月下樹のおと

樹月けい、オタク母のブログ。アニメ・漫画。お絵かき展示等。義母の介護終わり、義父のご飯お手伝い中。

映画『じんじん』 観た

2013-11-03 10:14:49 | 感想★アート演劇 映画ドラマ アニメ等
とかく思い出の断片には
嫌なことが出てきがち。
親子のこともそう。
でも記憶の引き出しの奥には
大事なものが眠っていて、
ひょっこり出てくることもある。
そんなきっかけを くれるかもしれない
映画『じんじん』
昨日、観た。


北海道 剣淵 絵本の里の物語。
親と子 別れ 途切れた絆。
でもそこに 愛は あった。
何年経っても 取り戻せることはあるのだと
心に ぱっと日が射した。


自分にもある絵本の記憶。
子どもの頃の
あの場面この場面が よみがえり
何度もはっとさせられた。

絵本の読み聞かせが
心に刻むものがある。
それは写真でも文字でもなく
音や映像にも残っていない。
けれど鮮明に思い出す
あの気持ちは何だろう。

それが今揺らぐ気持ちを支えてくれる。
大丈夫だと言ってくれる。

そんなことがあるのだと、
映画の中で生きる人たちを
見ていると何故か 腑に落ちた。

読み聞かせは ひとつの
コミュニケーションなのかも。
読む側と聞く側との間に
生まれる関係が あるのかも。
それがどんな結果に結び付くのか
今すぐに目に見えなくても
時を経て わかることもあるのだろう。


映画の舞台は
松島の絶景から始まり、
北海道 剣淵の広大な緑、
満天の星空が 美しい。
人と同じくらい大切な映画の一部。

そして 映画を支える
たくさんの人たちの思いも伝わってくる。

映画の中に出てくる
「手作り創作絵本コンクール」の
モチーフになった「けんぶち絵本の里大賞」。

絵本の里づくりとして
長年取り組んでこられたことも初めて知った。

エンドロールに、エキストラ
びっしりと連なる名前の数に
思いの強さも感じた。

企画・主演の大地康雄さんが
剣淵町で実際に出会い、
心動かされたことから始まった
映画作りの原点なのだろう。


観た後は さわやかな気持ちになった。
愛、だなあ。
気付かずに 見ようとせずに
離れ 背を向けることもあるけれど、
やっぱり 愛は ある。
こじれて 壊れて 悲しい話は
現実に たくさんあるけれど、
きっとどこかに 愛は あったはずなんだ。
たぶん、今も。
そう信じたくなる映画だった。

先日 思いがけず(ネット上で・笑)
ある絵本作家さんから
言葉かけてもらったけれど、
その方が仰っていたように
本当の意味で絵本を仕上げるのは
読む人と、見てくれる子ども達だと思う。

誰かが心をこめて作ってくれた絵本を
一緒に生かせていけたらいいな。

私たちにとっては、
お互いの間をつなぐ大切なものかも。
そう思うと、絵本をもっと近くに感じる。
私たちを待っている 仲間 みたいに。


・・・・・・・・・・・
あと、映画の中で
父が娘のために作った絵本
『クロコダイルとイルカ』も
実際に絵本として販売されていて、
これも 良かった。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます! (山田大樹)
2013-11-05 11:49:20
素晴らしい映画評をいただきました。作り手の思いが、まっすぐに、そしてより温かく届いてくれてことが嬉しいです。絵本だけでなく、映画も観客の皆さんに届いて、はじめて完成するものなのですね。
ありがとうございました!
返信する
嬉しいです! (樹月けい)
2014-01-08 14:10:31
山田大樹さま
コメントありがとうございました!
気付くのが遅くなり失礼致しました。

映画を観ながら、自分のことも重ね合わせ
ほんとうに心熱くなりました。
ブログやフェイスブックなどで、『じんじん』が
色々な地で上映されている記事など拝見しています。
(インドにまで!!)
映画に込められた思いが広がっていること
嬉しく思います。
それだけでなく、絵本の読み聞かせに関わる者として、
この映画を通して絵本や読み聞かせの大切さが
広く伝わればいいなと思っています。

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