como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

軍師官兵衛 第29回

2014-07-21 13:12:53 | 過去作倉庫11~14
 以前、あまりのつまらなさに見放し寸前になったとき、それでも後半30話すぎから急に失速した2013年の逆を行く可能性はあるという、根拠のない希望的観測をつぶやいたことがありますが、どうもほんとにそうなりそうで。ちょっと驚いております。
 というか、大河ドラマも昔のように、3話、まあせめて10話くらいで全体のクオリティがわかる程度に、安定品質を目指してほしいですね。駄作は駄作、佳作は佳作とわかるようにしといていただかないと。
 でもまあ、30話近くなってでもなんでも、悪くなるより良くなった方がいいのは当然です。ブツクサ文句を言いながら毎週みてきた苦労も報われる、かどうかは、まだ完全に信用しきれないんですけども。
 というわけで、いよいよ信長が完全に姿を消して、ほんとに佳作と信じてしまいそうなくらい質感がアップしました「官兵衛」第29回です。ここで霧が晴れたような爽快感に視聴者を導くため、どうも納得できない信長中心の物語を、無駄に延々と引っ張って来たのかと思うくらいです。
 そうはいっても28回分の悪い蓄積があるので、まだしばらくは安心できませんけどね。今回も、スピーディでゴージャスで、往年の名作大河みたいで、ワクワクしたことはしたんですけど、でもやっぱり「んっ…??」と赤いランプが点滅するような場面も、あるにはありましたから。

 軍師官兵衛 第29回 「天下の秘策」

 今週の見どころその1は、最強ユニットAKKB誕生秘話

 先週のつづき。明智光秀(春風亭小朝)討伐の挙兵のため、背後の敵を手っ取り早く片付けるため、官兵衛(岡田准一)は安国寺恵瓊(山路和弘)と密談して、毛利八か国安堵と引き換えの和議を結びます。そのために恵瓊にだけ「実は…」と信長の死をリークするのですが、ここがもう、すごくすごく大河ドラマ的で痺れました。
 「太平記」の、足利尊氏と北畠親房の密会と秘密の和議みたい。どっちも「損して得取る」ということで、利害の一致する点をみつけ、手を握るのが最善であるとの結論を見る。そして、恵瓊は官兵衛と同じエンプロイーの立場から「われわれが手を組んで天下を動かす、これほど面白いことはない」と、微妙に屈折した野望を表明するわけです。この恵瓊の屈折した野望が、官兵衛の野望にも火をつける。ふたりはお互いの利益のため、事務所の縛りを捨てて握手します。ユニット組みます。雇われ軍師の最強ユニット、AKKB(恵瓊官兵衛)です。
 いいですね。こういうのはホントいいです。おたがい腹に一物抱えて手を握る。非常に大河ドラマらしいシチュエーションです。「太平記」の場合は北畠卿がペロッと裏切ってしまうんですけど、こっちの話はそこまでどす黒くありません。
 で、AKはボスの小早川隆景(鶴見辰吾)にこの和議の話を提案しますが、なんで織田はそんなに急に折れて出るのかと、ボスは微妙に納得しきれません。そこへKBがみずからプレゼンにやってくるんですね。これが信長が本能寺で死んだ翌々日(6月4日)の夜のことです。
 このまえ、官兵衛がホイホイ敵陣に行きすぎることを指摘しましたけど、つい最近も敵陣にのこのこひとりで行って1年も監禁され、危うく死ぬとこだったことを考えると、懲りてなさすぎませんか。ま、それでも善助(濱田岳)くらいは連れて行くようになってますけど。
 あと、丸腰訪問のパターンはいっつもそうなんですが、言うことがフラットな正論すぎ。ここでも隆景に(信長の死は伏せて)、「無益な戦を避けるためです、天下のためです、戦乱を終わらせるためです」的なことを言ってますが、このシチュエーションでこれは説得力なさすぎだよねえ。ま、ウソなんだけど。
 小早川隆景ほどの人が、こんな書生っぽい正論で丸め込まれてしまうというのが、ちょっとどうかというとこですね。この場面は、隆景が利害を計算して「怪しいけど悪い話じゃない」と納得するくらいの説得力が欲しかったです(ま、そこまでは脚本的に出来ないからお得意のヘーワ論に逃げたともいえるが)。

