すっかり秋も深まり近くのモニュメント、コスモス、築山、この3点セットのアングルが犬との散歩に良いコースで、家族で散歩に出かける。コスモスの花は満開で空の色とのコントラストが大変綺麗であった。
今は、注目の石破衆議院解散総選挙で過半数割れが囁かれ日本丸は何処に向かうのであろうか?自民岩盤の政治与党の此れぞ内部粉砕とも呼べる自民崩壊の幕開けなのであろうか?この際薄汚れた石破、岸田は葬り、親中自民議員、親中公明議員を葬りマトモな自民党に変身するチャンスと思われるが如何であろう。
気分も新たに最近新規アルバム購入して気になっていた、ヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms)は1833年にドイツのハンブルクで生まれた作曲家の考察でもある、一般的にブラームスの「子守歌」はあまりにも有名である、正式には「子守歌 作品49 第4番」として知られているそうです。
クラシック音楽史においてはロマン派に分類され、交響曲のみならず幅広いジャンルで名作を書き残しました。その素晴らしい偉業から、バッハとベートーヴェンと並んでドイツの偉大な作曲家「3大B」の一人に数えられています。
ブラームスと言えば筆者の幼少時代は蓄音機の30センチEP盤にハンガリー舞曲5番は最も人気のある曲の一つとなっています。指揮者は覚えてはないが実にメロディーが覚えやすく何度も良く聴いた記憶がある。
ドイツの作曲家ヨハネス・ブラームス(1833-97年)は20歳の時、ハンガリー出身のヴァイオリン奏者レメーニの演奏旅行に伴奏ピアニストとして同行しました、管弦楽用に他者によって再編曲された第5番がとりわけ有名であるチャールダーシュとはハンガリーの民俗舞曲のひとつの様式で、超絶技巧の華やかなメロディーや2拍子の小気味良いリズムが特徴だそうです。
ブラームスは1850年代の前半に、バイオリン奏者のエドゥアルト・レメーニの伴奏者としてドイツ各地で演奏旅行を行った様です。後は中学生になって交響曲1番を聴く様になる。ブラームスはロマン派音楽とは、モーツァルトやベートーヴェンら古典派音楽の次世代に区分される音楽様式。1780年頃から文学や美術の分野において広まった、豊かな想像力による感情・個性・自由の表現を追求するロマン主義の影響を受けたもので、その期間は1820年頃~1900年頃にあたります。純粋に音楽のみで楽曲を構成する「絶対音楽」があります。古典派の楽曲の大半は絶対音楽で、ベートーヴェンの継承者ブラームスはもちろん絶対音楽派でした。ちなみにブラームスは標題音楽派ワーグナーの作品自体は認めていたそうですが、ブラームスの友人であり絶対音楽を信奉する評論家ハンスリックがワーグナーを批判したことをきっかけに、絶対音楽の代表格として標題音楽派(ワーグナー派)から激しい批判を受けるようになりました。これが後世まで語り継がれる、ブラームスとワーグナーの対立の実態だそうです。
筆者も今まで、色々な名指揮者でブラームス交響曲第1番を聴いてきましたが何故か長く途中で飽きてしまい、何故ブラームス:交響曲第1番がベートーヴェン交響曲「第10番」と称されるほど良い曲とも思わず過ごして、その高い音楽性を受け継ぎつつもブラームスの独自性が反映された作品となりました。と言われるまでの納得がいかなかったがこの盤を聴き、やっと曲の良さが分かるようになりました。
1956年時代のカラヤンも良いがシャルル・ミュンシュ指揮が筆者には実に上手い具合に鳴るのである。余り音量を上げず適度な音量でじっくり秋の夜長を楽しむには安心して聴ける音楽でもある。しかしこの時代のカラヤンの演奏も充実した納得できる演奏に改めて驚く時代でもある。
ブラームスは作曲において慎重な性格で、また「偉大なベートーヴェンの後にどんな交響曲を作ればいいのか」と悩みに悩み、完成まで約20年もの歳月を費やしたのだと言われるミュンシュ指揮とパリ管弦楽団のアルバムは貴重でもある、筆者の愛機TANNOYⅢLZ in GOODMAN AXIOM80 CabinetはTANNOY IIILZ in Cabinet mkIIと比べ倍に容量1000リットルあり余裕があるMonitor Gold10吋同軸2ウェイのユニットから流れる音は体にズシンとくるような重低音は全く出ませんし、高域だって、そんなに上の方まで伸びていませんのでオーディオを楽しむという方には向かないかもしれないが、音楽愛好家が、しかもクラシック音楽を中心に聴くファンが普通の音量で鳴らすかぎり、すこぶる心地よい音が出ると感じます。しかも三極管の管球アンプを使うと独特の、低域が下のほうに、ゆったりと伸びる感じが、低域が出にくいⅢLZに良い方向に作用すると思うので管球アンプを組み合わせがベストとも思います。
