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山梨に住むユタカのブログ。地元ヴァンフォーレを応援してこのブログもなんと19年目を迎えました。ACL効果でJ1昇格だ!

セレッソ大阪戦を振り返る【天皇杯3回戦】

2024-07-13 | Weblog
7月10日にJITリサイクルインクスタジアムで行われた天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会3回戦 セレッソ大阪戦ですが、試合結果は2対1でヴァンフォーレが勝利しました!ヴァンフォーレの得点は後半に挙げたピーター ウタカ選手と延長後半に挙げた鳥海選手のゴールでした。


☆戦線離脱から3人復帰
リーグ戦から中3日で行われたこの天皇杯3回戦セレッソ大阪戦。選手たちの疲労の影響も考え、この試合では半数程度のメンバーの入れ替えを実施。ウタカ選手や佐藤選手などのベテラン勢の他にキャプテンの関口選手がリーグ戦に引き続き先発出場。他にはケガで戦線離脱していた選手たちが続々と復帰しており、孫選手が第12節愛媛戦以来の公式戦復帰。また第11節群馬戦以来のメンバー入りとなるエドゥアルド マンシャ選手もベンチに復帰しているので、選手層の薄さで悩んでいたCBのポジションの問題はここから解消に向かうと思います。そして飯島選手や村上選手など2回戦から存在感を示している選手の先発起用もありましたが、なかでも個人的に注目していたのが武富選手。第20節いわき戦でケガから復帰し、時間を限定して途中出場し徐々にコンディションを上げてきました。武富選手は京都時代にウタカ選手と一緒にプレーしていた経験があるので、今回先発でコンビを組むことによって良い連携からC大阪ゴールにいかに迫れるか期待されていたと思います。それと孫選手&マンシャ選手とともに三沢選手も今回戦線復帰してベンチに入っているので、復帰組を加えた新たなチームの組み合わせの可能性を見てみたいチーム編成となりましたね。

☆ポゼッション+カウンター
ヴァンフォーレはスタートから攻守に積極的に動き、組織的な守備によって効果的に相手にプレッシャーをかけていきます。守備時は3バック+2ウイングバックで5バックを構成し、2ボランチが中央に蓋をすることで鉄壁の守備ブロックを形成。相手にスペースを与えないディフェンスができていました。C大阪はなかなかシュートシーンまで持っていくことができなかったのですが、そこでゴール前に放り込む方法を取っても187cmの孫選手の競り合いの強さが発揮され、ハイボールを次々と跳ね返していきます。この守備の安定が今回の試合では効果的で、ヴァンフォーレが試合を優位に進めるための土台になっていたと思います。そして繫ぐ意識が高かったのも良かったポイント。C大阪の選手たちはプレスの鋭さと攻守の切り替えの速さでJ1とJ2のレベルの違いを生み出そうとしていましたが、自分たちが奪おうと動いてもボールを取れない感覚があったと思います。それほどヴァンフォーレの選手たちはうまくボールを回しており、相手のプレス回避ができていました。あと最終ラインまで戻して繫ぐビルドアップ時の意識が今回みられましたが、リーグ戦のときのような攻撃がうまくいかないから戻す消極的な仕切り直しではなく相手が粘り強く追ってくるなかでの最終ラインでの繋ぎだったので、危険な位置でのプレスを回避できたときには相手のDFラインの裏に広大なスペースが広がっていました。そこに素早くロングフィードやスルーパスを送ることで一気に攻守を入れ替えることに成功。ボールを繫ぐポゼッションと相手の裏を突くカウンタースタイルがうまく融合できていたのもこの試合良かったポイントだったと思います。

☆ウタカ選手がこじ開ける
スコアレスで折り返した後半の立ち上がりすぐに試合が動きます。後半1分、右サイドでボールを奪った飯島選手が前方を走るウタカ選手にスルーパスを供給。抜け出したウタカ選手は右サイドを駆け上がりドリブルを続けると、エリア付近でゴールに近づく動きをみせて相手マーカーを振り切り、GKのタイミングを外したシュートを決めます。ウタカ選手が走っていた右サイドの他に中央を駆け上がっていた選手もいたので相手はウタカ選手に集中できなかったことを利用したしたたかな得点でしたね。今大会3得点目となるゴールでヴァンフォーレが先制点を挙げることに成功します。

☆レオ・セアラ選手らブラジル人3選手同時起用
先制点から8分後にC大阪の渡邉選手に素晴らしいミドルシュートを決められて同点となったこの試合。さらにC大阪は後半16分に畳みかけるようにベンチに温存していたレオ・セアラ選手やカピシャーバ選手&ルーカスフェルナンデス選手のブラジル人選手3人を同時起用し勝ち越しを狙っていきます。現在J1で得点ランキングトップを独走しているレオ・セアラ選手を含めた交代投入にスタンドのサポーターにどよめきが起こりますが、ピッチにいる選手たちにはすでに想定されていることであり、とても落ち着いていたと思います。C大阪は前に重心を傾けることでヴァンフォーレの守備陣に守りを意識させて猛攻を仕掛けたいと思っていたはずですが、こちらは守りながらも常にカウンター攻撃の機会を窺っていたのでC大阪はどこかしら攻撃に全集中できない姿がありましたね。彼らブラジル人選手3人に意識し過ぎることなくうまく適切にディフェンスの対処ができていたと思います。

