活き活きとした言葉にさらに力を持たせた表現」を

〔川崎洋著・輝く日本語の悪態より〕考えてほしかった。