【北京=佐伯聡士】中国の四川大地震で四川省北川チャン族自治県にできた「唐家山土砂崩れダム」(堰止め湖)の水位が7日未明、決壊防止のために人工的に設けた排水路の高さを超え、同日午前7時(日本時間午前8時)過ぎから、排水が始まった。
中央テレビなどが同日伝えた。
ただ、ダムの水量はすでに2億2000万立方メートルを超え、土手から水がしみ出す現象も起きている。上流で大雨が降ったり、強い余震が起きた場合、決壊する恐れが強まっており、予断を許さない状況だ。武装警察官約100人が6日午後からヘリで現場に投入され、雨の中、排水量を増やすため排水路を深く掘り下げるなどの作業を進めている。
ダムが全面的に決壊した場合、下流にある石油パイプラインや鉄道、唐代の詩人、李白の旧居などが冠水する可能性があり、下流の住民130万人の避難が必要となる。当局はすでに20万人以上を高台などに避難させ、交通管制を敷くなど厳戒態勢に入っている。 (2008年6月7日13時37分 読売新聞)
香港を拠点にする中国人権民主化運動情報センターが7日に報じたところによると、堰止め湖決壊の危険性で緊迫している四川省綿陽市北川県の唐家山地区に中国で最も重要な核研究施設および空軍施設が集中しており、それら50施設のうち20の設備移転が完了していない。それが理由で唐家山堰き止め湖の排水作業が当初の予定より遅らされているという。このまま唐家山堰き止め湖の排水が行われば、この地域に埋められている過去40年分にわたる大量の核廃棄物や危険な軍事化学工業原料が地下水にしみて広域核汚染あるいは化学汚染が引き起こされる可能性があるという。
同センターは、この堰止め決壊による水没範囲に中国最大の核研究所「中国工程物理研究所」のほか、核工業の839基地、核工業建設集団24建設公司総本部、中性子爆弾製造の857工場、核弾頭貯蔵庫、解放軍の空気動力発展研究センターもあると指摘。また北川県に隣接する安県は解放軍最大の風洞実験施設群があるという。もっか、軍2万の兵士が安県一帯で、軍事研究所施設の移転や保護工作をおこなっているという。(北京 福島香織) (MSN産経ニュース)
この両新聞のニュース、
四川省北川チャン族自治県にできた「唐家山土砂崩れダム」(堰止め湖)・・読売
堰止め湖決壊の危険性で緊迫している四川省綿陽市北川県の唐家山地区・・産経
ということなので、同じ堰止め湖のニュースだと思われます。
読売記事では、唐家山地区の堰止め湖決壊防止のための排水は始まっており、もし決壊すれば「石油パイプラインや鉄道、唐代の詩人、李白の旧居などが冠水する可能性があり、下流の住民130万人の避難が必要」
産経記事では、排水により「過去40年分にわたる大量の核廃棄や危険な軍事化学工業原料が地下水にしみて広域核汚染あるいは化学汚染が引き起こされる可能性」
両方読むと、決壊の危険があり排水が始まっているのはわかりますが、読売記事には核廃棄物や核施設に関しての記載はありません。決壊の危険のその上に、産経記事にある、排水による核廃棄物水没による広域核汚染の可能性もあり、ということ・・これは想像するだに恐ろしいことです。