いやいや、いつの間にか今年もすっかり押し詰まってきました。齢を重ねていく重みが、だんだん冬に向かう時期は心にも身にも沁みて感じられるこの頃です。
少し、センチメンタルになったところで、まずは、恒例の月の巡りから。
結構順調に、ほぼ抜けずにお月様に会えていました。月を見慣れていない方には、毎日こんなにお月様に会えるなんて思ってない方も多いのではないでしょうか。でも、月の出てくる時間、方角が分かってくると、お月様はかなりの確率で私たちに微笑みかけてくれます。
さて、そんなお月様を見ていると、月が移動していく道の途中にひと際 明るい星に出会うことが多くあります。それは、星座であることもありますが、多くの場合は地球の兄弟星の惑星です。そして、惑星は「惑う星」ですから、あちらへこちらへと、まるで遊んでいるように星座の間を動いていくので、星座図のような固定した絵をみて場所から星座の名前を知るようにはいきません。
でも、今は、位置情報をオープンにしておけば、「星座表」のようなアプリを利用して、自分の立っている場所で、その時どこに惑星が見えるかが、簡単に見つけられるようになりました。また、アプリを入れなくても、国立天文台の「今日のほしぞら」サイトで、時間や場所を入れると、どの方角に惑星が他の星座のどのへんにいるかが分かります。
さあ、今月は実はほぼ皆既月食の赤銅色の月をみられるかもしれません。そのお知らせも加えて、かわいく並んで見える夕方から見える惑星たちのご紹介を中心にお伝えしましょう。
いつものように、太陽から一番近い水星から順を追って見ていきます。
水星:水星は太陽に近い所にいるし小さい惑星なのでもともと見づらい惑星です。そして、残念ながら、夕方から朝の空へと移動中でみられません。
金星:西に夕陽が沈むと南西の空に目立つ1番星に気づいている方がいるかもしれません。それは、金星です。いま、12月初旬に向けて地球に近づいて明るさを増しています。肉眼でも充分、向こうから目に飛び込んでくる感じですよ。そして、先ほど月が惑星と出会う時があるとお伝えしたように、11月8日には、こんな金星と月の姿が見られます。
画像をクリックすると、国立天文台のオリジナル画像が見られます。
実は、月と金星は、昼間の青空の中ですが、ひとつになります(金星食)。天文台とかで観察会をするところがあるでしょうか?太陽に近いので目に充分気をつけないといけませんが、双眼鏡でなら見えると書かれていました。ほぼ50分ほど月の後ろに隠れて、また出てきます。でも、日が暮れてから上のような金星と寄り添うお月様を楽しんだり、写真を撮ったりするのがよさそうですね。
火星:太陽の近くにいるのでみられません。
木星と土星:いま、上の図で土星が見えているのに気づきましたか?去年から、木星と土星は、位置を変えたりしながらもペアで行動しています。金星から南の方に目をやって、土星を見つけたら、そのさらに東側に土星より明るく光る木星が見つかるはずです。
たぶん、金星から目を南東に向けて行くと木星がすぐ見つかり、目を暗さに慣らして空をみていると、木星と金星の間の木星よりに土星が見つかるという感じになりそうです。
夕方天気がよい時、この3つ惑星とお月様を見ていると、木星と土星ペアが徐々に金星に近づいていくこと。月が11月8日に金星に近づいた後は、どんどん土星、木星の順に近づいていくのを楽しめます。そして、ハイライトは、なんと言っても、その月が満月を迎える時です。
<絵をクリックすると、国立天文台の月食案内が見られます>
この図の○の中のように、十円玉のような赤銅色の月がほぼ皆既月食になる前後の18時頃には見られるはずです。夕食前に天気が良ければ家族や友達、近所の人と月が昇り見えてくる5時過ぎから集まって、欠けていく月の変化を、子ども達と絵に描いてみたり、写真に撮ったり、いろいろな方法で一緒に楽しんでみてほしいです。月のかけ方がいつもの満ち欠けとは違うとか、いろいろなことに気づいてもらえるかもしれません。
5月には皆既月食があったのですが、関東は雨は降らなかったものの、雲に遮られてまったくというほどみられなかった皆既月食。さあ、今度はどうでしょう。11月19日の時間は地域によって月の出の時間が違います。
でも、当然ながら、皆既月食が最大になる時間は、日本全国一緒です。遠く離れた友人や家族、親戚と電話をしたりしながら、一緒に楽しむのはいかがでしょう。同じ月を眺めれば、場所を越えて心を繋ぐことができそうですよ。
そして、もう一つ、ほぼ皆既月食の瞬間を待つ間に忘れてはもったいないのが、南から西に向けて木星・土星・金星が可愛く並んで見える姿です。11月8日に見た上の図の時より、どれくらい土星が金星に近づいているかも気をつけて見て下さいね。