京都・環境ウォッチ

いま京都で起こっている環境問題、自然環境の変化などにかかわって、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

「爪楊枝法」は、枯死対策で効果があるの?

2010年09月16日 | ナラ枯れ
「カシナガ対策について調べていてこちらへやってきました。
『つまようじ法』は枯死対策として効果があるとのことですが、これまで私の聞いた範囲では逆の意見でした。
検証結果を拝見すると間違いないようですが、もう少し詳しく教えていただけないでしょうか。庭のコナラの木にカシナガブロックという塗料様のものと塗布しているのですが、数日前に5本同時にやられているのを発見してショックを受けています。」

滋賀県の比良山麓在住の方から上記の「コメント」いただきました。
返事が遅くなって、すいません。
これをご覧になっていれば、お読み下さい。

爪楊枝の打ち込みは、このブログでも紹介していますが
「枯死木を大幅に減少させる効果」は明らかです。
何に役立つかという点では、
初期段階でのオスの駆除、乾燥防止効果、ペアが出来た段階でも、カシナガの活動をかなり邪魔していると考えられます。

①、6月下旬から7月、8月、カシナガが一斉に活動を始める
初期の打ち込みが最も効果的です。
この時期、最初に「オスのアタック」が大量に始まりますが、
オスが穴を開けた段階であれば100%、カシナガを(穴内部で)駆除することになります。
それに、この時期、樹木への猛暑・乾燥の影響が大きく、
私の観察の中では
「樹木の乾燥死」を防ぐ効果がかなりあります。
カシナガにやられ、葉を茶色にしたコナラが、
爪楊枝に助けられ、もう一度芽吹くこともありました。

②、8月以降の打ち込みは、カシナガが、樹内で坑道をあちこちに広げている関係で
「逆掘り」されることがあります。
それは、爪楊枝を打ち込む頻度がによって、「結構」OR「案外」などいろいろです。
庭のコナラのように、毎日観察・手入れできるものであれば、
毎日打ち込めば、枯死を防ぐことは十分出来ます。
しかし、2週間に一回とか1ヶ月に一回とか頻度が落ちれば落ちるほど
カシナガに「逆掘り(爪楊枝、または周辺を掘り戻される)」される確立は高くなります。
それでも、吉田山での2年目、3年目の作業(被害木が120本、480本と増え、被害木へのこまめな対処が全く出来なくなった段階の作業)でも、
ブログで紹介しているような「枯死率」で抑えられましたので、
効果は十分にあります。
今、その場合の「逆掘り」の割合を計算していますので、
数字が出たら、またここでお知らせします。
コメント
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