ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
毎日更新しています。

さよなら悠未ひろ

2013-11-25 07:00:00 | 宝塚コラム

悠未ひろさま

 

ご卒業おめでとうございます。

いつかこんな日が来るとは思っていましたが・・・現実にあと何日という事になると

知らず知らず心は騒ぎたち、悲しいやら寂しいやらで乱れてしまいます。

このまま千秋楽まで考えないようにしていこう。そんな風に思いつつもやっぱりこやって

語ってしまうのです。

 

悠未ひろ。83期。同期は天勢いづるとか彩乃かなみとか琴まりえとか・・・

愛音羽麗もそうですね。

83期に関して思う事は、非常に恵まれない期だったなあという事。

81期が震災直後の初舞台生で大和悠河真飛聖椿比呂花など、結構路線を

多く抱えていて、そのあとは85期の柚希礼音の期が来る。

狭間の83期は色々な意味で理不尽な扱いを受ける事が多かったし、上に上がって

行くのも大変でした。

宙組で言えば、花總まりの長期政権で二番手の彩乃かなみが危うく

トップになれないんじゃないか・・・というような事があったし、紫城るいは

男役から転向を余儀なくされ、月から宙へ移動しトップになった途端に退団。

宙組の人事の激しさに翻弄された娘役達。

それはあなたも同じですよね。

 

1997年に「仮面のロマネスク」で初舞台を踏み、そのまま宙組へ配属。

いわゆる「生まれも育ちも宙組生」のあなた。

他の組ではともかく、ここ宙組において「生まれも育ちも」というのは

非常に珍しい事ですし、天然記念物級の扱いだと思います。

というのも。

宙組は発足以来、とにかく入れ替わりが激しい組

将棋の駒のように次々組子が代わる。3番手4番手がころころと。

おまけに新人公演主役をはった人から退団していく・・・というような事もあり。

さらに2001年の「新専科制度」発足後は、1度に2人も3人も専科が出演し

歌劇団はその扱いで精一杯で下級生・・・というか次世代がものすごく手荒に

扱われた時代でした

宝塚は歌舞伎のような「型」の踏襲がありませんので、下級生はその時代の

トップさんの背中を見るしかないのです。

あるいは上級生の背中をじっくりとみる事が大事になります。

しかし、宙組においては、上級生が次々と変わっていくし、そうかと思えば

やたら長期政権が続いて上がつかえる状態になったりと、落ち着かない日々。

今の時代に組カラー云々を言うのは古いけれど、他の組に比べ宙組は

これといった組カラーや特徴を有することがなく・・・しいて言えば「みんな背が高い」

という事ぐらいが共通点の組でした。

 

そんな中、あなたは日向薫以来の背高のっぽで、まるで宝塚の為に生まれて

来たような容姿。さぞや希望にあふれて入団した事でしょう。

私は「傭兵ピエール」の新人公演の映像を見て、「本公演の和央ようかに比べると

なんて優しくて包容力があるんだろう」と思ったのですが、当時のトップコンビには

ない「おっとり感」や「優しさ」を持っていたのは事実だろうと思います。

初主演作だった「プティ・ジャルダン」は、これまた映像でしたけど、うまい下手というより

精一杯やっている。それがいい・・・としかいいようがない出来でしたよね

「傭兵ピエール」新人公演主役時から、どれだけ伸びるのだろうと

期待して見ていたのですが、その後はなかなか恵まれない時代に入ります。

 

あの頃は宙組生全体が暗中模索だったような気がします。

誰が特別・・・という人が出てこなくて、結局辞めては他の組からきて・・また辞めるの

繰り返しでしたものね

あなたも、舞台から真正面を見ればいいのに、常に2階の方に視線がむいていて

「それじゃ全然どこをみているのかわからないよーー」状態の時がありました。

このまま直らなかったらどうしようと思った事も。

背が高くて包容力がある以外に、何かどかーんと来るものが出てこないか

もう出てこないのか・・・と思っていました。

 

そんな時、大和悠河の「A/L」でルイ・アントワーヌ・レオンという悪役を演じる

チャンスがあり、実質上、あれが演技開眼であったかと。

バレンシアの熱い花」のルカノールもまた悪役で。そういうのが似合う学年に

なったんだなと感慨深く見てたものです。

カサブランカ」のシュトラッサーもとてもかっこよかったですよね。

誰が為に鐘は鳴る」ののほほんとしたギター弾きより、やっぱり悪役が似合うというか

体が大きいので怖さが倍増するんですよね

そして「逆転裁判3」のマイルス・エッジワース。

これは悠未ひろの代表作といえるでしょう。

学年による円熟味と技術力が見事にマッチした素晴らしい出来でした。

下級生のお手本になるでしょう。

 

去年、同期の愛音羽麗が退団し、たった一人の83期生になってしまいました。

私としてはこのまま専科なり組長なりになって欲しかったけど、あなたにはあなたの

考えがあり、その思いで突き進んで行んですね。

みわっちもかなみんもるいるいもみな舞台で活躍しているし、ことことは

幸せな結婚をしています。みな、苦労した分、それなりの幸せをつかんでいますよ。

 

あなたに望む事はたった一つ。

幸せになって下さい。

宝塚での経験をいかして、誰よりも幸せに、そして有意義な人生を送って欲しい。

あなたが本来持っている「優しさ」や「おっとり感」を最大限に生かして

生きて行って欲しいです。

長い間、ありがとう。あなたのような素晴らしい男役に出会えた事を忘れません。

 

 


コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 宙組 「風と共に去りぬ」 | トップ | 八重の桜・安堂ロイド »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いつも見ています (ろりこ)
2013-11-25 09:10:58
あなたの宝塚評は古今東西ぴかいち    いつもそうだそうだと読んでいます 皇室評は的確すぎて宮内庁からクレームがこないか案じています 
愛が (あまれっと)
2013-11-25 19:42:23
ふぶき様の宝塚評いつも拝見しております。
宝塚、生徒へのコメントにはいつも愛があふれておりますね。
Unknown (ふぶき)
2013-11-25 20:37:21
>ろりこさま
いやーー褒めて頂いて嬉しいです。
宮内庁からはクレームはまだないですが
荒らしは多いです(笑)
これからもよろしくお願いします。

>あまれっとさま
だって・・だって・・・ともちゃんがあ(涙)
ひっく・・・ひっく・・・うえーん。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

宝塚コラム」カテゴリの最新記事