Hirakata turezure 四季のなにわ

あるとき、ときどき、いろんな思いをふっと向ける事柄があります。

みちのく一人旅

2015年10月25日 | 日記
秋晴れが続いた北日本の天気も週末には冬型の気圧配置に入れ替わり、津軽地方は強い北風と曇天の空に変わった。

ときおりどこかしこから差して来る陽の光も小走りに歩く人々の早さに遠慮するかようにすぐ隠れてしまう。

車窓を流れる太宰の故郷はまだ赤い果実がふんだんに残る濃い緑の田畠をあちこちに残して晩秋を迎えようとしている。

異国の人と津軽の人の言葉が混じった車内はこの前とは随分と印象の異なるみちのくとなっている。
とその時太宰が何か喋った。

近畿地方も木枯らし一番が吹いたと電光掲示板が伝えている。



『三味(しゃみ )の音(ね)が 送る列車や 秋深し』(柳子)



『晩秋の 駅舎を出でし 客室の 棚の林檎の 手笊(てざる)は揺れて』(柳子)