今回の国政選挙の投票率はどうだったかというと、2006年の81.99%から2.64ポイントも上昇して、84.63%となった。
歴史的に見ると、1970年代には国政選挙の投票率が90%を超えていたこともあった。しかし、80年代後半から減少傾向になり、そのうち80%を切るかとも思われた。しかし、前回2006年の選挙で2ポイント近く回復し、そして、今回さらに大きく上昇することになったのだ。再び90%というハードルを越える日が来るのだろうか?
前回に引き続き、今回も投票率が上昇することになった要因は、左派・右派ブロックの支持率が伯仲し、接戦になったからということもあるが、それ以上に期日前投票の利便性が高まったことも大きな要因だろう。
下のグラフは期日前投票が開始された9月1日から19日の投票日までに期日前投票をした人の数の推移だ。週の半ばに多く、週末には少ないことから、通勤や通学の途中に利用した人が多いと推測できる。また、投票日直前の週の利用者が非常に多いことも分かる。
ちなみに、投票日である19日にも「期日前投票」をしている人が8万人ほどいるが、これはどういうことかというと、投票日当日に自分の投票区とは違う場所で投票したい人のために、期日前投票所の一部(例えば町の中心のショッピングセンターや駅構内)が投票日当日もオープンし、そのような人の投票を受け付けていたためだ。
このような、投票日当日の「期日前投票」を除けば、投票日の前日までに投票した人の数は228万人にのぼり、この数は有権者総数の32%にもなる。ちなみに、4年前の選挙では120万人ほどだったから、倍近く増えたことになる。
つまり、3人に1人は投票日前に既に票を投じてしまうわけなので、直前に大きなスキャンダルが起きたりして、世論の動向に変化が生じても、選挙の結果に与える影響は限定的なものになるかと思われるかもしれない。ラストスパートにおける政策議論が報われない、と感じられるかもしれない。
しかし、スウェーデンの期日前投票の制度の非常に面白いところは、後悔して投票し直すことも可能だ、という点だ。ただし、投票し直せるのは、投票日の当日に自分の属する投票区においてのみだが。
私も投票日当日は一日中、出口調査をすることになっていたので期日前投票をしたが、その際、私は自分の支持する政党の投票用紙を小さな封筒に入れて(市議会と県議会別々に)封をし係員に提出する。そうすると、係員はその2つの封筒をさらに大きな封筒に、個人背番号など私を特定できる情報が書かれた紙と一緒に入れて封をし、投票箱に入れてくれる。
さて、投票日の晩にこの投票箱を開ける時にはどのような作業になるかというと、まず、係員はそれぞれの個人別の大きな封筒を開け、私の個人背番号をデータベースに照会する。もし、私が当日に自分の投票区において再び投票していれば、それが判明するため、係員は大きな封筒の中に入っていた小さな封筒(投票用紙が入っている)を開けることなく廃棄処分する。もし、私が当日に再び投票していなければ、小さな封筒を開票・カウント作業に回す。この時点で、私の投じた票が無名化する。
実際のところ、この後悔制度を利用する有権者は前回の選挙ではごくわずかだったというが、今回の選挙では投票日に向けた最後の週になって、政策議論に変化があった(「クラミジアの手紙」)ので、もしかしたら後悔制度の利用者も増えたかもしれない。直前の世論調査では、左派ブロック(赤緑連合)が少し挽回してはいたものの、右派ブロックが優勢であることには変わりなかった。しかし、社会民主党のモナ・サリーン党首は「既に期日前投票をした人でも、当日に投票し直すことができる」としきりに訴えて、最後まで努力していたのが印象的だった。
歴史的に見ると、1970年代には国政選挙の投票率が90%を超えていたこともあった。しかし、80年代後半から減少傾向になり、そのうち80%を切るかとも思われた。しかし、前回2006年の選挙で2ポイント近く回復し、そして、今回さらに大きく上昇することになったのだ。再び90%というハードルを越える日が来るのだろうか?
前回に引き続き、今回も投票率が上昇することになった要因は、左派・右派ブロックの支持率が伯仲し、接戦になったからということもあるが、それ以上に期日前投票の利便性が高まったことも大きな要因だろう。
下のグラフは期日前投票が開始された9月1日から19日の投票日までに期日前投票をした人の数の推移だ。週の半ばに多く、週末には少ないことから、通勤や通学の途中に利用した人が多いと推測できる。また、投票日直前の週の利用者が非常に多いことも分かる。
ちなみに、投票日である19日にも「期日前投票」をしている人が8万人ほどいるが、これはどういうことかというと、投票日当日に自分の投票区とは違う場所で投票したい人のために、期日前投票所の一部(例えば町の中心のショッピングセンターや駅構内)が投票日当日もオープンし、そのような人の投票を受け付けていたためだ。
このような、投票日当日の「期日前投票」を除けば、投票日の前日までに投票した人の数は228万人にのぼり、この数は有権者総数の32%にもなる。ちなみに、4年前の選挙では120万人ほどだったから、倍近く増えたことになる。
つまり、3人に1人は投票日前に既に票を投じてしまうわけなので、直前に大きなスキャンダルが起きたりして、世論の動向に変化が生じても、選挙の結果に与える影響は限定的なものになるかと思われるかもしれない。ラストスパートにおける政策議論が報われない、と感じられるかもしれない。
しかし、スウェーデンの期日前投票の制度の非常に面白いところは、後悔して投票し直すことも可能だ、という点だ。ただし、投票し直せるのは、投票日の当日に自分の属する投票区においてのみだが。
私も投票日当日は一日中、出口調査をすることになっていたので期日前投票をしたが、その際、私は自分の支持する政党の投票用紙を小さな封筒に入れて(市議会と県議会別々に)封をし係員に提出する。そうすると、係員はその2つの封筒をさらに大きな封筒に、個人背番号など私を特定できる情報が書かれた紙と一緒に入れて封をし、投票箱に入れてくれる。
さて、投票日の晩にこの投票箱を開ける時にはどのような作業になるかというと、まず、係員はそれぞれの個人別の大きな封筒を開け、私の個人背番号をデータベースに照会する。もし、私が当日に自分の投票区において再び投票していれば、それが判明するため、係員は大きな封筒の中に入っていた小さな封筒(投票用紙が入っている)を開けることなく廃棄処分する。もし、私が当日に再び投票していなければ、小さな封筒を開票・カウント作業に回す。この時点で、私の投じた票が無名化する。
実際のところ、この後悔制度を利用する有権者は前回の選挙ではごくわずかだったというが、今回の選挙では投票日に向けた最後の週になって、政策議論に変化があった(「クラミジアの手紙」)ので、もしかしたら後悔制度の利用者も増えたかもしれない。直前の世論調査では、左派ブロック(赤緑連合)が少し挽回してはいたものの、右派ブロックが優勢であることには変わりなかった。しかし、社会民主党のモナ・サリーン党首は「既に期日前投票をした人でも、当日に投票し直すことができる」としきりに訴えて、最後まで努力していたのが印象的だった。
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