スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

最終結果は水曜日に発表

2010-09-22 04:59:55 | 2010年9月総選挙
投票が行われた日曜日の夜は、即日開票で票が数えられたものの、その日のうちに伝えられた選挙結果は、あくまで仮のものに過ぎなかった。期日前投票のうち、前日の土曜日に投票されたものや、国外で投票されたものが加わっていないからだ。

即日開票で数えられた票も含めて、現在、集計作業が続いている。このブログを書いている火曜日夜の時点で、カウントがすべて終了したのは6063投票区のうち、3601だ。水曜日も作業が続けられ、その日のうちに最終的な投票率と議席配分が発表される。

前回の記事で、環境党がキャスティング・ボードを握る、と書いたが、もしかしたらそうならない可能性もある。即日開票では、右派ブロック(現・中道保守政権)が172議席を獲得し、過半数に必要な175議席まであと3議席足りない、という結果になったが、期日前投票の一部や国外での投票分しだいでは、175議席に達する可能性も出てきたからだ。しかも、1000票ほどの違いで明暗が分かれるというではないか。


(比例代表制の選挙制度なのに、なぜわずか1000票の違いで3議席も増えることになるか疑問に思われるかもしれないが、選挙区ごとの議席配分に加えて、ズレを調節する全国区の議席配分という少しトリッキーな制度があるために、そういうこともありうる。それについては、またの機会に)

だから、今日火曜日は政治的な動きは全くなく、皆がただひたすら最終結果を待ちわびていた。

さて、私は何を期待すればよいのだろう? 応援していた「赤緑連合」が敗れて、右派ブロックが今後も政権を握ることがほぼ確定した。
(ケース1)もし、最終的に右派ブロックが175議席を獲得することになれば、過半数政権という安定政権を樹立することができ、極右政党の影響力を除外することができる。これはこれで喜ぶべきことだ。しかし、右派ブロックの政策内容は、私にとって必ずしも喜ぶべきものとは言えない。
(ケース2)もし、最終的に右派ブロックが175議席未満しか獲得できなかった場合、環境党と右派ブロックが閣外協力もしくは連立形成に向けた交渉を始めることになる。ここで、交渉がうまく行き、連立が成立し、環境党が副大臣をはじめとする大臣ポストを獲得することになれば、右派ブロックの政策内容に影響を与えることができ、社会保障の削減や減税といった政策にブレーキをかけることができるかもしれない。しかし、連立ではなく、閣外協力に終わり、わずかな影響力しか持てない可能性もある。もしくは、交渉そのものが破談となり、極右政党が政権運営においてキャスティング・ボードを握る可能性もある。

ケース1の場合、右派ブロックのマニフェスト通りの政策が実行されることになるため、面白みは何にもない。ケース2の場合、うまく行けば右派ブロックのマニフェストとは異なった政策が実行されることになり、面白い展開となるが、うまく行かなければ、ケース1よりも最悪な状況となる。

さあ、どちらを期待すれば良いのか?

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