先日目に止まったコメントに(燻し銀の様な音)筆者が思うは正しく例えば「カラスの濡羽色」、即ち艶のある黒色の色を音に例えた言葉なのであろう、記憶によれば此れは昔五味康祐先生の西方の音の中に出てくるコメントである。
此の(燻し銀の音)タンノイを上手い具合に鳴らした時に聴ける独特の音であるようで昔から伝わるタンノイユニットの特徴でもある、コーネッタのエンクロージャーと10吋のIIILZ Monitor Gold以前のユニットの組み合わせで、質に良いアンプの組み合わせによって醸し出すとっておきの音と言われる方もいる様です。しかしこの様な音色こそ特色あるクセのある音なのでは無いのであろうか?前々から思うがタンノイユニットの音を始めて聴く人はいかにも当たり前の音しか出さない一般的な音質と言う印象を持つ事と思うねでしょう。
筆者が持参するIIILZユニットの一部は該当するが箱の違いによりGOODMANS AXIOM 80の箱との組み合わせの音はどこかオーディオっぽい音がすると言われている様ですが・・・、色々悩みはあるが現在所有の機器で現状維持が良い塩梅と思っている。しかしこのスピーカーを鳴らし始め一体何台のアンプを仕入れたであろうか多分10台以上のプリアンプ、パワーアンプは仕入れた様に思う、IIILZを鳴らす事はそれほど困難でもあり未だ100%満足感は得られないのが現状でもある。筆者が思うにタンノイのユニットはアンプを選ぶ傾向が強い其の中でもパワーアンプは質の良い三極管のアンプ使用により意外と誰もが頷く音楽が鳴る環境になる様に思う。意外な事にハードなジャズ、エレキギター等の再生は不向きであるがスイングジャズまでは味のある音楽を聴かせて貰える様である。
昔筆者の先輩にこの上無くTANNOY Rectangular Yorkを絶賛していた先輩がおられた勿論アンプはLuxの真空管アンプを繋いで聴いていたが突然AR(Acoustic Research) AR-5のスピーカーが良いと言われその後タンノイから交換されAR(Acoustic Research) AR-LSTを長年聞いていた事を思い出し先輩には無色透明と評価されたARを使用していた思い出が今もこころに残る。
確かに以前使用していたIIILZHPD295のユニットからIIILZ Monitor Goldのユニットに交換したが筆者の様な老人の堕耳でもMonitor Goldのユニットが特にピアノのフォルテの音は輝きを増した様に感ずる。以前バッハの鍵盤曲はチェンバロで聴くことが多かったけれど最近はピアノ演奏は別な意味においても良いと思う様に感じる。
最近バッハの音楽も一段と深い世界を覗いているような気もしてならない。
J.S .J.S .バッハの作品一覧をざっと見ると、晩年に作曲したゴルトベルクBWV988(1742年)の次の番号になっているが、今回紹介の"Aria Variata" BWV989 が作られたのは 1709年(24歳)頃、バッハがヴァイマールでヴィルヘルム・エルンスト公の宮廷オルガニスト兼宮廷楽師となったばかりの頃である。曲を聴き思うは、なんとなく感じるはひょっとしてイタリア風アリアと変奏 BWV989 ゴルトベルクBWV988の源流バッハが、イタリア音楽を勉強していて、何故か将来ヴィヴァルディやマルチェッロなどの協奏曲をクラヴィーア曲に編曲していた時代と重なる様にも感じる。バッハの作った曲は器楽曲をカンタータに流用していることを考えれば、もしかしたら遠からず当たっているのかもしれない。
筆者がこの曲を知ったのは54年以上前の演奏者:ラルフ・カークパトリックRalph Kirkpatrick)の演奏であろう。今も聴ける大変安定した演奏の様に思う。1960年の演奏とは思えない様でもある。今聴くも何故か「ゴルトベルク変奏曲」の片鱗を聴く様な錯覚すら覚える、バッハの曲については謎解きをする楽しもあり何故か興味深い面白さを感じる。
CDは25枚入りの「ラルフ・カークパトリック バッハ」の中に入っている。
バッハ:イタリア風のアリアと変奏曲イ短調 BWV 989
録音:1960年9月、パリ、ポリドール・スタジオ (ステレオ)
楽器:ノイペルト・バッハ・モデル
カークパトリックが実際にランドフスカの運営するアンシエンヌ音楽院で過ごすようになると、音楽院そのものの華美な雰囲気や、ランドフスカの過剰なまでのレジストレーションなど自由過ぎる解釈など演奏そのものに嫌気がさし、そのことを家族やブーランジェ、そしてアメリカの知人に宛てた手紙で批判したりもしていました、今で言う頑固祖父そのものでもある。
驚いたことにその知人は、ランドフスカ本人にカークパトリックの批判の件を報告、窮地に立たされたカークパトリックは、ランドフスカ宛てに謝罪の手紙を書くものの、以後、彼女から教えを受けることはできませんでした。またランドフスカに至ってはパブロ・カザルスとも私は私で弾くので貴方は勝手にチェロを弾きなさいと言ったとか言わないとか有名な話でもある。その仕上がり演奏は見度とでもあった処が巨匠と呼ばれる所以であろうか!
