学研、「台湾」ない地球儀を販売 中国の圧力で (1/3ページ)
(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080110/chn0801100113000-n1.htm
この記事に関して「独断雑記 XYZ」さんが「金美齢さんの言葉」というエントリーで、
次のような金美鈴さんの言葉を紹介されていました。
金美齢さん
これは、氷山の一角だと思います。つまりですね、中国に進出している(日本)企業は、大なり小なり中国政府の言いなりにならざるを得ないという、これははっきりとした一つの事例なんですよね。これは、教育の器具ですからちゃんとした証拠もあるのではっきりしますけども、言論になってしまうと双方の言い分が錯綜してはっきりしないケースがありますけれども、こうやってじわじわっと日本の若者が洗脳されているというこんな怖いことをですね、日本人は知らず知らずに、中国の主張を、一方的なものを鵜呑みにしてしまっている怖さがありますね。
寺崎貴司アナウンサー
これは単に表記の問題ではなくて、本当に台湾の人にとっては、大変な主権の問題と・・・・
金美齢さん
勿論そうなんですよ。だけど日本は第三国ですよね。台湾と中国はある意味対立した状態がずっと続いていますよね。それでもやっぱり商売人は、お金儲けがしたくって、中国へ投資したり、そこで工場をやるんですけど結果的には、皆言いなりになって踏み絵を踏まされているという状態が多々起こっているんですよ。日本はもう少し主権がきっちりと確立している国なんだから、もうちょっとちゃんとね・・・言い分をね・・・例えば日本は白くしていることはフェアなやり方ですよね。日本はフェアにやっているけども中国は一方的に自分の領土であるとか、ロシアの領土にしてしまっているというね、こういう様なことに対して、日本があんまり異を唱えないこと自体がね、一歩ずつ、一歩ずつ後退して・・・
http://ameblo.jp/kyouikusituke/entry-10064968192.html
学研グループ会社が中国工場で作った地球儀において、台湾について、中国の干渉をつい受け入れ、台湾島と表記していること。北方領土をロシア領としていたこと。これは、学研が、事の重大性を認識していなかったこと、ということでしょう。
中国の干渉を(意識しているか意識していないかにかかわらず)受け入れてしまうことは、中国に工場を持つ企業だけでなく、日本の政治家やマスコミやNHKにおいてでさえも、同様のことがいたるところで起きているのだろうと思います。事の重大性を意識していないこと、意識していても譲歩してしまうこと、もっと悪いことに意識的に中国の代弁機関になってしまっている組織さえあります。
この問題は、日本人や日本企業の、「国」に対する考えの希薄さとも関係があるのではないかとも思います。密接な経済的な交流があっても、それとは別に、中国も台湾も他の諸外国も、ごく自然に「国」「国益」を意識しています。が、しかし、日本人はそのあたりの政治的な問題、国や国境、国益、国の主権、などへの意識が希薄、鈍感すぎるのではないでしょうか。
台湾と中国間の緊迫した情勢において、台湾は自国の主権に関して、中国からの精神的軍事的圧力を現実的脅威と考えていることでしょう。しかし、沖縄からわずか200km先の隣国である台湾と中国のこの現状についてしっかり認識している日本人が一体どれだけいることでしょうか?ほとんどの日本人にとって、寺崎アナウンサーのいう「大変な主権の問題」という感覚は、ピンとこない、のではないかと思います。それは、もしかすると、敗戦から現在まで約60年間、日本人自身に、自国の「国」や「国の主権」という問題についての意識がほとんどないから、ではないでしょうか。
台湾人である金美鈴さんは、「日本は(台湾よりも)もう少し主権がきっちりと確立している国なんだから・・」とおっしゃっておられます。日本は、第三者ということで、両国の間の問題に毅然と対応できる立場であるはずです。が、残念なことに、国民の意識という点から考えれば、今の日本ほど国の主権に関する意識が曖昧で、希薄な国も珍しいといえるのかもしれません。