Hirakata turezure 四季のなにわ

あるとき、ときどき、いろんな思いをふっと向ける事柄があります。

鵜殿の春 春よ来い

2010年02月26日 | 日記



2月21日朝に友人から鶯の初鳴きがあったと情報が入った。
1月は行く、2月は逃げる、3月は去るとよくいったもので、年明け早々から仕事に追いたくられてここまできた感がある。が、ついこのあいだに日が長くなったと気がついたらもう立春もとっくに過ぎて、雨水(雪が雨に変わる節季)となっている。
鶯もなくはずである。
そんなわけで、久しぶりの休日となった今日は、この時期の北河内、北摂の風物詩となっている淀川右岸、『鵜殿(うどの)のヨシ原焼き』に出かけてみることにした。

枚方市からは対岸となる為に、鵜殿へのアクセスは電車も車も悪く、くずは近辺から眺めることも考えたがあまりの暖かさに、つい誘われてバス、電車、徒歩で鵜殿の土手にきた。
午前9時からの点火であるため、到着した10時頃はすでにオーディアンスもカメラマンも土手を埋めていたが、あまり知名度のない催し物であることが幸いし、ゆとりの観覧と相成った。
「今年は去年と比べて火勢がある。」「昔みたいに刈らないでそのままに何故燃やさないのか。」「今年は暖かだ。」等々の解説を聞きながらしばし自然の暖房を体感した。
 また聞きではあるが、鵜殿のヨシは現在でも雅楽の楽器である篳篥(ひちりき)のリード(口)部に用いられているとのことだ。特に鵜殿のヨシはいまだにブランド品であるとのこと。以前、テレビでもやっていたが、琵琶湖産のヨシは硬すぎ、外国産は柔らかすぎて篳篥の音にならなかったと云っていた。また、この鵜殿のヨシ原が以前と違って浸水しなくなったため、土地が痩せてしまいヨシの幹が細くなっていたともいっていた。まさかこんなところまで地球環境の影響が出ているわけでもなかろう。こんなことを思いだしつつ南から北に移動する火勢を追って水無瀬までたどりついた。


『ヨシキリを 追い出す春の 鵜殿焼き』(柳子)
『ヨシ焼きで 鵜殿に春の お膳立て』 (柳子)
『ヨシ焼きや 赤追う黒で 春支度』(柳子)