昔プリアンプ部にラウンドネススイッチがあり点灯すると低域が持ち上がったがどうも不自然な音で頂けないが、三極管とⅢLZのマッチングで得られるごく自然に受け入れられる同時の低音の魅力の様で本にも書いてない実際使って聴かないと解明できない、石のアンプでは無理な操作でもある。
切れの良い豪快なダイズムと独特の朗々とした力強い歌、豊かな色彩感覚により、人気のあった巨匠指揮者シャルル・ミュンシュ(Charles Munch)指揮で聴く。
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68
第1楽章 Un poco sostenuto-Allegro
第2楽章 Andante sostenuto
第3楽章 Un poco allegretto e grazioso
第4楽章 Adagio-Piu andante-Allegro non troppo
パリ管弦楽団 シャルル・ミュンシュ(指揮)
録音時期:1968年1月8,12日(ステレオ)
録音場所:パリ、サル・ワグラム プロデューサー:ルネ・シャラン エンジニア:ポール・ヴァヴァスュール
シャルル・ミュンシュ(Charles Munch)指揮者。1891年フランスストラスブール(当時ドイツ領)生まれ。1968年没。音楽一家に生まれる。プフィッツナーに作曲を師事し、パリ音楽院ではカペーにヴァイオリンを学ぶ。26年にゲヴァントハウス管のコンサートマスターに就任、31年に指揮者としてデビュー。38年からパリ音楽院管の常任となり、49年から13年間ボストン響の常任、67年に新設パリ管の初代音楽監督に就任する。ドイツ音楽も得意としたが、フランス近代作品に定評があった。
パリ管弦楽団、1967年パリに設立されたフランスのオーケストラ。本拠地はサル・プレイエル。力強く、情熱に満ちた内容で、『幻想』と並ぶミュンシュ/パリ管弦楽団不滅の名演奏です。
その後ブラームスが残した3曲のヴァイオリンソナタのうち、明朗な響きが印象的な第2番に対して、友人の音楽学者カール・フェルディナント・ポールの訃報を受け取って作曲した第3番はほんのりと暗く、人の一生のはかなさへの諦観すら感じさせます。同じく晩年の代表曲である交響曲第4番も、ヴァイオリンがため息のような音色を奏でる冒頭部分を筆頭に、作品の隅々まで哀愁に満ちたロマンティシズムが漂っています。
このように自然とにじみ出る作曲家自身の心情を、仰々しくならず自然体かつ淡々と奏でているところもまた、ブラームスの楽曲ならではの魅力。ロマンティックなメロディなのにどこか陰りのある音楽は、日本の美意識の一つ “わびさび”の世界にどこか似ていて、ずっと静かに聴き入っていたくなるほど心に染みることでしょう。
ブラームスは、恩師シューマンの死後、クラ ラ・シューマンと恋にも似た友情を育みな がら、シューマン家と親密な交流を続けました。 とりわけ、シューマンが精神病院に収容された 直後に生まれた末っ子のフェリクスは、ブラー ムスが名付け親となり、わが子のようにかわい がったそうです。父親似のフェリクスは、ヴァイ オリンをたしなみ詩作に耽りました。ブラーム スは 1873 年(フェリクス 19 歳)のクリスマス に、フェリクスの詩による歌曲「ぼくの恋は緑」 Op.63―5 を贈っています。クララは手紙にこう 書いています。「彼に何も告げず、私たちが弾き、 歌い出しますと、フェリクスは誰の歌かと尋ね、 自分の詩を見ると蒼白になりました。あの歌も そして終わりのピアノの部分もなんと美しいの でしょう!」 フェリクスは結核を患って床に伏しがちにな り、ヴァイオリニストになる夢も断念、24 歳の とき急激に病状を悪化させます。衰弱するフェ リクスを前に「この病気は最も残酷なもので、ど うしてやるわけにもいかず、言葉もなく見てい るよりほかはないのです」と心痛をしたためる クララ。ブラームスは、作曲中のヴァイオリン・ ソナタ第1番の第2楽章の冒頭の譜面ととも に、こう書き送りました。「あなたが裏面の楽譜 をゆっくりと演奏されるなら、私があなたとフェ リクスのこと、彼のヴァイオリンのことをどれほ ど心底思っているのかをあなたに語ってくれる でしょう。でも彼のヴァイオリンは鳴り響くの を休んでいます―」そして、フェリクスは 1879 年 2 月に 24 歳の若さで天に召されました。 その年の夏、ブラームスからクララのもとへ ヴァイオリン・ソナタ第1番が贈られました。
