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行政視察

2013年06月13日 | Weblog




先月、平成25年5月27日(月)~29日(水)3日間に亘り、新潟県県庁(福祉保健部健康対策課)及び新潟県新発田市にて行政視察を行いました。その結果をご報告いたします。



新潟県県庁(福祉保健部健康対策課)


まず、「にいがた減塩ルネサンス運動」の取り組みについて申し上げます。
新潟県では、脳卒中、胃がんの死亡率が高く、これらに対しては、減塩対策が重要であり、外食の増加など近年の食環境の変化に応じて、企業を始め、食品関連事業者等と連携し「にいがた減塩ルネサンス」県民運動を推進しています。「にいがた減塩ルネサンス運動」は平成21年度から平成30年度まで取り組む運動です。10年間で「食塩2g減少」「野菜2皿の増加」「果物1日1個程度」を達成することで、脳卒中・虚血性心疾患・胃がんの低減を目指しています。
本町でも今年度、策定審議会中であります「新やっちみろやプラン21」の食と健康づくりについて、減塩対策の実施状況を調査致しました。
減塩と聞くと「薄味で物足りない」「おいしくない」等のイメージを感じがちですが、おいしく、気軽な食生活の実践が結果として健康につながることをルネサンス「再生・再発見」していただきたいという願いを込め「にいがた減塩ルネサンス」と名前を付け減塩対策に取り組んでいます。
県では昭和56年より「健康にいがたクローバー運動」の一つの取り組みとして減塩運動を展開し、成果を上げてきました。しかし、食塩の摂取量は目標とする一人一日あたり10g未満には達しておらず、胃がんや脳血管疾患の死亡率は全国平均より高い状況にあることから減塩対策「にいがた減塩ルネサンス運動」を推進し、この運動に取り組みにあたり、学識経験者の助言を受け、脳卒中、心臓病、腎機能障害、胃がん予防等の死亡率低減に関する試算を行いました。また、血圧低減に係る生活習慣などを調査し、減塩以外にも様々なアプローチの可能性を検討し、「野菜・果物」に着目して、最初の4年間で「食塩摂取量1gの減少」「野菜1皿の増加」「果物1日1個程度の摂取」を目標に掲げました。
この目標の「野菜1皿の増加」については、大人が一日に必要とされる野菜摂取量は350gと言われており、これは日本人の平均摂取量にもう一皿加えた量に相当します。毎日の食事にプラス一皿、野菜をとることで、理想的な食生活に近づくことが出来ます。「果物1日1個程度の摂取」はメタボの中でも気になる高血圧。その予防に野菜や果物に含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムの排泄を促し、減塩効果を高めてくれます。
食の環境においては外食化・中食化が進み、目標に達成するためには、企業・食品関連事業者等と連携・協働が不可欠となり、企業職場における支援事業においては、利用する社員食堂の食事が健康に配慮した「減塩」「野菜摂取量アップ」メニューで提供し、地域の生活習慣病対策を図っています。また、健康づくり支援店(2,000店舗)は外食産業・配達弁当業者等とタイアップし、ヘルシーメニューの開発、塩分控えメュー等があり、地域で減塩対策の推進を行っています。
主な啓発については、「おいしく、手軽に、健康に」取り組める減塩メニューの紹介や料理コンクールの開催、無理なく減塩のポイントを掲載したポスター等のPR等の活動を行っています。
本町でも健康調査において、塩分の摂取量が多く、野菜や果物の摂取量が少ないため、さまざまな対策が必要な状況だと感じました。また、朝食の欠食をはじめとして、食生活の乱れによる生活習慣病の増加、家庭で受け継がれてきた伝統的な食文化の消失など、「食」をめぐるさまざまな問題が現れています。「食」は子どもたちが生涯にわたり、健康で豊かな心を育むための基礎となるものです。今こそ家庭を中心に、地域全体で「食育」に取組ことが求められています。
次に新潟県新発田市について申し上げます。



