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山梨に住むユタカのブログ。地元ヴァンフォーレを応援してこのブログもなんと19年目を迎えました。ACL効果でJ1昇格だ!

徳島ヴォルティス戦を振り返る【J2第23節】

2024-07-09 | Weblog
7月6日にホームで行われた2024年明治安田J2リーグ第23節徳島ヴォルティス戦ですが、試合結果は1対3でヴァンフォーレは敗れてしまいました。ヴァンフォーレの得点は前半に挙げた三平選手のゴールでした。


☆大塚新監督初陣&先発変更は2人
7月2日に篠田監督との契約を解除し新たに大塚コーチが監督に昇格したヴァンフォーレ。新体制となって初めて戦う公式戦が今回の徳島戦でした。先発メンバーは前節から2人変更。ピーター ウタカ選手に代わり前節ケガから戦線復帰した三平選手が第14節秋田戦以来のスタメン&そして木村選手に代わり中山選手が今シーズン初先発を飾ります。特に注目されていたのは23歳の中山選手。最近途中出場が増えていたものの今ひとつ篠田監督の信頼を得られていなかった彼でしたが、コーチを務めていた大塚監督に日々の練習の努力が認められて先発に大抜擢。動きながらゲームメークできるタイプの中山選手が、チームの攻撃のリズムを巧みに作り出してくれることを期待されていたと思います。

☆様子を窺う相手に対して積極的に仕掛ける
試合の立ち上がりは慎重にこちらの戦い方を窺う徳島に対し、ヴァンフォーレは積極的に仕掛けていきます。陣形をコンパクトに保ち中盤でプレスをかけやすい環境を形成。そして三平選手を中心に前からディフェンスに行くことで相手のパス回しに圧力をかけることに成功。それによって徳島のパス回しが不安定となり、中盤でマイボールにできる回数が増えてヴァンフォーレが攻勢に移る機会が巡ってきましたね。アダイウトン選手や関口選手など両サイドが駆け上がってチャンスを作り、そこに鳥海選手や三平選手が絡んでフィニッシュを迎える場面が多々みられました。またセットプレーのシーンでもCKから山本選手が惜しいヘディングシュートを放つなど、前半にかけて相手を押し込むことができていた印象。そのアグレッシブな姿勢がこれから取り上げる三平選手のゴールに繋がっていきますが、欲を言えば試合展開が優位な状況のときに1点だけではなく複数得点を狙いたかったですね。

☆三平選手の存在感
今回9試合ぶりの先発出場となった三平選手。ケガで負傷離脱する前はファーストディフェンダーとして計算された追い込むような前線のチェイシングでチームの組織的プレスに貢献していましたが、この試合でも後から付いてくる選手にプレスが行きやすい前線のプレスを敢行。ベテランらしからぬ精力的に広大なエリアを動き回ることで、こちらに試合のペースを引き寄せる原動力となっていましたね。前半39分の先制ゴールのシーンもアダイウトン選手がサイドで突破を仕掛けた影響で相手DFラインがその動きに合わせるように下がっていたところ、三平選手は敢えて前にポジショニングを取らず一歩下がってゴール前に入っていたことがフリーの状態を生み出す要因に。アダイウトン選手がフリーの彼を見つけてマイナスのクロスを供給。少し体勢が詰まり気味にはなっていましたが、うまく左足で当ててボレーシュートをゴールにねじ込みます。三平選手は今シーズン4得点目。相手のDFをよく観察してクロスの供給者に上げやすい環境を作り出していたことがゴールできた決め手になったと思います。

