鳥の世界は奥が深いようです。いろいろ調べてみると渡り鳥、旅鳥、漂鳥、留鳥そして迷鳥などという言葉が出て来て混乱します。
しかしその違いを簡単に言ってしまうと以下のようになると思います。
渡り鳥・・・日本を中心にしてシベリアや中国大陸北部へ渡る冬鳥と東南アジア各地に渡る夏鳥のことです。
夏鳥
主として繁殖のために日本より南の国から渡ってきて、夏を日本で過ごし、繁殖期が終わると再び越冬のために南の国に渡って行く鳥。ツバメ、アマサギ、オオルリ、キビタキ、クロツグミ、ハチクマ、サシバなど。
冬鳥
主として越冬のために日本より北の国から渡ってきて、冬を日本で過ごし、冬が終わると再び繁殖のために北の国に渡って行く鳥。ツグミ、ジョウビタキ、ユリカモメ、マガモ、オオハクチョウ、マナヅル、オオワシなど。
旅鳥・・・シベリアや中国大陸北部と東南アジアやオーストリアの間の長距離渡り鳥が春と秋に日本で一休みする鳥のことです。
漂鳥・・・同じ日本内でも冬は温暖な平野にいて夏になると山地へ行く鳥です。
ウグイス、ヒヨドリ、ホオジロなどが代表的である。
留鳥・・・大体一年中同じ所に棲んでいる鳥です。
迷鳥・・・本来なら居ない土地へ迷って行ってしまった鳥のことです。珍しいのでバードウオッチングの趣味の人が集まって観察します。
しかし上の分類は本質的に大変便宜的な分類なので例外が多いと思います。
例えば渡り鳥のカモ類や白鳥類が夏になってもシベリアへ帰らずに日本で子育てしているのも多いのです。その個体は留鳥になっているのです。
それも含めて多くの野鳥の分類は、http://yamagara33.sweet.coocan.jp/kotori/yachoufile.htm にあります。
今日は以下に旅鳥の写真を示します。出典は、http://www.wbs-y.org/picture-book/wildbird/travel/index.phpです。
1番目の写真はイカルです。
ロシア東部の沿海州方面と日本で繁殖し、北方の個体は冬季に中国南部に渡り越冬する。
日本では北海道、本州、四国、九州の山林で繁殖するが北日本の個体は冬季は本州以南の暖地に移動する。
2番目の写真はサギの一種でチュウシャクサギです。シベリア中央部や東部で繁殖し、フィリッピンやオーストラリアにかけて越冬する。春の田圃の代掻きのとき見られる。
3番目の写真はエゾビタキです。
夏季にシベリア南部、サハリン、カムチャツカ半島南部等で繁殖し、冬季はフィリピン、セレベス島、ニューギニア等へ南下し越冬する。
日本では旅鳥として春と秋の渡りの時期に飛来する。一般的に秋の方が通過数が多く、各地で普通に見られる。
4番目の写真はアカガシラサギです。
インドネシア(スマトラ島北部、ボルネオ島)、カンボジア、タイ、中華人民共和国南東部、台湾、日本、ベトナム、マレーシア、ミャンマー東部、ラオス
夏季に中華人民共和国中東部で繁殖し、冬季になると東南アジアへ南下し越冬する。英名Chineseは中華人民共和国で繁殖する事に由来する。中華人民共和国南部では周年生息する。
日本では冬季に越冬のため主に南西諸島に少数飛来(冬鳥)する。兵庫県神戸市でも越冬記録がある。まれに渡りの途中に飛来(旅鳥)し、秋田県、熊本県、千葉県では繁殖例がある。
以上、日本の渡り鳥、旅鳥、漂鳥、留鳥そして迷鳥をご紹介いたしました。