寂れた漁港・日無町で、父親や祖父と3人で暮らす男子中学生カイ。両親の離婚が原因で東京からこの町へ引っ越してきた彼は
両親に対し複雑な思いを抱えながらも口に出すことができず、鬱屈した日々を送っていた。そんなある日、クラスメイトの国男
と遊歩に誘われて人魚島を訪れたカイは、人魚の少女ルーと出会う。カイは天真爛漫なルーと一緒に過ごすうちに、少しずつ自分
の気持を言えるようになっていく。しかし日無町では、古来より人魚は災いをもたらす存在とされていた。
「夜は短し恋せよ乙女」に続き、湯浅正明の渾身の傑作の誕生ですね。湯浅アニメは、独特のスピード感あふれる場面展開。
原色を多用したカラフルな配色。デフォルメされ、観る者の遠近感が倒錯する。リアルな描写があるかと思いきや、突如として
抽象的なアウトライン線画のシンプルアニメになる意外性。それらの組み合わせが独特で面白い。
今作品は音楽もポップな音楽が組み合わさっており乗りも良い。 所々で「崖の上のポニョ」を感じさせるシーンやそこを超えて
湯浅ワールドが展開している感じです。
太陽に当たると燃えてしまうというヴァンパイア設定の人魚。そこに"日除け"となる、自然条件や地形、傘が活躍する。
面白いのは、人魚イヌの"ワンギョ"。まるで赤塚不二夫の"ウナギイヌ"?をモチーフにしたかのようなキャラクターがうける
カイ君がルーと時間を重ねていく中で心を開き成長していく姿が良かった。 ☆☆☆★