裏磐梯高原には、明治の大噴火でできた湖沼群が300以上あると言われています。
名の知れた湖沼は紅葉の季節になるとたくさんの人で賑わいますが、
地図に名前も載らず、訪れる人も少ない小さな湖沼がたくさんあります。
今回の紅葉巡りは、そんな沼を訪ねることでした。
曽原湖近くの裏磐梯サイトステーションに車を置いて、
抜けるような秋の空の下、小さな沼の紅葉を求めて気持ちのいいウォーキング日和でした。
曽原通りからレイクウッド地区への坂道を登る途中で、大きなヤドリギを発見。
オレンジがかった黄色い実をたくさんつけて、まるで薬玉のよう。
なんとも不思議な植物です。
かの清少納言も、宿り木という名はとても風情があると言ってましたけど、
この形について触れていなかったのはとても残念。
ヤドリギにしばし見惚れてから再び歩き出して数分、
木々の間に見え隠れするこじんまりとした沼が見えてきました。
紅く色づいたカエデ越しに広がる沼。
向こう岸には、黄葉の山と秋の陽射しを受けてきらきら光る枯れ葦の帯。
途中ですれ違った男性に沼の名前を訪ねて、「大沢沼」と分かりました。
そして、この先のガサ藪を掻き分けて進むと岸に降りられるとのことでした。
オチビのmintにとって熊笹や低木のガサ藪は肩に届くほど。夫が先になって進みます。
沼は本当に静かで、聞こえるのは落葉を踏む音とクマよけの鈴の音だけ。
私たちが足を止めると沼はシ~ンと静まり返ります。沼は二人の貸し切りです!
沼岸に降りると、対岸の黄葉とは対照的に
落葉した白い木立が続き、間にはぽっと灯を燈したように紅いカエデ。
岸と沼の境には散り落ちた枯れ葉が柔らかな褥をつくり、水底へと伸びるもう一つの木立。
水面にさざ波がたつと白い木立は不安げに揺れ、つい骨を連想してしまいます。
「われ等やがて、冷たき闇の中に沈み入らん、
おお、さらば、左様なら、短きに過ぎし、われ等が夏の、生気ある輝きよ!」
「短き人の生命や!墓ぞ待つ、墓は飽くなし!」
ポードレールの「秋の歌」の一節が浮かぶ・・・
大沢沼の秋は何だか愁いに満ちていました。
ozさん作
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