月下樹のおと

樹月けい、オタク母のブログ。アニメ・漫画。お絵かき展示等。義母の介護終わり、義父のご飯お手伝い中。

1/28 サラダボール公演『サド侯爵夫人』三女と観劇

2024-01-31 21:56:25 | 感想★アート演劇 映画ドラマ アニメ等

1/28(日)
サラダボール公演『サド侯爵夫人』
千秋楽、三女と観劇。

いつもより上段の方の席に座ると
頭上に気配を感じ、ふと上を見た。

オレンジ色の照明。
吊るされた電灯がわずかに動くので
電灯のシェード(傘)の向きも動く。
それに光が遮られて影ができるので
何かが頭上を横切るように
感じたのかもしれない。

その揺らぎは
何ともいえない不穏な気配で、
これから始まる物語の
予兆のようだった。

………………

登場人物は
サド侯爵に関わる女たち。

しかし、それぞれの考え方は様々。

共感できそうで…できなかったり、
反感を持ちつつも…
何か気になったり。

それにしても
サド侯爵がやったという
乱行の話がヤバい。

これをどう受け止めたらいいのか
観ながら悩んでしまう。

個人的には
痛みと快楽は繋がらない性質なので
どこまでいっても
理解には至らない。

しかしこれを
悪魔のような所業と
直ちに断罪するのも
どうかと思うし、
そんな人のはずがないと
善人の面だけしか見ないのも
どうかと思う。

とはいえ
褒められた行いとも思えない。
相手のいる話なので
それなりの報酬なり同意なりが
前提だろうが、
そもそも対等とも思えないので
それも問題だよな…なんて。


とにかく
頭を悩ませることには違いない。
女たちの話や反応も
それぞれに違っていて、
ぴったり共感!にも至らない。

それぞれに感じる
引っかかりが気になり
なかなか
すっきりさせてくれなかった。
………………

そうこうしているうちに
かなりの年月が経っていく。

革命、
世の中がひっくり返る。
それと共に
悪徳、美徳もひっくり返って…
それでいいのだろうか?
何でもかんでも
変わればいいという訳では
ないと思った。

けれど
大きな時代のうねりはきっと 
動き出したら止まらない。

良い悪いでもなく
そういうものだと思う。


けれどそれが、その人の
心の内から
求めるものでないとしたら?
外からの何かに縛られて
ねじ曲げられているのなら?

時代の変化と共に
振り回され続けるのは
しんどいことだ。

それなら、
世間の規範などお構いなしに
自分の欲望のままに生きる方が
マシなのか?

それも……程度の問題?

だいたいの人は
人と関わりながら生きている。
 
バランス…
という言葉で終わらせたくはないが
やっぱり必要な気がする。

そのためにも、
自分の芯になる
求めているものは何なのか、
それを見失わないように
したいと思った。

周りの尺度は様々で
その時々で変わっていく。
けれど
自分自身もまた変わる。

決まったものがない
というのは厄介なことだ。

けれど
気持ちよく生きるためには、

今の自分の内側の
あるがままに目を向けること

そこから
始まるのかもしれない。


……とはいえ
それは
簡単なことでもない。

時に苦しいことでもある。

分かったところで
うまくバランスをとれない
状況はいくらでもある。


そういう意味では、
波乱の人生を送った
彼女たちの姿を見ていると
じわっとくるものがあった。

すべて理解はできないけれど
必死に生きた人の姿は尊い。

………………………

今回、
舞台に出ておられた方々には
馴染みがあった。

2010年代 舞台でご一緒した、
その当時演劇コースの
学生さんだった方々。

その後、
アートマネジメント講座を通じて
お話する機会があった俳優さんも。

たまたま、
ホールの外でお見かけして
お話できて良かった!

それも嬉しかったことのひとつ。

……………………

ちなみに
中学生の三女も一緒に観劇。

私は以前  
サラダボール公演の
『サド侯爵夫人』を観ていたが

詳しい中身については
頭の中ではリセットされていて…

特にあらすじなど
彼女に説明しないまま行き、

始まってから
あ!アレな話があったわ!
と、気付いた次第。

どうだった?
気になったので聞いてみたところ…

アレな話は
特に気にならなかったらしい。

ところどころ
セリフの言葉が
昔風だったり詩的だったりで、
そのあたりは
十分頭に入ってなかった
かもしれない。

でも、
話している雰囲気とか表情とか
だいたいの感じは分かったよ、と。

あれだけの
セリフ量や熱量にびっくり。
すごいなー
面白かった!