ピアノ、記譜法も見てたカークパトリックは、ちょっと学者肌の真面目な人間だったというわけではないです。 ピアノに関しては技術的に高いものを持ってはいたもの、ピアノ教員の示すさまざまな「規律」には従おうとせず、評価も低いものだった、筆者が演奏を聴くが如何にもバッハの演奏だというように厳格な演奏するさまは今聴くもお気に入りである。
カークパトリックの演奏は頑固な親父が厳格に教科書通りに演奏する様を見るようでもあり、これぞバッハの演奏の真骨頂と頷いてしまうような良さが好きである。特に平均律第二集の演奏はこの言葉が当てはまる。
以前紹介したコルネリア・ヘルマン (Cornelia Herrmann)1985年よりザルツブルク・モーツァルテウム音楽院でピアノを学ぶ。1996年、ドイツのライプツィヒで開催されたJ. S. バッハ国際コンクールで最年少19歳で最高位を獲得。また1999年ザルツブルクで開催されたモーツァルト国際コンクールでは特別賞を受賞している最近の新譜はないようだが残念でもある。
J.S.バッハ:イタリア協奏曲
コルネリア・ヘルマン
(6)イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV 989
1.イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV 989 Theme
2.イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV 989 Var.1:Largo
3.イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV 989 Var.2
4.イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV 989 Var.3
5.イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV 989 Var.4:Allegro
6.イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV 989 Var.5:Un poco allegro
7.イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV 989 Var.6:Andante
8.イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV 989 Var.7:Un poco allegro
9.イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV 989 Var.8:Allgero
10.イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV 989 Var.9
11.イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV 989 Var.10
【演奏】
コルネリア・ヘルマン(ピアノ)
【録音】
2014年6月/イタリア
バッハ:フランス組曲の演奏マリア・ジョアン・アレシャンドレ・バルボーサ・ピレシュ(Maria João Alexandre Barbosa Pires)マリア・ジョアン・ピレシュのバッハを聴いた後に聴くと未だ若い演奏と思うが技量は十分で今後の成長が楽しみでもある。
ヴィキングル・オラフソン(Víkingur Ólafsson)
アイスランド出身で、現在、最も注目されているアーティストのひとりであるピアニスト、ヴィキングル・オラフソンは、最高レベルの音楽性と先見性のあるプログラムを見事に融合させ、来世界中の音楽ファンに深いインパクトを与え続けている。ドイツ・グラモフォンに録音したフィリップ・グラス・ピアノ作品集(2017)、ヨハン・セバスチャン・バッハ作品集(2018)、ドビュッシー&ラモー(2020)、モーツァルト&コンテンポラリー(2021)は、聴衆と評論家の想像力を捉え、4億回以上のストリーム再生を誇り、ジェルジュ・クルターグの作品を中心にした最新アルバム『From Afar』も高い注目を集めている。
【曲目】
J.S.バッハ:バッハ・ワークス&リワークス
12-23. イタリア風のアリアと変奏 イ短調 BWV989
【演奏】
ヴィキングル・オラフソン(ピアノ)
【録音】
2018年4月 レイキャヴィク
グラモフォンレーベルとしては珍しく、録音時の音量不足のように聴こえ、少しいつもの音量より若干大きめにして試聴するが演奏はかなり良い演奏でアタックもピアノらしく聴けるのが大変心地良い。
現在進行中の世界ツアーに選んだのはバッハの代表作「ゴルトベルク変奏曲」。88回公演を通して同じ作品を演奏する彼の哲学、と本人は語る。88はモダンピアノの鍵盤の数で、楽器の象徴としてこの数を掲げています。バッハ自身も数字に何かを象徴させる作曲家でしたね・・・。
現代のピアノはバッハの時代には存在していませんでしたが、基本は鍵盤楽器なんですね。
確かに今の演奏を聴けば納得するが、音質、も良く初心者から全ての人に受け入れられる演奏は実に見事である。ブラボー!
今回の最後を飾るのは、比較的に新しい2014年度購入した筆者も好きなピアニストでロシア出身、モスクワのグネーシン特別音楽学校とグネーシン音楽大学でウラジーミル・トロップに師事したイリーナ・メジューエワ(Irina Mejoueva)日本デビュー20周年を迎えた2017/18年のシーズンには東京文化会館・小ホールでシリーズ演奏会(全3回)を開催するなど、精力的な演奏活動を展開している。
CD盤HA若林工房から2枚組の「ゴルトベルク変奏曲」これはレコード芸術特選盤にも査定されている。イリーナ・メジューエワ/Irina Mejouevaのバッハ・アルバムで若林工房より発売されたアルバムですが2023年9月30日(土)を持ちまして、事業を終了になったそうです、誠に残円でもあります。
「ゴルトベルク変奏曲」の再録音を含む充実の二枚組の中に注入されるBWV.989の作品
JSバッハ:
● イタリア風アリアと変奏 BWV.989
イタリア風アリアと変奏イ短調BWV989 アリア
イタリア風アリアと変奏イ短調BWV989 第1変奏
イタリア風アリアと変奏イ短調BWV989 第2変奏
イタリア風アリアと変奏イ短調BWV989 第3変奏
イタリア風アリアと変奏イ短調BWV989 第4変奏
イタリア風アリアと変奏イ短調BWV989 第5変奏
イタリア風アリアと変奏イ短調BWV989 第6変奏
イタリア風アリアと変奏イ短調BWV989 第7変奏
イタリア風アリアと変奏イ短調BWV989 第8変奏
イタリア風アリアと変奏イ短調BWV989 第9変奏
イタリア風アリアと変奏イ短調BWV989 第10変奏
イリーナ・メジューエワ/Irina Mejoueva(ピアノ)
録音時期:2013~2014年
録音場所:富山県魚津市、新川文化ホール
録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
早速聴いてみてその美しさに驚きましたが実に心地良い演奏である。その一枚の中にイタリア風アリアと変奏 BWV989が注入されるが。此れは是非お勧め盤でもある、イタリアの銘器"ファツィオーリ”使用のアンジェラ・ヒューイット(P)演奏も見逃せない。ブラボー!
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