TVおじさん

世相の鏡であるテレビから学び、時として批判も。メディア表現にも触れる。まだ元気、散策の想い出も綴りたい。

注目のCM 「まだ 糸電話!?」

2012-03-01 | ことば

 

毎日繰り返し放送される注目ソフトバンクのCM、「鳥取はまだ糸電話!」。

田舎暮らしにあこがれる私としてはこのキャッチにのどかな響きを感じる。

山陰の鳥取を“まだ未開の地”のようだと受け止め

眉をしかめる向きがあるかもしれないが、

最新の情報機器スマホと郷愁の糸電話の対比は

インパクトがあり、きっとつわものの仕事だろう。

ここまでは導入部、きょうの本題は

山陰から北陸・東北に延びる地域を指した“裏日本”という表現、

オモテに対するウラ、

侘しげな韻がこもっており暗いイメージが強いという理由で

マスコミや辞書から姿を消し、

いまは「日本海側」「太平洋側」「瀬戸内」と言い換えられている。

私は瀬戸内の出身だが、この日本海側で6年過ごした者としては

“裏日本”という表現にあまり抵抗感はない。

晩秋から冬にかけての鉛色に覆われた空、この気候が

自身の責任で人生を切り拓き、

人と人との強い連帯感を育んでいるように思えてならない。

地に根を張ったたくましさは見上げたものだ。

それを理解するには、「日本海側」というよりは

“裏日本”とストレートにいったほうが、

かの地をより正確に表現しているように感じる。