①8月26日15時の天気図 気象庁HPより引用
②8月26日15時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工
③8月26日15時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
④8月26日16時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
⑤8月26日17時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用
8月26日は、本州上を前線が南下しました。
夏季の前線南下・通過時には、強い雨、雷を伴うと言うことは、言わば定石と言えることですが、今回もこの定石通り、前線通過時の26日昼過ぎから夜にかけて、関東地方や甲信地方、静岡県など中心に、本州の広範囲で、雷を伴なった激しい雨に見舞われました。
特に、東京都内練馬では15時54分までの1時間に90・5㎜ 東京都内羽田空港では17時06分までの1時間に82㎜もの凄まじい豪雨となりましたし、東京都心(気象庁のある千代田区大手町)でも1時間(16時18分まで)55㎜の降水量を観測しました。
山梨県内では、峡南の南部で17時11分までの1時間に50・5㎜、東部の大月で18時22分までの1時間に34・5㎜の激しい降水を観測しましたが、雲の切れ間に当たった甲府では降水量は0㎜でした。
この、関東地方(特に南部)の猛烈な豪雨発生の推移ですが、引用図②③④⑤より、26日15時現在、水蒸気画像上では、関東地方周辺には、A とB の筋状の白輝域が見られます。
Aは、昼過ぎより関東地方北部にある発達した降水域に対応するものですが、Bは、前記Aの前に分布する、別の中層の顕著な上昇流域をしめすもので、26日15時現在、このBに対応して、千葉県北西部~東京都東京地方~神奈川県北西部~山梨県南部や静岡県東部に降水域が発達してきています。
引用図にはありませんが、26日15時現在、前記した、関東北部にある発達した降水域を形成する積乱雲から吹き出す気流が、関東平野北部では北~北東風となって吹き出し、一方、関東南岸からは南より風が関東平野南部に吹き込んでいて、丁度、東京都23区周辺で、双方の気流が収束していました。
26日16時には、前線南下に伴い、前記Aに伴う降水域は弱まりながら関東平野を南下し、一方、前記Bの区域には、所処で降水域が発達してきました。とりわけ、東京都23区周辺では、地表付近の気流の収束も手伝ってか、降水域が非常に強まり、1時間あたり80㎜以上の降水が解析されている地域もあります。
26日17時には、前線の南下に伴って、前記したAに伴う降水域は南下しながら更に弱まり(一部埼玉県秩父地方~東京都多摩西部~山梨県北部に掛かる部分は発達してきました。)、替わって、前記Bに対応する降水域が点々と南西方向に発達しながら南下し、これに伴って、東京都23区周辺の非常に発達した降水域も南西方向に発達しながら南下してきています。
このように、本州上を前線が南下する場合、山梨県周辺では特に
◆埼玉県秩父地域~東京都多摩西部~山梨県北部 で降水域が発生・発達しやすい
◆前記した埼玉県秩父地域~東京都多摩西部~山梨県北部で発生・発達した降水域は南西方向へ発達しながら広がっていく
以上の特性があります。
これからも、本ブログ充実させていきますので、何卒、宜しくお願い致します。
拝見させていただきましたが、目からうろこが出る内容、大変感服いたします。
これからも、山梨の気象のクセをいろいろ
勉強させてください。
暑さ続くおり、どうかご自愛ください。