今週のみどころその2は、清水宗治の切腹

「腹に一物の和議」と同じくらい大河ドラマっぽいシチュエーション、それが「見捨て」、および「無駄死に」です。
 以前、「見捨て」は大河ドラマとしては重要なモチーフなので、主人公がそれに加担せず、「知らなかった」とか「そんなつもりじゃ」みたいなベビーフェースになってしまうのはいけない、面白くない、と文句をいったことがありますが、今回は違いました。官兵衛は、水攻めの高松城で頑張っている清水宗治(宇梶剛士)の見捨てに、積極的に加担し、そのシナリオまで描きます。こうですよ、こうでなくてはいけません。りっぱりっぱ。
 とりあえず和議を結ぶためには、無駄にがんばっている清水宗治をなんとかしなくてはならない。宗治を助けるために、もうちょっと寝返りを説得してみる、とAKはいうんですけど、KBはそんなこと成功すると期待してないです。本気で命を助けたいなら、宗治に信長の死で事情が変わったことをちょっとリークしてやればすむ話ではあるけど、それもしない。隆景にネタバレするまでの時間を引き延ばすためだけに。言い訳の余地ない見捨てですね。
 だから、「世界平和のために犠牲になってくれ~」みたいに、陰で手を合わせるような描写いらないと思うんだけど。ここはむしろ、ブラックに変身した官兵衛が、真っ白でピュアな宗治を見たくない、視界から消したい、くらいでいいんじゃない。そう、♪I wanna see it painted black,Yeah、とミック・ジャガーの不穏な歌声が脳内再生されるようなノリで。
 そして、有名な清水宗治の船上での自刃。ここはよかった。宇梶剛士さんも、先だっての源三位頼政の座りの悪い叛乱よりずっと花を持たせてもらい、ふさわしい品格もあって素晴らしかったのではないでしょうか。
 なにより、宗治が船上で辞世を吟じ、ひとさし舞を舞って切腹するという描写。芸能のくわしいことは門外漢で分かりませんが、声も美しく風格もあり、なにしろきちんとした形に「見える」。これ大事です。こういうのが、大河ドラマでピンクレジット格の40代中堅の男優さんが「できてあたりまえ」のことであるな、と感心しました。
 昭和大河時代の丹波哲郎さんとか、北大路欣也さんとか、みなさんこういうことはごくごく当然のように出来たんですよね。その伝統が途絶えていなかったのは大きな安心でしたが、逆にいえば、この位のことが出来ない俳優を大事な信長役にキャスティングしたことに、今後の大河ドラマの根幹にかかわる不安も感じます。
 ちょっと話がそれました。ということで宇梶さんは素晴らしかったのですが(官兵衛に「会えて嬉しかった」って何がそんなに嬉しかったのか、という疑問は残るものの)、宗治の最期を遠望する場面で、宗治が前にどっと倒れてから介錯人の刀が振られて空を切っていたのが、この美しいシーンの締めにまぬけな味を添えてしまい、非常に残念でしたね。小姑みたいに細かくて申し訳ないけど。

