阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

未来に向けた港湾戦略-「和歌山下津港」視察

2010年07月18日 21時14分20秒 | 政治
 経済開発戦略の柱のひとつは港湾戦略だと思います。国土交通省の担当課長の方に情報提供をお願いして勉強を続けてきましたが、先日(15日)、和歌山下津港の視察を行いました。

 国土交通省の本省や近畿整備局の方々に来て頂き、地元議員の方々や港湾関係者、そしてマスコミの方々にも来て頂いて船で港湾を見学し、その後は、政治や行政に対する要望を企業の関係者から伺いました。具体的な切実な要望を沢山頂き、政策課題が明らかになりました。

 私は外国から日本を見る機会が多かったせいか、日本の国家戦略を考える機能強化が必要と常々考えてきました。97もの地方空港がありながら、ハブ空港としての機能を韓国の仁川空港などアジア各国に奪われている空港行政は国家戦略の欠如を如実に表しています。港湾も、神戸港や横浜港が世界有数だった時代は遠い過去の話となり、ハイテク管理された上海港や釜山港と比べるとコストもスピードも劣る日本の港湾は国際競争に完全に乗り遅れてしまったようです。

 従って、国際競争力の強化と地域港湾の役割分担を明確にして、それを地域の特徴を活かした発展につなげる戦略が必要になります。地元企業の声を国土交通省につなげる機会を提供し、その実現性を議論・検討する-政権与党の国会議員としての取り組みが先日の視察でした。

 多岐にわたる地元の要望の中でもっとも強いのが津波対策でした。海南市はかつて大規模な津波の被害を受けたことがあります。今後30年以内に東南海地震が発生する確率は90%。状況によっては5000億円にも及ぶ被害が予測されるそうです。従って、約250億円をかけて世界初の浮上式防波堤の建設を決定。工事がスタートしました。私自身も2004年のスマトラ沖津波の救援活動をした経験から津波の恐ろしさを痛感しました。建物の瓦礫や車が激流とともに押し寄せ、凶器になって人々を切り裂いていく。全く抵抗の術がない巨大なエネルギーを遮断する防波堤は「命をまもる政治」をする上で必要です。しかし、完成前に津波が来たのではお話になりません。

 「10年は遅すぎる。とにかく早く完成できるようにお願いする」そんな声が相次いで寄せられました。工事中は貨物船の運航にも支障をきたすので、業務への影響を考えても早く作る必要があるのです。早く完成できるかどうかは、工事開始後3~5年後に予算を確保できるかどうかが大きいそうです。公共事業の無駄は厳しく削減する必要がありますが、防波堤を早期に完成させ、地域の活性化にもつなげる-これは私にとっても大きな挑戦になりそうです。 


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1 コメント

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港湾戦略と文化戦略 (アルバトロス)
2010-07-19 01:03:55
ジャパンパッシングが顕著な港湾の活用は、国家戦略として大きいですから、是非とも頑張って下さい!

ところで、最近嫌な感じがしたのが、社内公用語を英語にする企業が出始めている、というニュースです。一企業の理念を干渉することは控えるべきと心得る一方で、やがて日本語が゛トキ化゛する端緒となるとすれば、断じてあってはならず、私企業の社会的責任も看過し難いと思います。
日本に来る外国人は基本的に日本語を話す努力をするべきではないでしょうか?
大きな発想の枠組として、多様な意味で外向きに港を開けつつ、中の文化の根幹を守ることを両立させるのは、政治の大きな使命だと思います。

空港・港湾の利用強化、更に観光立国としての戦略など国交省絡みの案件と文化戦略はリンクさせて、この国のかたちが図らずも゛いびつ゛にならないよう、しっかりした国家観を持ち、各省庁と連携していただきたいです。

日本人が安易に英語文化に与するのは、いまだに強い潜在的西欧コンプレックスと商業ベースの利便発想、そして敗戦による諦念のないまぜ状況と映ります。スキルとしての英語はできた上で、別の外国語も習得して言語観の広がりを持つと、寧ろ日本語の奥行きに回帰すると思います。

これから日本がもっともっと国際的であると同時に、日本の日本たる所以を決して失わないことを切に希求します。





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