令和4年1月8日(土)
福寿草 : 元日草
キンポウゲ科の多年草で、アジア東部の各地に自生する。
縁起の佳い名にちなんで正月用の花として早咲き栽培し、
実南天や藪柑子等と共に寄せ植えした鉢物が店頭に並ぶ。
「元日草」の別名は、それゆえであろう。
童子が口を閉じたような蕾、また明るく開いた花は新年の
希望に満ちた人々の心を弾ませてくれる。
野生のものは早春から4,5月にかけ開花し、黄色の花は
放射相称形で、約20cmの地上茎の上に咲く。
群生して一面に咲く景は見事で、花の背丈は栽培早咲きの
ものより高い。
栽培種、野生種ともにその名の通り見る人に希望をかきた
ててくれる。 その根茎は太く、強心薬として利用される。
然し、キンポウゲ科の他属と同様にアルカロイド等の有毒
成分を持っているので要注意。
葉は花の咲いた後から羽状複葉が伸びてくる。
「俳諧歳時記栞草」(1850年)に「福寿草を鉢植えに
して正月に人家に贈るのは、其の名宜しければなり」と、
記述され江戸時代には既に早咲きをさせていた様である。
栽培の適地は排水の良い半日陰地で、自生で繁殖するのが
良く、秋の株分けにより増やしていくのが良いとされる。
岐阜県恵那市、岩村に在る「福寿草の里」では、野生の
福寿草繁殖地としてこれを保護されている。
名古屋市郊外にある、「東谷山フルーツパーク」では、
福寿草の見頃を迎えている。
ここは吟行でよく訪れたが、春の枝垂れ桜が有名である。
今日の1句
吟行の日向教へる福寿草 ヤギ爺