「Q.子どもが精神的に落ちていたり、さみしがっている時、抱っこしたり、要求を聞いてあげたりしているつもりですが、いつもより優しくされて、調子に乗ってあれもして、これもしてと言ってきますが、私たち夫婦は、ある程度のところで引いた方が良いと思っていますが、ある人に聞くと、心が満たされれば、子どもの方からすーっと引くよと言われたこともあります。甘やかすのと安心させる(落ち着かせる)のとは違うと思うのですが、どう思われますか?」という問に、以前、城西中学校で大変お世話になった黒木スクールカウンセラーが次のように答えておられます。
A.親御さんに自然に甘えることができ、安心感と充足感を得たいという欲求を素直に出せて、いい親子関係の中で健全に育っている証拠であるといえます。
心地よい一体感の中で、親御さんに受け入れてもらえているということを実感すると、子どもは、心の芯のところで安心感と充足感を得ます。そして、それをエネルギーにして、また外の世界へ目をキラキラさせて出て行きます。
小学校高学年や中学生であっても、「膝枕をして欲しい」、「添い寝をして欲しい」、「眠るまで手をつないでいて欲しい」などと求めてくる時もあります。その子の今の年齢よりずいぶん幼いような感じで甘えてくることがある時は、それだけ辛いのだと理解して、その気持ちに添ってあげることが必要です。そして、気持ちを言葉にできたら、それに耳を傾けてあげてください。心配されなくても、安心感が出てきたら元に戻ります。
さて、ここで大切なのは、そのような「一体感」です。親御さんとの、何の条件もなく、全く理屈抜きで「一緒」という実感によって、心は満たされ、安心するのです。ですから、「あれもして、これもして」のうち、「一体感」を求めていることに対しては、それを受け入れてあげることがとても大切です。
ですが、それ以外のことについては、ご家庭の方針から外れたことをしてやる必要はありません。甘えているうちに、「あれ取って~」とか「これ買って~」などと、その欲求がだんだん違う方向にズレていってしまうということはよくあります。子どもなんですから、それはしょうがないですね。その場合は、キッパリした態度で応じてください。「親御さんから『スジの通ったこと』を言われて、子どもが不安定になる」というようなことはありませんので、大丈夫です。
※ まず、安心して落ち着いた気持ちが土台にあってこそ、生活習慣や勉強意欲が育つのだと思います。子どもが辛そうにしているときは、うんと甘えさせてもいいように思います。
◇学校便りは(ココ→)【校長室】(PC専用)
◇最新号(2/12 発行)は(ココ→)『学校便り第43号』(PC専用)