アイスランドの噴火により、彼にとっては予定外の奈良滞在となった。とりあえずは奈良公園の方へ向いて出かけることにした。
吉城園は、外国人はパスポートを提示するだけで無料で入れるので、まずはそこへ案内した。紅葉のころは観光客も多く訪れるが、この時期は少なくて穴場と言えば穴場である。
そこでフランス人カップルに出会った。聞けばアルルの近くに住んでいるという。クリスチャンは「何という偶然だ。」と嬉しそうで、アイスランドの噴火でフライトがキャンセルされてこちらにやってきたことなどを話す。
九州から関空に着いた時も、空港はフライトキャンセルで泊るところもない外国人でいっぱいだったという。「僕はほんとにラッキーだった。知り合いがいて」と言う。彼はとてもポジティブだ!!
まずは彼のお気に入りの東大寺の柱くぐりに三度目の挑戦だった。過去、一勝 一敗だ。修学旅行の中学生の見守る中、今回冬に5kgも太ったということもあり、とても通ることはできなかった。
「Impossible (アンポシブゥーと言うように聞こえる)!!」と彼が言ったら、それを中学生が「半年ぶり?」と聞いて、大笑いした。
その後は、公会堂、浮御堂を経て、高畑の方へと足を延ばす。
そこでお茶を飲むために入った蕎麦屋さんのご主人が、古い蓄音器マニアで「特別に」とレコード盤でシャンソンを聴かせてくれた。音楽教師のクリスチャンが喜んだのは言うまでもない。
ご主人はさらに酒屋さんの古い法被まで着せてくれた。
根がポジティブと言っても、やはり予定通りに帰れなくて気がかりなことなどもあるだろう彼にとって、こうした温かい心は何よりも嬉しかったに違いない。
こうして彼の思いがけない奈良の滞在5日間が始まったのだった。
まずは、大阪で念願のふぐを食べる。
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