新潟県新発田市

新発田市は越後平野の北部に位置し、人口約10万人、新潟県北部の中核都市であります。長い歴史によって育まれてきた豊かなる大地と人々の営みを基盤とした、作物を食し、残渣を大地に還すという古くから続く「食の循環」に改めて着目し、「食の循環のまちづくり」を推進し、農業、観光、商業、健康福祉、教育、環境などに循環の輪が広がり、地域が活性化し「愛せるまち、誇れるまち」を目指しています。
将来都市像食料供給都市の実現をめざし、食の循環では、肥料づくり、土づくりから栽培、収穫、加工、販売、調理、食事、残渣処理、そして再び肥料づくりへと連なる食の循環を確立することで、地域の活性化と市民生活の質の向上を図るのがねらいであります。市民、事業者と協動で時間をかけて検討し、条例を制定して取り組んでいるのが特徴であります。
2003年に政策方針において、3つの重点課題として、①食と農の資源循環形社会づくり(農)②健康新発田21めざせ100菜 (健康)③ニューフロンティア21新発田ひとづくり(教育)を設定した。さらに、2005年「食と農の資源循環型社会づくりCFT(クロス・ファンクショナル・チーム)を設置し具体的な戦略を検討し、市民や事業者などとともに、丁寧に計画づくりを進めました。2009年1月に条例の制定し「地元で生産されたものを地元で消費」する「地産地消」に加え「地元で消費される安全・安心かつ高品質な農産物を生産」する「地消地産」という考え方を取り入れるのが特徴であります。
食の循環によるまちづくりは、5つの基本的施策を柱に、まず、①産業の発展では、多様な販売経路を活用した農産物の直売所等を利用した生産者の顔が見える販売、学校給食等での地場農産物の使用拡大、生産者と食品関連産業との連携、販路拡大の仕組みづくりを行っています。
②健康及び生きがいの増進では、食、運動、健康を柱にした健康しばた21めざせ100菜に取り組んでいます。その一環として、家庭、事業者、地域等が中心となり幼稚園、保育園、学校等とのつながりを深めながら、「食の循環」をテーマに一貫した食育を進めています。
③教育及び伝承では、「食とみどりの新発田っ子プラン」を推進し、「食の循環」によるまちづくりを全小中学校で取り組んでいます。小学校低学年から、育てる(栽培)作る(料理)食べる、返す(リサイクル)の4段階の食の循環に関連した学習を行っています。また、教職員向けに農産物の収穫体験や調理実習しているのも特徴であります。幼稚園・保育園年長児で「一人でご飯が炊ける子ども」、小学校6年生で「一人で弁当を作れる子ども」、中学3年生で、「一人で郷土料理、煮物(のっぺ)のある夕食1食分を作れる子ども」をめざす教育を行い、食文化の理解促進と食の礼儀作法を身に付ける学習を行っています。また、給食の残渣を分別し「もったいない」を合言葉に生ごみや食べ残しの削減を行っています。
④環境の保全では、「食の循環」の意義を理解し、生ごみ等の減量化や分別に努めるとともに、生ごみ等の有機資源を再利用し、土壌に還元することで有機資源の循環により自然環境と農地を保全しています。家庭や地域で生ごみを水切り分別して、それをNPO法人が回収し、有機資源センターに搬入し、そこで作る堆肥による良質な土づくりを進め、その堆肥を生産者が土づくりに使用し、土にこだわった安全で美味しい農産物を地元の学校、飲食店や家庭で消費する食の循環につながっています。
⑤観光及び交流では、食の体験イベント等をはじめ、商工会議所青年部が中心となり開催している「城下町しばた全国雑煮合戦」などの各種イベントで新発田の食の魅力を全国に発信しています。
このような、「食の循環によるまちづくり」による基本施策は、「食の循環」の取組み目標の数値や生活指標を公表する事によって、新潟県内、国民健康保険交付金ポイント制で過去3年間トップであり、各種健診受診率も高い状況であります。
「食の循環のまちづくり」のねらいは、地域に根づいた食や食文化を大事にして、市民の生活を豊かにすること。そして、新発田ブランド化を確立し、農産品や各種イベントが幅広く行われることによって市民の郷土に対する愛着や誇りが高まり、「愛せるまち誇れるまち」に繋がります。これまで市民と事業者と協働で時間かけて検討し出来た条例で「食の循環によるまちづくり」を進め、健康で心豊かな人材の育成、産業の発展、環境と融合した食料供給都市でありました。

以上が調査報告でありますが、「食」の安全性の問題、食生活の乱れによる生活習慣病の増加、食品残渣の大量破棄など「食」をめぐる様々な問題がおこっています。「食」や「減塩対策」など食文化、生活習慣の改善、各種健診受診率の向上を目標にした施策が重要であると痛感いたしました。

研修終了後、各担当課であります。町民課(健康づくり)教育総務課の方々と研修内容等について議論いたしました。門川町では、脳卒中・心疾患・胃がんで亡くなる方も多く、人工透析の患者さんも増えつつあります。生活習慣の改善や各種健診受診率の向上に力を入れて頂きますよう町民課の健康づくり課に要望いたしました。


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