11月29日(日)本校にて,山代町青少年健全育成大会行事の基調講演として佐賀新聞論説委員長 冨吉賢太郎さんにお話をしていただきました。その時の話について,抜粋編集して,本日発行した学校便りで紹介しました。以下・・・
『日本で一番優しいお医者さん、鎌田實さんがいらっしゃいます。長野県の方で、いろいろなボランティアをしていらっしゃいます。(鎌田さんのことは,過去のブログ.『温かな言葉が,温かな連鎖を生む・・・』.で紹介しています。)
その鎌田さんが佐賀にこられたときに、私に「キムタクご存じですか?彼はすごいね。ステージから下りた後の身のこなしがいい。」と話された。キムタクと出会った時の会釈の身のこなし、「これはただ者じゃない。きちんとしつけをされた青年の身のこなし。」と感じた。キムタクの弟はアメリカンフットボールの選手で頑健なスポーツマンだそうです。2人のお母さんの話を聞いてなるほどと思った。3歳の時からリンゴの皮のむきかたを教えた。5歳ではご飯の炊き方を教えた。アドバイスはするが決定するのは,子ども自分自身。うまく作れなかった餃子を、「それ、お母さんが食べたい。」と言う・・・。キムタク兄弟のそういった立ち居振る舞いは,このような日常生活からでてくるのではないかな,と思った。
九州でただ一カ所だけ、14~19歳の罪を犯した女の子の刑務所(筑紫少女園)がある。この子達の生活が荒れだしたのは中学の1年生くらい。覚醒剤、シンナー、薬物、恐喝、傷害など。この子達はじっとして人の話を聞けない。我慢できない。忍耐力が育っていない。そこで,園では規則正しいトレーニングをやっていく。何とか社会に適応できそうになると、仮退園ができる。その子たちから葉書に・・・「昔とだいぶ変わったと思います。園で学んだ規則正しい生活がこんなにも大切なんだな、と感じた。当時,洋服の趣味も自分でおかしいとは感じていなかったが,今はわかる。」早寝早起き朝ご飯。これは、とっても大切なことです。
先ほどの合唱コンクールをみるといい学校だなと思います。でも全国的にみると,そうじゃない学校も多いのです。中学1年生が手紙を残して死んでしまいました。「毎日、おもしろおかしく僕のことを笑う。貧乏といっていじめる・・・。」こんな手紙を書かせたのは誰か。たった一人、止めてくれる人がいれば・・・。そのたった一人がいないという社会。「教育とは学校で習ったことをすべて忘れてしまった後に残るもの。」たった一人をよってたかっていじめる気持ちが,ひょっとしたら自分の気持ちの中にあるかもしれない。それを反省できるかが大切。
きちんと判断できる人間になること、その人の身になって考えることができるかが大切です。そのためにどうするか。それは勉強するしかない。一生懸命勉強するのです。一生勉強です。高校や大学に行くためではないのです。いろいろなことを取り込み、自分の物差しに照らしあわせること。
薫陶(くんとう),土をこねるときに、お香をたくと、それがしみてすばらしい焼き物ができる。このことを「薫陶を受ける。」という。子どもにとって一番のお香は家庭にいるお父さんやお母さん。子供たちは親の背中をみて育つ、というのは、そういうことかもしれない。』
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