第3楽章のテーマには、6年前の誕生日に贈ら れた大好きな歌曲「雨の歌」の旋律が使われてい ます―「雨よ降れ、もう一度呼び覚ましてくれ、 子どもの頃のあの夢を―」と、雨の日に幼い頃の 思い出に浸るクラウス・グロートの詩です。そ して、闘病中のフェリクスとクララに贈った第 2楽章のいたわりの旋律が、第3楽章の終盤で 優しく回想され、その断片が「雨の歌」の流れる ような伴奏と重なり合う―これは、フェリクス の愛したヴァイオリンの奏でる、フェリクス追 憶の音楽なのです!「私の心はあなたへの感謝 と感動に高鳴っております。そして心の中であ なたの手を握ります。」「このような音楽こそが、 私の魂の最も深く柔らかいところを震わせま す!」クララは、この曲を(フェリクスのいる) 天国に持っていきたいと語りました。
独身のまま生涯を終えたブラームスには、長年想いを抱き続けた女性がいました。彼の才能を見出した恩人シューマンの妻クララです。20歳の頃、シューマンの元に出向いて自作のピアノ曲を披露したブラームスは、それからも足しげく通ううちに14歳年上のクララへの想いを募らせていったのです。ブラームスはその好意を何度も手紙に記し、クララも案外まんざらではなかったそうですが、結局クララが理性を重んじたため二人の愛は成就しませんでした。こうした報われない想いに胸を焦がしていくうちに、ブラームスの音楽には情熱と諦念が入り混じった独特のロマンティシズムが形作られたのでしょう。
そんなブラームスの想いは、作曲家個人の感情や感性を自由に表現するというロマン主義的な手法として、彼の楽曲に幾度も投影されています。有名なものだと、交響曲第1番の第4楽章。ある時ブラームスは旅先からクララの誕生日を祝う手紙を送り、その手紙に短いメロディも添えたのですが、これとよく似たメロディが第4楽章の序奏の終盤でホルンによって奏でられているのです。また、深く陰影に富んだメロディが印象的な弦楽六重奏曲第1番の第2楽章を気に入っていたブラームスは、世界的ピアニストだったクララのためにピアノ独奏用に編曲し、誕生日にプレゼントしています。
クララへの愛が実ることはありませんでしたが、1854年にシューマンが自殺を図ってその2年後に亡くなってからは、子だくさんだったクララを献身的に支え、家族ぐるみで交流を深めていきました。彼女の息子フェリックスが25歳という若さで亡くなった時は、当時作曲していたヴァイオリンソナタ第1番の第2楽章に葬送行進曲を挿入していて、ブラームスがいかにクララとその家族を大切に思っていたかが分かります。ちなみに同曲は、ブラームスがクララの誕生日にプレゼントした歌曲「雨の歌」がモチーフになっています。
このようにクララのことを一途に愛する一方で、報われぬ想いが辛かったのか、実はブラームスは恋多き人生を送っていたのです。なかでも、大学教授の令嬢アガーテ・フォン・ジーボルトとは婚約を結ぶまでに至りました。彼女との交際時期に作曲した弦楽六重奏曲第2番には、音楽の棋譜法で「A-G-A-D-E(アガーテ)」となる音型があり、熱烈な恋心が表現されています。まさにロマン派の作曲家ブラームスの面目躍如ですね。また、映画『さよならをもう一度』に引用された第3楽章の美しいメロディが有名な交響曲第3番も、20歳以上年下のアルト歌手ヘルミーネ・シュピースへの恋愛感情が曲に影響を与えたと言われています。
そんな情熱的な恋の数々も、クララへの想いを断ち切れなかったのかいずれも長続きせず、アガーテとの婚約も解消となりました。結局ブラームスは“よき友人”という距離感でクララに寄り添う道を選択。1896年にクララが亡くなると、その1年後、後を追うかのようにこの世を去ったのです。
その後TANNOY好きの五味康祐が絶賛した、北イタリア人気質のデ・ヴィートのヴァイオリンは、情熱を外面に出しすぎることはなく、知的に抑制された情熱であり、歌である。彼女はブラームスの重要なヴァイオリン作品はほとんど録音しているが、それらがことごとく第一級の名演ぞろいである。最高のブラームスひきであったエドウィン・フィッシャーと共演した第一番と第三番のソナタはデ・ヴィート47歳の録音。枯淡の域にあるフィッシャーとの呼吸はよく合っており、音楽的な噛み合いと融合性は見事だ。ジョコンダ・デ・ヴィートの録音遺産の中でもブラームスの3曲のヴァイオリン・ソナタは、彼女の資質に最も似合った、名演中の名演として知られています。その演奏を、演奏者の息づかいが間近に聴き取れるような音質で復刻しました。
また、解説書にはデ・ヴィートの引退直後に行われたインタビューも掲載しています。現役時代の苦悩、早すぎる引退(50代半ば)の理由、引退後の生活などを切々と語っています。もともとデ・ヴィートの取材記事は非常に少なく、たいへんに貴重な資料です。この様な曲にはMonitor Gold10吋同軸2ウェイのユニットと管球アンプ独特の、低域が下のほうに、ゆったりと伸びる感じが、実に相性の良さを発揮します。
