愛読書という程ではないが、暇にまかせて斜め読みする本に『地球白書』がある。この本は地球の未来への警告を発するために様々な分野における資料を収めている。そのひとつを抜粋する。
化学物質使用量を減らして農地汚染を抑えることは、農地の生物多様性保護の基本である。イギリス土壌協会の最近の報告によると、有機栽培農地で次のことが判明した。
・それぞれの種の個体数の多さと種の多様性はかなり高いレベルにあり、野生植物や希少種や減少種も五倍であった。
・農地の周辺の鳥類は二五%多く、秋から冬にかけての農地内の鳥類は四四%多い。
・鳥類が食べる虫の数は一.六倍。
・害虫ではない蝶の数は三倍。
・クモの数は一~五倍。
・ミミズを含め、土壌中の生物は著しく増加。
化学物質を使わない有機栽培で、特に興味深かったのは、緑肥(マメ科作物を土にすき込む)の使用が生物多様性に有利な状態をつくる、ということである。そういえば、蓮華もマメ科の植物ではなかっただろうか。蓮華畑が田圃に変わることによって稲作が営まれ、水田には様々な水生動物が活動していた。もう大分前から毎年、蓮華畑を見る機会が随分と少なくなった。寂しい気がする。