僕は柄にも無く(?)宮崎アニメのファンです。大抵の作品は読んでいる。初期のものと思われるが、『トトロ』よりは後かもしれない『シュナの旅』という、映画化されていないアニメがある。これは、チベットの民話『犬になった王子』が元になっている。穀物をもたない貧しい国民の生活を憂えた或る国の王子が、苦難の末、竜王から麦の粒を盗み出し、それがために魔法で犬に変えられてしまうが、ひとりの少女の愛によって救われ、ついに祖国に麦をもたらすという民話である。王子や少女の姿は、『ナウシカ』などの主人公とそっくりに描かれている。
現在、チベットは大麦を主食としている唯一の国だが、大麦は西アジアの原生地から世界に伝播したそうだ。だから、王子が西に向って旅をしたというのは歴史と符号しているとも考えられる。ただ、この民話は本当にあった出来事というより、チベットの人々が農作物への感謝を込めて生み出した、優れた物語だと考える方が夢がある。その方が、民話に説得力がある。
僕ら、都市部に住む者は農作物への感謝を忘れてはいないか、と気がかりになった。気がかりになったが、ただそれだけのことだった。こういったことについて、どうも鈍感になっているような気がする。
現在、チベットは大麦を主食としている唯一の国だが、大麦は西アジアの原生地から世界に伝播したそうだ。だから、王子が西に向って旅をしたというのは歴史と符号しているとも考えられる。ただ、この民話は本当にあった出来事というより、チベットの人々が農作物への感謝を込めて生み出した、優れた物語だと考える方が夢がある。その方が、民話に説得力がある。
僕ら、都市部に住む者は農作物への感謝を忘れてはいないか、と気がかりになった。気がかりになったが、ただそれだけのことだった。こういったことについて、どうも鈍感になっているような気がする。