 ところが、宗治が果てたタイミングで、毛利陣営に使者が駆けこんできます。これが光秀が各地の大名にばらまいた「信長殺っちゃいました宣言」で、隆景は愕然。目の前でおこった宗治の切腹が急に虚しい無駄死になってしまったこと、それに加えても官兵衛の青臭い正論にのってやり、(偽装工作に)毛利の旗も貸してやる、川の堰も切っとけよ、なんならオレがやってやる、くらいに全面的に好意的だったのに、だぁまぁしたなぁあ~~!!ってなもんです。
 このヤバいタイミングでのネタバレに、さすがのAKも開き直って笑うしかないですが、KBはシャアシャアと「ウソはいってない。こっちに不利な話をしなかっただけです」と。
 そんで、我々に討手を出しますか、ていうか光秀に味方してどーなるんです?と居直って脅迫。どうせおたくは天下を取る気とかないんですから、秀吉さまに恩を売った方が得じゃない?と迫ります。隆景もバカではないので、ここですばやく利害の計算をして、話を呑むんですね。うん、こっちのほうが前日のプレ説得より説得力がずっとあったよ。
 ところが障害物がひとつ。両川の兄のほうです。吉川元春(吉見一豊)。利害なんかカンケーねえ、ウソついて自分らをだましたのが許せない。それより目の前の獲物をあえて追わないのが納得できない、と騒いで暴れます。完全にイノシシ武者扱いですね。
 そんなことで兄弟が揉めているあいだ、官兵衛と黒田隊は秀吉軍の殿軍で、毛利陣営の動きを注視しています。隆景が気を変えて、兄ちゃんといっしょに猛然と追撃してきたらアウトだなあと思いながら。でもまあ、結果知ってるし、空気はけっこうのどかなんですけどね(結果が分かってるけどそれでも、のスリル感をここで演出できればいうことないけど、そこまでは望みすぎかしら)。
 で、弟川が兄川の説得に成功し、一文字三ツ星の旗が巻かれたところで、この段階のミッションクリア。秀吉軍は背後の心配をせず、猛然と京にむけてダッシュを開始します。いわゆる中国大返しの始まりですね。

今週のそのほかのみどころなど。

○ 中国大返しの下準備として、途中の給水所の設営とか照明の手配、糧道の確保などの裏方的なことに目配りしたのは非常に良かったと思います。こういうことをあまり細かく、いや無駄に細かくなくてもいいけど、ちゃんと手配してました、という描写をやる大河ドラマは少ないですから。
 高松城水攻めの仕込みもそうだったんですけど、戦国時代の、こういう大ネタは、その課程と舞台裏などをみせるだけでドラマになるものです。「タイムスクープハンター」などの臨場感を取り入れているのも収穫のひとつかな。むだな人情話などよりずっといい。

○ わたし、黒木瞳さんの「おね」ってそんなに嫌いじゃないです。むしろ好きかも。今回も、疎開中の留守部隊を「殿が何とかしてくれます!」という励ましで鼓舞するあたりとか、根拠のない元気と明るさがあって、災害時などに実力を発揮する町内のおばさん的で良かったと思います。
「黄金の日日」の十朱幸代さんのバージョンにちょっと似てるかな? 好きですよ。すくなくとも「江」にでてきたオカカよりずっと。

○ 光秀が安土城入りして、信長コレクションの茶器を家来たちにわけあたえるところも、ネチネチ陰気でよかったです。「信長を思わせるものはすべて処分してしまう」というからには、あの信長秘宝館のコレクションも、とうぜん地球儀も、粗大ゴミ行きなのでしょう。
 荒木村重の茶器への狼藉のときに「生理的に嫌」と文句をいいましたが、今回の茶器の処遇は理性的でとても納得できるものでした。ただ「よいのですか?城が買えるほどの値打ちのものですが」と家来が不安そうにいいますが、この時代のお城って値段をつけてお金で買うような、不動産的価値のものだったのかしら。ベッキンガム宮殿じゃないのですから。細かいツッコミで恐縮ですけど。

