自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

干潟を守れ!(新聞記事から)

2009年05月19日 | Weblog
 日本では70年代半ばからクルマエビの稚エビが毎年3億匹ほど放流されている。しかし、最新の漁業・養殖業生産統計年報によると、07年のクルマエビ漁獲量は1271トンと40年前の3分の1でしかない。日本の海はクルマエビ資源の維持もおぼつかない状況に追い込まれている。
 他国の海では反対のことが起きている。インドでは、80年代半ばのトロール漁導入後、クルマエビ科のエビ漁獲量が15万トンから8万トンに減ったが、今は20万トンを超えている。エビ漁の主要国である中国、インドネシア、タイでも同じ傾向で、世界の漁獲量はここ10年間で190万トンから260万トンに増大している。
 日本だけが何故激減したのか。理由は、稚エビの生活場所の多くが破壊され、消滅したためである。日本の海に棲むクルマエビは、ハゼなどの外敵を避けるため、体長10センチほどになるまでは干潟の潮溜まりや澪(みお)で過ごす。ところが、干潟は利便性の高いところにある為、工業団地や住宅団地、さらにはゴミ処理場、リゾート施設、さらには河口堰建設や海岸整備の名の下に次々と埋め立てられているのが現状である。
 青々としていても、干潟のない海はクルマエビにとっては死の海である。砂泥質の干潟は既に日本の海から約8割も消滅した。このまま埋め立てが進めば、10年を経ずして、日本の海からクルマエビは消えるだろう。
干潟が無くなることで悪影響を受けるのは、勿論、クルマエビだけではないだろう。自然界の生態系サイクルに対する考え方を根底から見直しする必要があると思う。


(今日は久方ぶりに旧友と天王寺の碁会所で囲碁を打ってきます。負けることは先刻承知なんですが、何とか一矢報いたいと。。ちょっと迷っているのはインフルエンザ対策でマスクをして行くべきか、どうか、です。)