ブラームス : ヴァイオリン・ソナタ集 / ジョコンダ・デ・ヴィート、エドウィン・フィッシャー、ティト・アプレア
(Brahms : Violin Sonata No.1-3 / Gioconda de Vito , Edwin Fischer , Tito Aprea)
【曲目】
ブラームス:
1.ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調「 雨の歌」Op.78
2.ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.100
3.ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 Op.108
【演奏】
ジョコンダ・デ・ヴィート(ヴァイオリン)
1.3.エドウィン・フィッシャー(ピアノ)
2.ティト・アプレア(ピアノ)
【録音】
1.1954年5月11&12日、2.1956年3月29日、3.1954年10月18-20日/ロンドン、アビー・ロード・スタジオ
録音方式:モノラル(録音セッション)
ジョコンダ・デ・ヴィートの録音遺産の中でもブラームスの3曲のヴァイオリン・ソナタは、彼女の資質に最も似合った、名演中の名演として知られています。その演奏を、演奏者の息づかいが間近に聴き取れるような音質で復刻しました。また、解説書にはデ・ヴィートの引退直後に行われたインタビューも掲載しています。現役時代の苦悩、早すぎる引退(50代半ば)の理由、引退後の生活などを切々と語っています。もともとデ・ヴィートの取材記事は非常に少なく、たいへんに貴重な資料です。
この作品以外は有名な演奏者が揃って作品作りしているが可成り古い作品ではあるがこの作品を超える演奏は中々見当たらない様にも感じた、
諏訪内晶子
1990年史上最年少でチャイコフスキー国際コンクール優勝。これまでに小澤征爾、マゼール、デュトワ、サヴァリッシュらの指揮で、ボストン響、フィラデルフィア管、パリ管、ベルリン・フィルなど国内外の主要オーケストラと共演。BBCプロムス、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン、ルツェルンなどの国際音楽祭にも多数出演。2012年、2015年、エリザベート王妃国際コンクールヴァイオリン部門および2019年チャイコフスキー国際コンクール審査員。2012年より「国際音楽祭NIPPON」を企画制作し、同音楽祭の芸術監督を務めている。デッカより14枚のCDをリリース。
2020年諏訪内晶子はヴァイオリンを20年来の〝相棒〟だったストラディヴァリウスの「ドルフィン」(1714)からグァルネリ・デル・ジェズの「チャールズ・リード」(1732)に替えた「チャールズ・リード」との出会いが訪れたのは、2020年2月、演奏会で渡米していた際のこと。諏訪内氏が新しい楽器を探しているということを聞きつけた知人にウエノ氏を紹介されて渡米、貸与されるに至ったのだという。
楽器に合わせて新たに手に入れたドミニク・ペカットの弓、楽器が替わると、もちろん合わせる弓も替わる。諏訪内氏は「チャールズ・リード」に合わせて、演奏会用の弓を新調した。『ドルフィン』のときに使っていた弓は、フランスのフランソワ・グザヴィエ・トルテ(1747〜1835)という、ちょうどモーツァルトと同時代に弓の製作をしていた人のもの。トルテの弓は倍音を上手に引き出してくれるのです。一方、今は同じくフランスのドミニク・ペカット(1810〜1874)の弓を使っています。トルテで『チャールズ・リード』を弾くと、いまひとつ良さが引き出せる感じがない。弓が違うだけで、違う人が弾いているかと思うくらい音が違うのも面白いですね。弓もヴァイオリンと同じで、19世紀の作者による希少な弓は数が限られています。弓は楽器と違って消耗品なので、私がペカットの弓を使うのは演奏会や録音時のみです」新たな楽器と弓を得て、昨年から気分も新たに演奏会活動をスタートさせている諏訪内氏だが、これまで弾き慣れた曲を新しい楽器で演奏するのはどんな気分かと尋ねると、「全然感覚が違って、本当に楽しい」という答えが返ってきた。