○ 秀吉が逆賊光秀討伐を家来たち(といっても小一郎、小六、三成だけですが)に宣言するとこで、そんなことできるのか、無理だろ、的なことを言う3人を一喝して、「この秀吉は誰よりも上様に可愛がっていただいた、百姓の子せがれのワシを上様が引き上げてくれたればこそ今がある、そのワシが上様の敵を討たずして誰が討つ!!」みたいなことをいいますね。
 ここでの秀吉が、8割くらいは本気で自分の言葉に酔ってるんだけど2割ほどは「…なんちゃってな」みたいな、しごく冷静になってこれを演じる自分をコントロールしてる感が出ているのが、実にもう絶妙でした。
 こういう冷酷さって、竹中秀吉の前世の、渡哲也が信長だった時にはあまり感じなかったような(いま改めてみるとどうかわかりませんが)記憶なので、今回、信長の死を利用しつくそうという死肉漁りの熾烈さ、えげつなさが漂うのは、あの信長のハリボテのバカ殿的存在感の効果じゃないかと思います。それを狙ったとも思えないけど(でも狙ったのかもしれない)。
 あと、秀吉の名調子を聴いてる官兵衛の、なんともいえない冷たい顔。もはや信長の死を悼んでもいなければ、なんの悲しみも感じて無くて、むしろ死んでくれて上等、あとはどこまでこの状況を利用できるかという、自分試しの高揚感しか感じてないので、このときの「…よく言うよ」といいたげな無表情は、じつにふてぶてしく黒々としていて、非常によかったです。

 今後はこの調子で、どんどん黒くなって黒さを極めていただきたいですね。来週あたり、あのイケメン枠の高山右近が返り咲くようですが、あの人相手にどこまで黒さを究められるかも見もの。

また来週っ!


12 コメント

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会えてうれしかった(笑) (庵主)
2014-07-26 23:14:11
>ももさん

いやあ、「官兵衛どの会えてうれしかった」ね(笑)
次は光秀が最期にいうのではないか、怖いもの見たさで期待してますよ。

というか清水宗治だって山中鹿介だって、官兵衛にはどっちかとゆーと恨み節の一つも言いたいでしょうに。
それを言わないのが男でしょうけど、でもべつに会えてうれしかったことなんか何もないと思いますけどねえ。
こういう無駄なこと言わせなきゃいいのに、と思います。ま、面白いですけどね。そんな無理やりにでも主人公を良いモンにしたいのか、と(笑)。
さて次は誰が言いますでしょうか。オッズ張ります?
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王様オーラ (庵主)
2014-07-26 23:09:02
>じゅでぃ・すみすさん

恵瓊はカッコいいですね。宇喜多直家のように枯れ尾花で終らなくてよかったです。
ボルジアつながりでいうと、マキャベリっぽくもあるかな?こういう人が暗躍するとドラマは面白いので、息長く活躍してほしいと願ってます。

大河ドラマ放映中には、ほんとに毎回と言っていいほど、新資料が発掘されて話題になりますが…
なんなんでしょうね。まさかヤラセではないでしょうから、きっと、そういうことでもないと埋もれたまま終わる史料というのは数多いのでしょう。
そうしてみると、大河ドラマだって学術的には大事な存在?

吉田鋼太郎さんの揺るぎない王様オーラは、さすがにシェイクスピア劇の王様を数多く演じてきた舞台俳優さんならでは。
大河では、「風林火山」で雑賀衆の津田監物を演じただけですかね?あのときも、またずいぶん渋い大物を出してきたねと狂喜したのですが、ほんとは、もっと大きな良い役を演じてほしいです。
あのかたなら「政宗」のカツ新秀吉くらいのこと出来そうな気がする…。

>てっ、の言い方

そのワインセラーのご主人って、ちょっと気取った方かも(笑)
と、失礼ながら思ってしまいました。ワイン蔵の多い東八代地区には、わりとその手の(お家がお金持ちの農家でちょっと気取った)人っておみかけするので。
ということで、てっ、は年配の人はフツーに言います。うちの父なんかは「でっ」ということが多いかな。
まあ、あんまり若い世代は使わないかな。ウケ狙い以外では。
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濃姫はちょっと… (庵主)
2014-07-26 22:47:52
>かぽさん