ということだった。


次女とも
観劇後、こんな話をしていたが
年と共に彼女も忙しくなり
観劇自体
一緒に行くこともなくなっていた。

今回、
たまたま話をしたら
行きたい!というので
予約したのだが、
予定があって泣く泣くキャンセル。

それがちょっと残念だった。

またいつか!


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1/20 瀬戸内サーカスファクトリー「Workers ワーカーズ!」観劇

2024-01-24 16:53:55 | 感想★アート演劇 映画ドラマ アニメ等

1/20(日)
瀬戸内サーカスファクトリー
現代サーカス劇場公演
「Workersワーカーズ!」

1回目:13:00 開演
会場:丸亀市綾歌総合文化会館(アイレックス)大ホール

三女と一緒に観劇。

瀬戸内サーカスファクトリーの公演は
以前、丸亀城で観たことがあった。

今回は
山一木材さんとの
コラボということで、
どんな感じの公演になるのか
楽しみだった。

………………

始まる前には
自然の中を思わせるような
音が流れていた。


何もないところから
長い角材を担いだ人が
一人また一人現れ…

大きな輪っかを
(シルホイールかな?)
転がす人も現れた。

その輪の
くるくる回る軌道がきれいで
何ともいえない浮遊感だった。


その後は…
大きな台が出てきて
その上に柱を立てたり、 
その柱に
足がかりとなる棒を挿し登ったり。

バランスをとった
無重力みたいなパフォーマンス。
ピタッと止まる姿に
凄いなーと感嘆した。

……………

木の素材と、
それを使って何かを
作っていくような動きも
面白かった。

三女が
その木について
後で言っていた。

木って、
あんなに強いものなのかな?
人が乗って動いたりするものを
十分支えていたのが
凄いと思ったようだ。


専門的なことは分からないが、
きっと
専門の人たちが選び
手を加えた木材だから
できることじゃないかと。

そういうのも
面白くて凄いところだなと
話し合った。

………………

また、
普通だとグラグラする
ようなところも
絶妙にバランスをとっていて
びっくりした。

きっと、ココ!
というポイントが
あるのだろう。

バランスをとることは難しい。
けれど
その様は美しい。

目に見えるカタチとしてだけでなく
色々な意味でも、
バランスや調和は美しく
心地よいものだと思う。


常々
バランスをとるのは
“ 難しいこと ” と思っていた。

けれど自然の中なら
もともと
バランスや調和が
とれているのでは?

ふと、そう思った。

むしろ
そういうものこそが
生き残って
いけるような気もして…。

もしそうだとしたら
今あるものを
大事にしたい。

そんなことも
考えさせられた。
……………

最後は
いつの間にか
リズムに合わせて皆の手拍子。
会場が一体となり
とても楽しかった。

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1/7 よこぐしのアートマネジメント講座 第2回 参加

2024-01-10 17:25:32 | 参加★舞台 映画 WS等

よこぐしのアートマネジメント講座
第2回 
レクチャー・ミニワーク
〈場づくり〉

2024.1.7(日)
13:30〜16:30
丸亀市保健福祉センター
(ひまわりセンター) にて

講師:石川清隆さん
………………………

・場づくり、という考え方について
・「正解」「間違い」を考え直す
・(表現)芸術活動と場づくり

ミニワークも交えながら
身近なことから
考えるきっかけになるような
講座でした。

…………………………

〈講座の内容メモ〉

●この部屋に入った時、 
 どんな感じだった?

いわゆる会議室
机と椅子が列になり
前を向いて並べられている


●この場は適している?

よりリラックスできる場に
作り変えてもいい


●学びは違いからも生まれる
何かと何かの間かに生まれる

どちらが優れているかではなく
どう違うのか分かっていこう


●まなび方の提案

いつもと違う視座で自分を見てみる

自分のやっていることを整理し、
誰かに話すとしたら?と考えてみる


●気付きが大切

新しいことを知るだけでなく、
知っていること同士を結びつけたり
結び直したりすることが大事


●どうしたら気付ける?