諏訪内晶子がブラームスのバイオリン・ソナタ録音…スリリングな個性派との共演、準備に1年「まず音楽を仕上げていく際の時間のかけ方が違うので、そこを合わせるのが大変でした。さらにお互い言葉では説明せず、演奏しながら共通点を探るので、ものすごく時間がかかる」だが、録音はそのようなプロセスを感じさせない。潤い豊かなバイオリンにピアノがぴったり寄り添い、手を取り合って進んでいく。バイオリン・ソナタ第1番では、一貫して朗々と流れ続ける音楽に見事な構築性が与えられている。「そういう時、彼のピアノは多彩な響きを武器に一つひとつの音に意味を与え、とても繊細に音楽を作っていく」。準備に時間をかければかけるほど音楽は深みを増していく好例だ。「これほど長い時間、意見の異なる音楽家と共同作業をしたことはなかった」と振り返る。時にぶつかることもあったが、「良い音楽を作りたい」という思いは一致していたという。これこそ室内楽の理想像ではないだろうか。ピアニストを務めるのは、米国人のオライオン・ワイス。「室内楽の経験が豊富でボジャノフとは異なるタイプの人。録音とはまた違う演奏になるでしょう」。彼女のバイオリンがどう異なる表情を見せるのか楽しみだ。
諏訪内晶子 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集
現代を代表するヴァイオリン界の逸材、諏訪内晶子。ヒットを記録した『J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全曲)』から2年半ぶりとなるニュー・アルバム。今回はピアニストのエフゲニ・ボジャノフを迎えて、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番~第3番に挑戦。2023年10月に独デュッセルドルフのロベルト・シューマン・ザールにて、前作でも使用した1732年製のグァルネリ・デル・ジェズ「チャールズ・リード」を用いて録音と記されていた。
【曲目】
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集 第1番 ト長調 作品78 《雨の歌》
1. 第1楽章:Vivace ma non troppo
2. 第2楽章:Adagio
3. 第3楽章:Allegro molto moderato
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集 第2番 イ長調 作品100
4. 第1楽章:Allegro amabile
5. 第2楽章:Andante tranquillo - Vivace
6. 第3楽章:Allegretto grazioso (quasi Andante)
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集 第3番 ニ短調 作品108
7. 第1楽章:Allegro
8. 第2楽章:Adagio
9. 第3楽章:Un poco presto e con sentimento
10. 第4楽章:Presto agitato
諏訪内晶子(ヴァイオリン)
エフゲニ・ボジャノフ(ピアノ)
録音:2023年10月 デュッセルドルフ、ロベルト・シューマン・ザール
現代を代表するヴァイオリン界の逸材、諏訪内晶子。ヒットを記録した『J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全曲)』から2年半ぶりとなるニュー・アルバム。今回は初共演となる奇才ピアニストのエフゲニ・ボジャノフを迎えて、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1 番~第3 番に挑戦。2023年10 月にドイツ・デュッセルドルフの「ロベルト・シューマン・ザール」にてレコーディングを敢行しました。
諏訪内の使用楽器は1732 年製のグァルネリ・デル・ジェズ「チャールズ・リード」。そしてボジャノフはシゲルカワイのグランドピアノ「SK-EX」を用いて録音。“良い音楽を創りたい”という強靭な意志のもとに生まれた、唯一無二の奥深さを感じさせる作品です。
ブラームスの雨の歌の背景を知るとブラームスがクララ・シューマンを愛していたことは有名な話ですが、「雨の歌」は、もともとクララの誕生日にプレゼントした歌曲でしたと言われるその6年後、ブラームスが名付け親になっていたシューマンの末子、フェリックスが病気で亡くなってしまいます。 そのことがきっかけになって「ヴァイオリンソナタ第1番」は生まれたのです。
勿論早めに引退したジョコンダ・デ・ヴィート/エドウィン・フィッシャーも実に良い演奏ではあるが、最新の録音で益々円熟になった諏訪内晶子の演奏は素晴らしく感じた、表情は控えめですが、節回しやフレージング、ヴィブラートのかけ方など何ともいえない気品があります。
記憶に残したいアルバムの様に感じますが・・・ブラボー!