コメントありがとうございます。

お濃…
まあ、わたしは信長をうけつけなかったのですが、夫婦セットで違和感ありまくりでしたね。
濃姫は、とにかく台本のセリフが終始トンチンカンだったせいもあるので、気の毒なんですけど。
濃姫なんか出さないで内田さんにはお市様でもやらせてあげたほうが…と思いました(すぐ退場するし)。

空振り介錯…
なんであれが通ってしまったんでしょう(笑)。
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吉川本の「如水」 (庵主)
2014-07-26 22:43:22
>SFurrowさん

はいはい、吉川英治本「黒田如水」、わたしも読みました。無料DL版の電子書籍で。
無料なので、お試し版で半分なのか?と疑ってしまいました。だって、タイトルロールの黒田如水が出てこないで終わるし(笑)。

でも、半兵衛の計らいと、松寿丸との再会のくだりはすごく感動的で、思わずほろほろっとなってしまいましたね。
あれがあたまにあったので、ドラマのほうは、なんだか適当に感動シーンばっか盛ったみたいですごく興ざめでした。
なんで「播磨灘物語」を原作にしなかったんだと憤った時期もありましたけど、吉川本が原作で、前後は創作でもよかったかもですね。とくに有岡城幽閉と三木城攻めのくだりは、もっとしっかりやってほしかったので。

こぴっと、の件。
そう、ほんと、「ぴ」にアクセントがいかないんですよ。平板です。
室井さんすごいですね。それより松本明子さんがすごいですけど。ほんとに地元のスーパーにいてもおかしくないですよ、あのかた。
旧武田家の遺臣が四国にも流れているとは聞いたことがありますが、高松に飛び地があるのか、調べてみる必要があるかもww
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家康と善助。 (庵主)
2014-07-26 22:33:45
>でこぽんさん

コメントありがとうございます。

おんな太閤記!懐かしいなあ。リアタイで見た人も少なくなりましたが(笑)、かつてああいう、最強のスイーツ大河があったことを、あらためて再評価してもいいかと思いますね。信長は藤岡弘、さんかあ。なんか、いろいろ思い出しちゃいますわ。

家康ですが、終盤で老人になるからキャストが高齢なのはしかたないかもしれませんが、それでも、最初は若作りする努力をしてほしいですよね。「江」の北大路欣也さんは、とりあえず塗りたくって若作りはしてました。
それにしたって中の人が65歳過ぎていたら限界があるので、やっぱりNGだろうと私も思います。50代までですね。ギリで58歳とか。

