ふぶきの部屋

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STUDIO 54

2011-01-21 10:28:52 | 宝塚コラム

20日の夜、月組青年館公演「STUDIO54」を見てまいりました。

ゆみこちゃんも見たそうだけど「NAKED CITY」が頭をよぎったことでしょうね。

私がどうだったから・・・・

 

 脚本について

斉藤君がデビュー以来、いい意味で変わってきた事はとても評価しています。

自分の好きな事、やりたい事と観客のニーズをうまくリンクさせて、見せ場を作り

盛り上げていく才能は毎回すごいなと思います。

今回も幕開きのアニメや、ノリのいい主題歌、脇の一人にまで台詞と個性をつける

演出・・・はとてもいいやり方ではないかと思います

それだけに、私のような素人が何をかいわんやである事も十分に知っております。

ふぶきのような素人にプロの俺様に意見する資格なんかない」

といわれたらそれまでです。

私は専門的に勉強しているわけではなく、評論家でもないし・・・・

でも私のような意見をもし評論家の御偉いさんがしたら、聞く耳を持ってくれるのかな。

今、仮に斉藤君をベタ褒めする評論家が何人かいても、内心では私と同じように

思っているのではないか?などと思ってしまうわけで

宝塚の座付き作家の課題は「ある程度以上成長しない事」です。

多分、基本がしっかりしていなくてしかも仕事に追われ、自分の脚本を読み直す

暇すらないからなんだろうなあと思いますが、このまま行けば斉藤君も他の

中堅・御大作家様達同様、歳をとるにつれ「欠点が多すぎ」「古臭い」と言われるように

なりますよ。

世代や年齢を超えた名作を書いてみたいと思いませんか?

若さと勢いで突っ走るやり方はそろそろやめた方がいいと思いますが。

むしろ、「観客を啓蒙する」作家になって欲しいと思うんですよ。

名作や古いものをきちんと理解する心を持つ観客を育てる作家になって欲しいです。

という事で辛口を。

 

 テレビじゃないんだから

幕開きのアニメ・・・また始まったと思ったらその後は怒涛の展開。

次から次へと場面が変わり、セットがあっちこっち移動。

観客はストーリーを追うので精一杯。何が何だかわからないうちに笑ってた。

こういうのは舞台ではなく、テレビや映画の手法ですよね。

でもドラマだってちゃんと見せたい時は長回しするもので、こんなにぱっぱと場面が

変わっては印象に残りません。

当然の如く、人の描き方があいまいで浅薄にならざるを得ず、その場限りの感動で

終わるわけです。

(スカステで後に見ると、この頻繁な舞台転換がうざくて・・・結局早送りが多く

なってしまいます)

 

 場をもっと整理しよう

メインが「STUDIO54」なら、そのセットをデンと置いたら後はあまり場面転換を

せず、じっくり見せていく方がいいのでは?

1幕目は8場もあるけど、実質は10場を越えています。

例えば、ジゼルのマンションシーン → ソファなどを上手か下手に置く事で

終わらせるとかストリートの場面を全部STUDIO54のドアの外に置けば、余計な

転換がなく、すっきりするのではないかと思います。

2幕目も7場ありますが、4場の「三日月は誰に微笑む」のスティーヴの部屋シーンを

STUDIO54にして行けば、さらっと整理できますよね。

この芝居なら1幕5場くらいで済んじゃう感じです。

何も頻繁に場面転換しなくても観客は十分に楽しめるんですよーー

 

 ストーリーに斬新さを

このお話はよく見ると大和悠河・陽月華主演の「A/R」とほぼ同じですね。

・幼い頃の記憶と夢

・再会した二人

・主人公の親の事情

・ラストは進歩的な別れ

ワンパターンなんじゃないかと。

確かにこういう流れでストーリーを組み立てるのは容易で書きやすいと思います。

でも、「AR」の場合はルパンを出した事で時代性が面白かったけど、こっちは

単純に1979年と言われても「その年って何か重要な事があったっけ?」程度の

認識。

なぜ舞台がアメリカなのか

ジャーナリストとパパラッチの明確な違い

ディスコがスターにとってどれ程重要な場所であるのか

これらがきちんと描かれてないのです。

 

また、「伏線」が全く描かれてません。

 ホーリーの父が29年ぶりに帰国して病院に入る話は1幕で伏線を

 引いておくべき。

 2幕目に唐突に出てくるジゼルへの殺人予告も1幕目で伏線を引くべき。

 ザックとステーヴのBL関係も1幕目からもっと出すべき。

 ニールがザックに憧れている場面。

 ラングレーとリアの過去と心情が描かれていない。

 

これに尽きますよね。

 

 登場人物に深みを持たせよう

 ホーリー・・・29年前に孤児院に捨てられた。ジャーナリスト。パパラッチ

ジゼル・・・孤児院仲間。スターになるのを夢見た女の子。

Z-BOY・・・貧しいスター志望の少年がSTUDIO54に入って

        ロックミュージシャンに。

重要人物3人の心の奥底が全く描かれてない。

例えば・・・

 ホーリーの夢と現実のギャップ

 ザックがひねくれたスターになったわけ

 ジゼルが暗い女の子になった理由

このお話の鍵は実はラングレーにあるのだと思います。彼が妹の為に何とかしようと

考えた事が殺人予告のきっかけになり、事件を引き起こすわけで。

なぜ二人は黒人なのか?黒人と白人の違いなど等。二人を取り巻く環境を描く

だけでもかなり違うと思うのですが。

要するに脚本に「登場人物の必然性」が全く描かれず、その場ノノリで「ラングレーは

黒人にしちゃえ」「ザックとスティーブはカップルにしちゃえ」と考えたのが見え見え。

  


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2 コメント

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Unknown (ヒロ)
2011-01-21 23:53:39
うん、やはり色々と観劇されているふぶきさんだから鋭いですね。
私は偏った観劇なので比較もできません。
でも、確かに深みはなかった。あんなに登場人物が多いと浅くなる。それでも、飽きずに観られたのはまだましだと思います。
STUDIO54の中の複雑な人間関係を描きたかったのかな?そうじゃないみたい。孤児の二人の行く先をそこに当てはめて役を作っていったみたいな気がしてきました。
あの実父との対面をさらっとかわしているのはちょっと納得いかなかった。警官コンビも敢えてあんなにクローズアップする必要はない。
結局は、前回の本公演で役が少なかったので、役を増やしました。台詞を言ってもらいました。歌ってもらいました。なのかな?
やっぱりそれぞれの人生が見えてこないという不備があったのでしょうね。
若手好きとしては、色々な場面に出ているのは単純に喜びましたが。
Unknown (ふぶき)
2011-01-22 17:01:50
>ヒロ様
なかなか面白い作品で、見ているときは楽しめましたよねーーでも、色々詰め込みすぎたかなと思います。若手の名前を覚えるにはちょうどよかったと私も思いますが。

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