自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

2009年05月06日 | Weblog
 奈良に住んでいるせいもあって、葛粉を用いた菓子や葛湯などを食するときが比較的多い。親戚などへの土産として葛粉からできた干菓子を持参するが、軽く小さいわりには高価な感じがする。干菓子は噛んではダメで、舌の上で転がしていると、じわーと上品な甘味が広がる。
 葛は山野に自生する大きな蔓状の植物で、根は葛根湯などの漢方薬にも使われる程、薬効があると言われる。その葛根を何度も水にさらし、澱粉を取り出すと葛粉ができる。この過程で手がかかるので本葛粉は値が張るのだろう。奈良の吉野地方は古くからの産地として知られている。
 本葛粉と砂糖があれば葛餅がすぐにできる。葛粉、砂糖、水を混ぜ、火にかけ、透き通ったら型に入れてさっと冷やすだけ。5分ぐらいで、ぷるぷるの葛餅が完成する。できたての、ほんのりと温かい方が美味い。普通は冷蔵庫で冷やして食べるが、これでは生地が劣化して触感が失われる。冬は葛湯を飲むが、それを濃くしたものが葛餅で、温かい方が葛本来の味覚を醸す、という訳だ。でもねー、暑い日にはやはり冷やした方が美味いと思うが。