Baradomo日誌

ジェンベの話、コラの話、サッカーの話やらよしなしごとを。

みんな坊主頭にヒゲの巻

2006-02-19 | サッカーよろずごと
何を隠そう、私は坊主頭に無精ひげのスポーツ選手&音楽屋に対して、無条件に好意を持つ。
と言いながら、自分自身は最近寒さに負けて髪を若干伸ばしているのだが、6月のW杯開幕時には、マイバリカンを駆使して頭を丸め、テレビの1.8m前に正座していることだろう。

それはともかく。

先週(2月11日)の米国戦が散々な内容だっただけに、どうなることかと思っていたフィンランド戦。
1週間経って、適度な休息もあり、コンディションが上がってもいるだろう、とは思っていたけれど、ディフェンスラインの押し上げもよく、また、相手があまりに低レベルだったことも手伝い、信じられないほどのボール支配率。
でも、あれで2点しか取れないのが今のA代表の立っている位置なのだろう。

ジーコは「使いつづけることでコンディションが戻る」と言い放ち、久保を主軸に固定する意思表明をしている。
そんななか、右サイドから前方へ加地がスローイン⇒満男君がワンフェイクしてスルーパス⇒久保のワンタッチでゴ~ル!という一連の流れは久々に胸がすっとした。
左利きだったことが出会い頭のような効果を生んでいた。
右利きの選手ならばキーパーにセーブされていただろうな。
また、止められはしたが、しっかり振り抜いたシュートも2本あったし、腰の爆弾はだいぶおとなしくなっているようで安心したぜ久保のダンナ。
6月のW杯でも、腰の脇で繰り返す控えめなガッツポーズを披露できれば、ドリフにかわって平成のヒゲダンスと呼ばれることうけあいだ。

しかし注目は、シュートする久保のの背後で「俺が撃ちたかった~」という顔をしていた巻。
彼こそ米国戦~フィンランド戦で株を上げた選手。
「利き足は頭です」と真顔で言い切るこの男、その体躯とは裏腹に、ゴン中山タイプの汗かきFWだったりする。
さすがは走る犬魂ジェフ千葉、オシム・チルドレン。
東アジア選手権で初召集された時も、得点こそならなかったものの、徹頭徹尾競り合い、泥臭~い存在感を放っていた。
昨夜も倒れては跳ね起き、ひたすらボールを追う諦めない姿が、ウチのカミサンの心を鷲掴み。

できることなら、この巻と久保をオーストラリア戦のスタメンで使って欲しいね。
もっとも、某紙で風間八宏氏が語っていたように、「裏を取ろうとして読みきられていた」ことも真実。
この点では柳沢・高原に一日の長がある。
しかし、しゃにむに突っ込んでいくその姿勢が、「とりあえずなんかやらかしそうな」久保と組み合わされば、これまでの日本A代表FWにはついぞ感じられなかった「威圧感」につながりそうで、期待は大きく膨らむ。

是非この機会に頭を丸め、無精ひげを生やし、高原・久保とともにFWだんご三兄弟を結成してみてはいかがだろう?

でもそれをやったら、某テレビ番組で巻に告った女性タレントに嫌われちゃうかも。。


ゆるねば

2006-02-19 | サッカーよろずごと
You'll Never Walk Aloneという歌がある。

Walk on, walk on
歩こう 歩き続けよう
with hope in your hearts
希望を胸に
And you'll never walk alone
そうさ 俺達は一人じゃない
you'll never walk alone.
俺達は一人じゃない

日本ではFC東京のサポーターズソングとして定着した観のある通称「ゆるねば」。
元を正せば、ミュージカル「回転木馬」の挿入歌だったものを、当時リバプールでビートルズと人気を二分していたGerry&ThePacemakersというバンドがカバーして全英No.1ヒット。
ならば、と、リバプールFCのサポーターがハーフ・タイムに大合唱したことから彼のクラブサポーターの持ち歌となり、イングランド代表チームの応援歌になり…
そして世界中のサッカー・ファンの愛唱歌となった、という歌。

この歌に垣間見える美意識は、何事も恐れず、希望を胸に諦めず、という、非常にポジティブなもの。
応援歌としては万国共通の想いだ。
しかし、12番目の選手達の心に刺さる言葉は何と言っても「俺たちは1人じゃない」という言葉。
一緒に闘っているんだ、という当事者意識が、スタジアム全体を柔らかな熱狂主義に染め上げる。

しかしこの歌、ここ日本においてはA代表のサポーターズソングとはなりえていない、ように思うのだが、これはどうしたことか?

同じくサッカーつながりで、日本における有名曲と言えば、「振り向くな、君は美しい」。
日本人は大好きな「ひたむきな」青春群像がピッチで弾ける高校サッカー主題歌。
この主題曲にこめられたメッセージもまた、何事も恐れず、希望を胸に諦めず、という、非常にポジティブな美意識。
その後に見え隠れするものは、負けた瞬間、時計が止まった瞬間、このメンバーだけが共有してきた時計は未来永劫動かなくなる、ノックアウト方式のトーナメントがかもし出す、はかない無常感への陶酔。

だからこそ、最後まで諦めない選手達の姿勢が、観る者の心を捉えて離さない。
「振り向くな、戦いに敗れても、君は美しい」。

言い換えるならば「判官びいき」そのものであって、あくまで他者からの客観的な呼びかけに過ぎず、勝ちつづけ負けつづけ、でもとにかく未来永劫『続く』、未来永劫『続けるのだ』という、「ゆるねば」的当事者意識とは対極。

彼我の差を感じる。