善助は、やっぱり童顔すぎるんでしょうね。ヒゲが…(笑)
でも、いま小一郎秀長を演じてる嘉島さんが、やっぱりこどものような童顔だったけど「風林火山」の武田信繁の終盤がとても良かったのです。濱田さんも演技力あるから、これからに期待してます。
あまり重臣にみえない演出にも問題あるんでしょうけどね。重臣のくせに潜入捜査とか、おとり役とか、そんなんばっかやってる気がするし。
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Unknown (じゅでぃ・すみす)
2014-07-26 08:37:48
「役者の風格」と言う点、朝ドラの吉田鋼太郎さんを見ていて、思います。
歌舞伎役者や狂言師の人が時代劇に出たら、所作などが完璧で風格があるのは当たり前なんですが、鋼太郎さんどっちかと言えばシェークスピア役者ですよね。でも、あの佇まい(先週の土曜日の狂乱シーン、そして昨日の宮本との間に子供ができたと知ったあのシーン)はそれこそリア王と言うか、もう何とも言えない風格がにじみ出ていて、素晴らしかったです。確かに、昭和大河の俳優さん、丹波哲郎・北大路欣也の両氏などは、本当にびしーっと風格があって、彼らが出ているだけで画面が引き締まりました。
とは言え、あの隆大介さんを生かし切れていない今年の大河をみていると、やっぱりこれは脚本&演出のまずさもあるのかなあとか思ったりもするんですが、いかがでしょう?
「こぴっと」なるほど、ネイティブのニュアンスは、そうなんですね。5月にワイン売り場で甲州ワインを売りに来ているおじさんに「て?」っと言ったら、「あれは、ちょっと汚い言葉なんですよ。上品な町の人は使いません」と笑いながらおっしゃってました。方言やアクセントって、難しいけれど、おもしろいですよね。
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宗治 (もも)
2014-07-26 02:34:46
宗治の最後のひとことは、「はい?」という感じでした。
本当に「何がそんなに嬉しかったのか?」と私も疑問が。
大声で名前を呼んだので、「なんだ?なんだ?何事か?」と思ってしまいました。
その後、声が小さくなったけど、大きいままだったら、秀吉陣地で物議をかもしていたかも。
敵将が死ぬ間際に相手方の軍師の名前を好意をもって叫ぶって・・・どゆこと?
もしかしたら、有岡城幽閉1年という武勇伝が伝わっていて、「一度会ってみたい男」として認知されていて、その人に出会ったから「嬉しかった」のかも、と思ってはみたものの、死ぬ直前につぶやくこと・・・・・か?
このドラマの主役は官兵衛です、忘れないでね、と言いたげな無理矢理感満載というか、ひどく唐突で「は?」という感じでした。
少なくともこのドラマでは、この二人、確か一度しか会ってないですよね。
鹿介といい宗治といい、官兵衛は戦国武将キラーですか?
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二度目ですみません (SFurrow)
2014-07-25 00:24:29
「こぴっと」は、単純に「きちんと」「しっかりと」のような意味で受け取っていましたが、庵主様のTwitterを見て、なるほどと思いました。
「しゃんとしろ!」みたいなニュアンスなのかな~~イントネーションも、「ぴ」にアクセントでなく、フラットな言い方だと室井滋さんがアサイチで言っていましたね。
松本明子さんはWikiで見ると香川県高松の出身ですよ。甲州弁の飛び地になっているのか?松本清張『砂の器』の世界だ~~
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Unknown (じゅでぃ・すみす)
2014-07-23 20:26:41
今週もよかったですね。テンポ感・緊張感などなど、なかなか面白かったです。

安国寺恵瓊は子供のころ観た「黄金の日日」での神山繁さんがギラギラ感満載でやっていて、「なんでこの人は、坊主なのにこんなにギラギラしてるんやろう?」と不思議に思っていましたが、その後彼のことを知るに及んで、「なるほど、血生臭坊主になるのも、むべなるかな」と理解いたしました。100年前にイタリアで活躍したもう一人の陰謀大好き血生臭坊主のチェーザレ・ボルジアと言うのもいましたが、彼はお父さんがスーパー権力者だったから、あっという間に還俗して、普通の?武将になりましたが、恵瓊の場合は、所詮毛利に滅ぼされた家のぼんぼんですから、還俗できずに坊主姿で、調略・陰謀・外交交渉をするしかなかったわけで、なんか、今回の恵瓊は、特にここ2回ほどはそういうところまで、みせてくれてるなあとちょっと思ってしまいました。

昨日の日経新聞の夕刊に光秀が信長を討つ理由を理解する本能寺の変の謎に迫る、第一級の資料が発見されたと載っていました。なんでも光秀が信長の四国討伐と長曾我部との間に挟まって「信長の暴走を抑えるには、こいつを殺すしかないやろう」という考えに及んで本能寺の変を起こしたのではないかというものでした。と、言う点から考えると、あの新しいもん好きな品のない信長でもそうなるとOKかな、もしかして、NHKその資料、知ってた?と、うがった見方をしてしまいました(笑)

でこぽんさま、伊賀越えの家康は、よぼよぼで、助さんやくの東幹久さんが出ていることもあり、私は水戸のご老公を思い出してしまいました。
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Unknown (かぽ)
2014-07-22 23:02:01
いつも楽しみに読んでいます。
今回は、早かったですね(笑)