☆劇的鳥海弾に導いたポストプレー
90分で決着をつけたかったC大阪は延長戦に突入すると運動量が減少。ファビアン ゴンザレス選手や三沢選手&水野選手や内藤選手を投入したヴァンフォーレの攻撃陣がイニシアティブを握る時間が増えていきます。しかし肝心のゴールが奪えないまま延長前半が終了し、この同点のままPK戦にもつれ込むことを想定し始めた延長後半7分に劇的なドラマが生まれます。鳥海選手が良い位置でボールを受けると、エリア前方にポジショニングをとっていたファビアンゴンザレス選手の足元にパスを出します。ファビアンゴンザレス選手は相手を背負いながら長い手足のリーチを活かしてポストプレーを行うと、左に流れた鳥海選手に楔のパスを供給。その流れのままパスを受け取った鳥海選手はスピードを殺すことなく左前方に移動しながら左足でファーサイドを狙ったシュートを放ち、それが見事ゴールに吸い込まれていきます。劇的な鳥海選手のゴールに沸く選手やチームスタッフたち。スタンドのサポーターも狂喜乱舞でその喜びを爆発させます。もちろん鳥海選手の技巧的なシュートやゴール前に入っていく動きなども素晴らしかったのですが、個人的にはファビアンゴンザレス選手のポストプレーが良かったですね。最近の試合ではなかなかみられなかったゴール前で体を張って攻撃の起点となり、そこを効果的に使ってゴールまで持っていけたのはなによりのチームの収穫点だったと思います。ファビアンゴンザレス選手の頑張りと鳥海選手のアイディアで生み出した素晴らしい決勝点でしたね。試合はこのリードを最後まで守り切ったヴァンフォーレが2対1で勝利を収め、強豪セレッソ大阪から金星を挙げました。

☆勝因は?
ヴァンフォーレがこの試合勝利できた勝因として、戦略的な試合の進め方ができたことを挙げたいと思います。ヴァンフォーレは前線で精力的にプレスをかけに行くことは忘れず、相手に前目の位置でビルドアップさせないような工夫を行います。また守勢の展開になったら人数をかけて守備ブロックを形成し相手に前方のスペースを作らせないディフェンスを敢行。スペースが使えないC大阪は空中戦を挑みますが、競り合いに強い孫選手を中心に粘り強く跳ね返すことができていましたね。ディフェンス面で安定していたからこそ、こちらもカウンターで仕掛けようとする余裕が生まれていたと思います。また敢えて自陣深くでビルドアップを続けることにより相手をできる限り引きつけることに成功。C大阪の陣形が前のめりになることでそのDFラインの後方にスペースが発生し、ヴァンフォーレはそこからロングフィードを蹴り込むことで一気に攻守が切り替わるシーンが多々みられました。何度か自陣深くで相手に引っかかってボールを奪われそうになる危険なシーンはありましたが、前方のスペースをカウンターで裏を狙うウタカ選手や飯島選手&鳥海選手などもいたのでその戦術が今回C大阪にうまくハマったと思いますね。最近のリーグ戦では攻撃できず仕切り直して戻す行為が目立っていましたが、今回のは意図のある後方でのビルドアップだったのでとても効果的でした。

そして交代枠の使い方も良かったポイント。C大阪はブラジル人選手を3人同時に起用した時間帯で一気に流れを引き寄せて試合を決めようとしていた思惑でしたが、ヴァンフォーレはその流れを食い止めて耐え切ったのが大きかったですね。その後相手はインパクトのある交代カードが切れなくなり試合の流れを変えることができませんでした。一方のヴァンフォーレは相手より常に交代カードを残している展開となっており、相手の出方を窺った選手起用ができていました。もちろん先手で仕掛けていくことも時には大切なのですが、相手のブラジル人選手対策で長身のCBマンシャ選手を送り込めたように、要所要所で冷静な相手の対策ができていたことが良かったですね。


…この勝利によりヴァンフォーレは3回戦を突破しラウンド16進出が決定。12日に行われた組み合わせ抽選会でラウンド16は鹿島アントラーズと対戦することが決まっています(場所はJITリサイクルインクスタジアムで8月21日に開催)。鹿島とはこれで3年連続天皇杯で対戦。過去2年はヴァンフォーレが勝利を収めて勝ち上がっているので、鹿島は3年連続で負けないように相当な覚悟でリベンジに燃えていると思います。J1で優勝を争う強豪クラブとまた試合ができるのは天皇杯の舞台の魅力だと思います。その高まる高揚感をこれからも大いに楽しみましょう!



【天皇杯】セレッソ大阪を延長戦で撃破!3年連続BEST16進出!

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