☆ミスが重なった連続失点
1対0と1点のリードで前半を折り返したヴァンフォーレ。しかし徳島は後半からチアゴ・アウベス選手に代えて坪井選手を投入したことで試合の流れが変わっていきます。後半12分、徳島の前線の動きが活発化しヴァンフォーレの最終ラインのビルドアップが乱れて高い位置でボールを奪われると、最後は坪井選手に流し込まれ同点に追いつかれてしまいます。さらに徳島の猛攻が続き、左サイドからのクロスを押し込まれ逆転。試合終了間際には横パスを相手にインターセプトされてカウンターを許し、守備対応にあたった林田選手も振り切られ坪井選手にゴールを決められて万事休す。1失点目はプレスの影響を受けずに前向きにパス回しができていた前半からは一転して鋭いプレスを受けたので、そのペースの違いにチーム全体が一瞬消極的になったのが失点の背景としてあります。その状態で自陣深くで今津選手がパスミスをしてしまったので守備の切り替えが追いつかなかったですね。2点目も今津選手がクロスに目線を合わせるのかゴール中央でマークしていたブラウンノア賢信選手に目線を合わせるのか迷っていたので対応が中途半端になった気がします。3点目も今津選手のミスが絡んでいますが、このシーンは後半アディショナルタイムということもあって早急に1点を奪わなければいけない状況にチームは追い込まれており、相当なリスクをかけて進めていた上での積極的なミスだったので致し方ない面もあります。今津選手は始めの失点に絡むミスによって気が動転し正常な思考でのディフェンスができなかった状態だったかもしれませんが、そういうときは他の守備陣が彼をフォローしながら助け合って励まし落ち着かせる努力をしなければいけません。その姿勢が今回充分ではなかったと言わざるを得ないと思いますね。ただしミスは誰にでも起こります。今津選手には今回の失敗を糧にして精神的に乗り越え、さらなるレベルアップを図ってほしいと思います。

☆圧力をかけるも得点は奪えず
後半22分に逆転弾を許し追いかける展開へと変わったヴァンフォーレ。その前の後半18分にウタカ選手と小林選手をピッチに送り込み、さらに後半27分には武富選手と木村選手を投入。最後の交代枠として後半35分に佐藤選手を使いますが、攻撃の有効手段は最後まで生み出せず。終盤は攻勢を仕掛ける場面が明らかに増えましたが、守りを固める徳島守備陣を崩し切れずに試合終了。ラストにダメ押し点も決められて1対3で敗れてしまいました。

☆敗因は?
この試合敗れてしまった要因として、後半の相手のペースの変化についていけなかったことを挙げたいと思います。徳島はチアゴ・アウベス選手を先発で使っていましたが、彼は前線の守備をあまりしないタイプの選手。攻撃的な技術は高くてもスピードはあまりないのでヴァンフォーレとしたら長身のブラウンノア賢信選手も含めて前半はDFラインの裏抜けに警戒しなくても良い状況でした。しかし後半からそのチアゴ・アウベス選手に代わりスピードがあり献身的に前線のチェイシングができる坪井選手を起用したことで、前半のように落ち着いてビルドアップできない状況が生まれてしまいます。そしてテクニックやパワー系の柿谷選手やカイケ選手を諦めて組織的プレスに積極的に参加できるタイプの杉本選手や内田選手&髙田颯選手や杉森選手を次々と投入したことで、チームとして攻守にアグレッシブさを取り戻せた印象でしたね。その相手の勢いに完全に飲み込まれた感があったので、早急にその勢いのあるプレスをかい潜るプレス回避の方法を模索すべきでした。そして前半は三平選手が体を張り前線で起点となっていたので前目でボールを保持できていましたが、彼が負傷で退くと途端に前線で起点が作れなくなりました。その影響でクリアしても相手にボールを拾われてまた守勢の状態が続く展開が多くなったのも、試合のペースが握れなかった要因だったと個人的には思いますね。そして体力的なペース配分も気になります。スタートから攻守にアグレッシブな姿勢で臨むのはもちろん大切な心がけなのですが、この暑さでは90分間ハイペースで動き回るチームスタイルを継続できないのは確実。前半攻め続けた影響が後半の途中から動きのキレの鈍さとして表れていたと思うので、積極的に試合を進めたい大塚監督の思惑もあるかもしれませんが、攻めの時間帯と守る時間帯をチームであらかじめ決めて90分間もつような計画的なペース配分で試合を進めてほしいですね。


…この敗戦により今シーズンのヴァンフォーレの成績は、6勝7分け10敗の勝ち点25で順位は15位に転落しています。大塚コーチが監督に昇格して新体制で臨むスタートの試合でしたが、初陣は残念ながら黒星となりました。これでヴァンフォーレは9試合勝ちなしの状況が続いていますが、試合中には戦い方に可能性が見えた瞬間もありました。うまくできなかった点を反省することももちろん大事ですが、今回はポジティブになれる点をピックアップして自信を持ってこれからの試合でプレーできるように、次に向かって気持ちを切り替えてしっかり準備して臨んでほしいと思います。



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