Hirakata turezure 四季のなにわ

あるとき、ときどき、いろんな思いをふっと向ける事柄があります。

龍馬・安芸

2019年08月18日 | 日記
龍馬・安芸


「小嬢(こいと)さまよ」と、源爺ちゃんが、この日のあさ、坂本家の三女の
乙女の部屋の前にはいつくばり、芝居もどきの神妙さで申しあげたものであった。
「なんです」と、乙女がうつむいて答えた。
手もとが針仕事でいそがしい。あすという日は、この屋敷の末っ子の竜馬が、江戸へ剣術修行に旅立つ。
「えらいことじゃ。お屋敷の中庭のすみの若桜が、花をつけちょりまする」「そんなの、わかっちよる・・・・・」
乙女は、障子のかげで笑った。
「またいつもの源おんちゃんの法螺じゃ。三月もなかばだというのに、また桜が咲くということが、どうしてありましょうぞ。」


以上は司馬遼太郎の「竜馬がゆく」の第一巻(原文)で、この後、桜の花は源爺が1日がかりで作った手製の花であり、五尺八寸(175㎝)あったとされる竜馬の姉、乙女がその心使いに感謝し、涙を流すイントロの部分である。


さて、先月中旬、仕事で高知県支部に。

何十年か前、この小説、全九巻を一気読みしてダンボール箱に入れていたことを思い出し、今回、初めての土佐入りに、出だしだけ確認させて頂いたわけである。


会議予定時間より早く高知駅に到着するようセットアップ。
高知駅コンコースで高知城、桂浜、はりまや橋などなど携帯の地図で確認していたら「高知テレビ」のクルーが私に近寄り「取材させて欲しい」と言ってきた。

ここは一番、自動車の手続き、OSSのPRをとも思ったが会議開始時間のこと、散策の時間のこともあり、ご丁重にお断り申し上げた。(惜しい)

この後、出席支部間相互の業務処理のあり方について意思確認し、熱心なサミットは無事終了。
高知県支部のご計らいにより「高知県立 坂本龍馬記念館」にご案内いただいた。

いうまでもない。小説の竜馬に再会した心地がした。
「ようきたね」と写真の竜馬が云ったような気がした。

『つゆ明けの 雲降り立ちて 黒潮の 波静かなる 桂浜』(柳子)

『よさこいの 覚えし節あり 浦戸湾』(柳子)