AKKB、最高です!
こういう流れがシビレますよねー
私は江口信長もけっこう平気だったんですが、お濃だけは受付ませんでした。
小早川隆景はいいですよね。
駆け引き満載で、45分があっという間です。

切腹シーンの空振り介錯の指摘は笑いました。何か、見てはいけないものを見てしまったような、ばつの悪さがありましたよね。
本当に、毎回楽しみに更新を待っています。

これからも、楽しい感想をお願いしますm(__)m。
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かっこいいAK (SFurrow)
2014-07-21 23:18:22
「AK」いいですねぇ~
KBのほうはいいんですが、こっちは漢字変換がなかなか出ないので助かります(笑)
AKが本能寺のことを知っていたかどうか、というのは説が分かれているみたいですね(と、『播磨灘物語』に書いてありましたが)、AKも知らされないまま和平に持ち込んだという設定の小説もあるみたいです。
でもやっぱり、今回のように、AKには事実が明かされており、両川はだまされた、という成り行きが一番納得ですよね~~毛利ってやっぱり、そういう所が一足遅れていた、と4分の1長州人としては思っております。

先日図書館へ行ったら、「ご自由にお持ち下さい」コーナーに、吉川英治文庫の『黒田如水』が転がっていたので、吉川御大は本能寺と大返しの所をどう書いておられたのかと後ろのほうをめくってみると、なんとこの本、KBが土牢から助け出される所で終わってるじゃないか~~ぜんぜん「如水」じゃないじゃないか(怒)
でも、さすがに三木城攻めとか毛利に尼子、鹿之介など一般に知られていない播州から西の経緯を、こぴっと書いてあるので、これを原作にして、後の部分をふくらませればよかったのにと思いました。
あ、そういえば、助け出されたKBが戸板で信長の面前にかつぎこまれ、そこに松寿丸まで駆けこむというのは、吉川英治が書いてるんですよ。勝手に原作者にされてるじゃん。
黒田官兵衛を書いている作家というのは、今回の便乗本でないものも意外に多いんですよね。一昔前は、書店に大河ドラマコーナーがあって、こうした本が山積みになっていたけれど、最近はNHKのドラマガイド本(年々ムダに豪華になっているような気がする)ばっかりで、ちょっと寂しいです。大河ドラマ自体が低調になっているのかなぁ。朝ドラも一時は本当につまんないのばっかり垂れ流していましたが、幸いにもこの所盛り返して来ているので、ぜひ大河にも頑張ってほしいです。
(私も、あの「ごきげんようさようなら」に代る「愛の讃歌」にはシビれました)
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家康と善助 (でこぽん)
2014-07-21 15:43:30
毎回、感想を楽しみにして読ませていただいています。

大河を欠かさず観ているのは、おんな太閤記(たぶん小学生でした)以来の二度目です。
岡田准一さんや、数々の役者さんの演技を楽しんでいます。

気になっていることをコメントいたします。スッキリしなくて。

家康は、もたもたでよぼよぼでブツクサブツクサ…、前回と今回、よくない印象です。注目していませんでしたが、ガッカリしています。
違和感しかないのですが、今後の展開のためのあの演技なのでしょうか?
信長の死を知って、もはや自害するしかないと言い、三人の家臣から止められると、了解して自分の言ったことを取り消しました。
コントのようで可笑しくて笑ってしまいました。
なんかダメダメ感漂ってます。
私は歴史の詳しいこと全く知らないので、このドラマでの家康のキャラは、これでオッケーなのか!?と、混乱しています。


善助は官兵衛から「善助っ!」と呼ばれる場面、数回ありますが、ただの子分みたいで違和感を感じます。濱田さんの佇まいのせいなのでは?と思うのですが…。
幽閉よりずっと前、家臣団の中で、いじられキャラで太兵衛からもツッコミいれられていた頃は面白かったです。
歳をとり、立場が偉くなって、風格のようなものを醸し出している官兵衛、九郎衛門、太兵衛と違うのが残念です。



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