家内の遺品を整理していたら、現代の名僧「松原泰道」師の「しみじみと心に響く講話」と題するテープが出てきた。
「死んだら人は、一体どうなってしまうのか」の項で、一休さんの歌を紹介していた。
「いま死んだ どこへもゆかぬ ここにおる たずねはするな ものはいわぬぞ」
一休さんと足利義満との間の問答は、アニメなどで紹介されているので、良くご承知であろう。
代表的な説話は、「屏風の虎退治」や「このはし渡るべからず」・・・である。
本名「一休宗純」1394年2月1日、京都の生まれで後小松天皇の落胤とされる。
88歳で酬恩庵(通称「一休寺」)で没した。
臨終の言葉は「死にとうない」と伝わっている。
あるとき、だんな寺の住職に
「位牌とはいかなるものか?」と聞くと、「窓である」と。
それでは、「お墓とは?」と聞けば、「玄関である」と。
さらに「家内は、どこに居るのか?」との問いに、「あらゆるところに居る」との答。
現在は、これを信じることにしている。
それ故、家内は、
「どこにても 在りて見ている 我なれば ものはいわぬよ じっと見るのみ」
とでも、詠っているような気がしている。
祥月命日が近いので、こんなことを書いてしまった。