自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

杉の森

2009年05月20日 | Weblog
 杉の森が、神々の住むところだという考えは昔から日本人の心に根差していたようだ。
   石上布留の神杉神さびし
       恋をも我は更にするかも
万葉の古歌にも、神杉という言葉があり、杉の樹が神と崇められていたことを示している。
 同じく万葉に、三輪山の杉が出て来る。
   昧酒を三輪の神が斎(いわ)ふ杉
       手触れし罪か君に遇いがたき
三輪とは大神(おおみわ)神社(桜井市)のことで、この社には本殿がなく、三輪山を神体とする。現在の三輪山はアカマツの山林となっているが、遠い昔は杉で覆われていた。この杉が神木で、この樹に触れることはタブーだった訳で、この恋歌は、神の禁忌を侵した報いかと、恋人に遇えぬ心を詠っているのだろう。30年ぐらい前から三輪山に登ることが許可された。案外に急な山で汗をかいた覚えがある。当然のことながら、「遇いがたき」人に遇えぬ。


(昨日、旧友と囲碁、2連戦。3段はゆうにある相手。まあ、初めは互い戦でということになり、当然、僕が先。序盤は互角。次第に地合が足らなくなる。終盤、弱く見えた10数子の石の中に打ち込み。相手がしくじった。心中、勝った、勝った。喜び勇んだ。次、相手が大模様。その中に打ち込み。苛められることはなはだしい。何とか小さく生きる。地合が足らない。初戦と同じく弱そうに見える石を攻めた。首尾よくいった。勝ち。この旧友、昨日は「うっかりさん」だった。僕は気分上々。しかしながら偶々の勝ちでしかない。)