(朝刊より)
東日本大震災で被災した宮城県多賀城市の復興を支援するため、友好都市提携を結んでいる奈良市と東大寺、同市内の醸造元3社が協力して醸造した復興支援酒が完成し、28日、発表した。多賀城市で収穫された米「ヒトメボレ」を使用し、「遠(とお)の朝廷(みかど)」とネーミング。3月1日から発売し、売上金の一部は義援金として同市に送られる。
奈良市や東大寺はこれまでに、東日本大震災の被災地を物心両面で支援。昨年8月に東大寺の僧侶らが多賀城市を訪れた際、多賀城市の米を使って日本清酒発祥の地ともされる奈良市の醸造元で復興支援の清酒を造ることが提案された。
この提案が実現され、今西清兵衛商店、奈良豊澤酒造、八木酒造の3社が新酒を醸造。それぞれ味わいの異なる酒に仕上げた。
新酒の名は、古代に東北の拠点だった「多賀城」の別名「遠の朝廷」にちなみ、「みちのく多賀城『遠の朝廷』大和のかほり」に決定。東大寺の北河原公敬別当がラベルの字体を書いた。
復興支援酒は東大寺境内で披露され、奈良市の仲川げん市長は「一人でも多くの人がこの酒を通じ、復興支援の輪に加わってもらいたい」、北河原別当は「多くの人に酒を買っていただき、支援につなげることができれば。今後も被災地のために努力していきたい」と話した。
多賀城市の菊地健次郎市長は「(取り組みを)継続することができれば、さらに友好が深まる」と期待を込めた。
復興支援酒は、いずれも720ミリリットル入りで、税込み1575円。東大寺境内の東大寺ミュージアムショップなどで販売する。
(奈良市民の一人として喜びを感じる。)