無意識を意識化
自分一人ではなかなかできない
他の人と一緒にやってみる

★自分の当たり前に気付く
他の人とやることによって気付く



●自己紹介ワーク
書いたものをもとに
3〜4人で話す

………………………

●コーディネーター

参加者とファシリテーターにとって
より良い状態をつくり出す人

活動を見ている人
(学校の先生、公共ホール職員、保護者など)に
こういうことを経験している、
と解説する人


●ジレンマをマネジメントする

自分で考え決めてやる
(自分のやりたいこと)
  両立は難しいが、どちらも必要
決められたことを皆でやる


●場づくりに必要なことは?
誰と何をやるかによって変わってくる

・時間的な場づくり
・空間的な場づくり
・コミュニケーションの場づくり


●自分と他者の当たり前は違うことが多い
ということを体感する(意識化)

頭で分かることと、
いわゆる腑に落ちる ことは違う

同じ文化の中では気付きにくい


●まずは自分の当たり前を知る
 (意識化 )

同じことをやっても
楽しい人、やりたくない人、
違うふうに感じる


●「正解」があること、ないこと

正解がない問いがあることを知る

答えはあなたの中にある
他の人にも “ その人の答え ” がある


●身体性と文化

人が学ぶことがらは
様々なものに埋め込まれている


●音楽やダンスを題材にする

音楽やダンス、演劇などの表現芸術には
色々なことがらや 人間の営みが
埋め込まれている

なので、
それを活用して
知識だけでないものを伝えていく

・正解がない
・時間を共有する
・協働性
・相互作用
・好奇心


●人と人の間にあるもの
 唯一の正解のないもの
 解がたくさんあるもの

学び方:
やってみながら学ぶ
だんだんわかっていく

時間がかかるが、やってみよう

………………………

●講座の終わりには、
自分の印象に残ったことを書き
話し合った

★私が印象に残ったのは… 

正解がない
それぞれに違った解がある。

そうすると…

個人がやりたいこと
↓↑
集団として必要なこと

この両者が
対立してしまうことがある。
なかなか両立できない。

けれど
どちらか片方に傾いても
成り立たない。

バランスが必要。

そのために
何が必要なのか。


それぞれの意見を
やり取りしている中で
心に留まった言葉があった。

市民劇で一緒だった
ミランダの言葉。

mindful マインドフル
留意する
と、書かれてあった。

あとで検索してみると、
気を配る、
意識している、とあった。

大事なことだと思う。


一見しただけでは
相容れないものの中にも
理解できる点があるかもしれない。

お互いに耳を傾け
よく見ることができるように
意識しておきたい。

そして…
いわゆる落とし所、妥協点、
歩み寄り、折り合いなど

考えてやってみたい。

それですぐに
全て解決できないかもしれないが、
やってみることで
少しずつ
良い方に近づけるかもしれない。

講座の中にもあった、

“やってみながら学ぶ”
“だんだんわかっていく”

私たちは
間違えることが悪いと
思ってしまいがち。

そうではなく
まずやってみて、
そこからまた方向修正してもいい。

多くの人がそう思えたら
もっと一歩が進みやすくなる。

そんなことを
同じ場所で共通理解できたことは
意味があった。


特に、
今回の講座のタイトルにもある
〈よこぐし〉

横串となって
違う分野をつなげる
文化芸術について
考えてみた。

そもそも
芸術活動には正解がない。
それゆえ
どこに着地すればいいのか
試行錯誤する余地が
たくさんありそう。

ただ、
表現として何かしらの
カタチにする必要はある。

そこで、
対立するのではなく
お互いの思いや考えに耳を傾けたい。

それが
面白さでもある。

それが
自分の肌にも
合っているなと思った。

………………

それから…
最初にあった話について。

この場所を
リラックスできる場所に
作り変えてもいい、ということ。

これも良いなと思っていた。

きっと色々な人がいるので
リラックスのカタチも色々。

なかなか
全ての人にぴったり合うように
することは難しいだろう。

でも、
“それぞれに応じて変えてもいい”
というのが、
前提にあるのとないのとでは
印象が違ってくると思う。

例えその時
十分にできなかったとしても、
あるもので、できる範囲で、
皆で工夫することに意味がある。

どんな人も
受け入れられているという
気持ちになるのではないか。


私事だけど…

調子の悪かった頃は、
車の運転して出かける時、
相棒として
小さいぬいぐるみの
キーホルダーを持っていた。
それを時々触ると安心できた。
マスクをつけることも
視線を避けられて
心が落ち着いた。

でも、
外に出るなら
その場所のやり方に
ある程度合わせないといけない
と思ってしまう。

だから、
足が遠のく場所もあった。

それぞれが
やりやすいやり方を
大切にできるなら、
行ける場所も、
参加できることも増えそう。

解決できる課題もありそう。


ひとつひとつ
手間も時間もかかりそうだけど、
自分も誰かも楽しくなるなら
その方がいい。


ひとつ、可能性を感じられた。


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