5/4 ハイバイ「おとこたち」観劇
4人の男たち。
24～82歳まで、それぞれの人生。
気になったのは、あの親子。
子の生意気な態度もあるけれど、
親の高圧的な言い方も如何なものか。
(それ、自分や！)
かなり身につまされる。
でも 心に残ったのは
“できないことを面白がる”
という言葉。
笑うのじゃなくて、面白がる。
本当の意味で面白がるのは
けっこう難しい。
できる方が評価されるし
できるためにはどうすれば？と
分析したり、頑張ったり、
そうしなきゃと思ってしまう。
でもそのために
追い詰められていくなら
本末転倒。
面白い、楽しい、そんな気持ちこそが
次へと動ける力にもなる？
だから、
何気ないやり取りの中にあった
“面白がる”という言葉が胸に響いた。
そうはいっても、なかなかで。
やっぱり必死になってしまう。
それがあの父親の姿に見えた。
けれど個人的には
それは悲惨で救いがない
感じではなかった。
もちろん辛い場面。涙も出るくらい。
思うようにできないのが人間。
面白がれない人間も否定はしない。
そんなふうに感じた。
どんな自分でも 取りあえずは
それでもええんや、と思えた。
順風満帆だった鈴木(父親)の話を
皆がつまらんと言ってたように、
何でもできるのは
見てる方は つまらんのかも(笑)。
見たいのは色々な葛藤。
滑稽でも辛くても
血の通った人の言葉。
そんな物語の中に
我が身を置くような心地。
そういうことが自分にとって、
ひとつの気分転換でもあるのかな。
日常を生きていると、
こうすべき、これが望ましい
そんな諸々から
なかなか逃れられない。
自分の人生から離れることもできない。
でも、舞台の上の
他人の人生に入り込み
涙したり笑ったり
何かを感じることで
気分が変わる時間が持てる。
お芝居の内容にもよるけど、
少なくともこの舞台はそうだった。
何かの討議だったら、
あんな親はダメであり、
言葉かけをどう変えるべきか等
色々な問題点を改善しよう
……てことになるのだろう。
それは正しいし、必要。
けれど、それでは
どうにもならない部分もあって。
そこを、拾ってくれるのが
演劇の力かなぁと思った。
自分自身、子どもが
学校に行けず日中起きられない日々を
延々と繰り返す中で
悶々としていたから。
答えを探して
とにかく動いて、
やっちゃいけないと
分かっていることを繰り返し
その度に、上りかけた階段を
転げ落ちては茫然自失。
そんな中で求めているものは
正しい答え、だけでは
ないのかもしれない。
数時間の舞台を観て
何が変わるわけでもない。
それでも、
人並みの心身を保てない
今の自分を受け入れることから
また何か始まるような気がする。
たったそれだけのことでも、
ここに居ていいんだと
思えるから不思議。
そもそも人並みって何だ。
4人いても全然ちがう(笑)。
気にすべきは そこじゃないな。
視点が変わる、
それはけっこう大きなこと。
………………………
アフタートークでは
作・演出の岩井秀人さんと
映画監督の本広克行さんとのお話。
事前に配られたトーク用質問用紙を
回収して、それに答えつつ
トークが進んでいった。
劇中で歌ってた曲から派生した話や、
演劇の特性や観る人の想像力。
老いの切なさ怖さ(笑)。
舞台の作り…客席から見上げない
近い感じ。
現代口語演劇…きれいにではなく
生きている言葉。
「おとこたち」の前の作品
「ある女」裏話など。
もし「おんなたち」なら？
うどん推しだけじゃない我が県の印象？
以前、県庁舎に映像を映すなど
場所を提供してくれた懐の深さなど。
興味深いお話、
たくさん聞けて良かった。
……………………………………
そういえば岩井さんのお子さん
10歳くらいとお聞きしたが
うちの次女が11歳、近い。
けっこうエグい舞台も平気(笑)なので
今回のも大丈夫だったなーと。
確かに…
下ネタ用語説明は求められるかも(笑)。
次女の都合で連れて行けなかったけど
あらすじ話したら、観たい！と。
DVD持ってるので、また観せてやろう。
何年か前に観た
ハイバイ「て」も良かった。↓
http://blog.goo.ne.jp/yokokei4/e/6b2b09803f5a237b300c8ca0cba8cbd3/?st=1
そうそう、ヒドミも観た(^.^)
樹月けい @kizukikei
