阪口直人の「心にかける橋」

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PKOの駆け付け警護に伴うリスクについて外務委員会で質問

2014年05月31日 00時40分40秒 | 政治

 今日は集団的自衛権について外務委員会で質問。岸田文雄外務大臣、武田良太防衛副大臣、小泉進次郎内閣府政務官との対決でした。

PKOの駆け付け警護に伴うリスクについて外務委員会で質問 衆議院インターネットTV(5月30日) 

 ストックホルム日朝外務省局長協議において北朝鮮が包括的かつ全面的な再調査の実施を約束したこと、これは大きな前進だと思います。

 一方、「全ての拉致被害者の家族がお子さんたちを抱きしめる日が来るまで私たちの使命は終わらない」との安倍総理のメッセージ、総理らしい国民受けを狙った言葉ですが、誤ったメッセージにもなり得ます。拉致被害者だけではなく、失踪した人々、また1959年からの帰国事業で北朝鮮に行き、生きてもう一度日本に戻りたいと切望する日本人配偶者、また戦後何らかの理由で北朝鮮に取り残された残留日本人など全ての日本国籍を持った方々の帰国を実現する強い意志を持って交渉することを要望しました。

 先日中朝国境地帯に行って感じたことは、北朝鮮は金正恩体制になり、軍事一辺倒だった金正日時代とは異なり「国民を食べさせていくこと」に軸足が置かれるようになったことです。そのためには国際的な経済システムの枠組みに入ることが不可欠ですから、北朝鮮も日本との関係を少しでも改善することを求めており、これらの日本人を外交カードに使おうとしています。とは言え、この機会を逃さず、何としても成果を挙げなくてはなりません。ただ、北朝鮮にはこれまでも再三茶番に付き合わされてきました。どのように実効性を担保するのか綿密な戦略が必要ですし、明確な成果なしに援助を与えることがあってはなりません。

 その後はPKOにおける「駆け付け警護」について質問。前回のブログで書いた問題意識をベースに、安倍総理の説明ではふれられていなかったリスクについて私自身の経験をもとに起こり得る様々な可能性を示し、政府によるシュミレーションがどの程度進んでいるかを確認しました。残念ながら、政府の備えはまだ極めて初期の段階であり、到底議論が尽くされていないことも実感しました。
 
 現在、PKOの形態は変化しています。武力行使権限を安保理から委託された多国籍軍と様々な協力を行うこともあるでしょう。その場合、現地の人々にとっては武力で平和執行を行う多国籍軍とPKO部隊は一体化して見えることを想定しなくてはなりません。

 紛争地域で活動する国連やNGOの要員は、そこに危険が存在することは承知した上で、現地の言葉を覚え、できる限りリスクを避けるように情報収集と地域住民との信頼醸成を図っています。従って、住民との信頼構築が必要な平和構築活動中に重装備の自衛隊が同行していてはむしろ活動が困難になるケースが多いのです。駆け付け警護が可能になることで目の前の日本人を救出できる状況が生まれ得ることも確かです。しかし、それは極めてまれなケースでしょう。その一方で、襲撃してきた武装勢力に自衛的措置を行えば、たとえその場では「正義」の行動であっても、相手は攻撃を受けたと解釈することもあるでしょう。駆け付け警護を行うことによって自衛隊、国連やNGOで活動する日本人も報復のターゲットになる可能性が生まれることも議論しなくてはなりません。

 私自身もカンボジアなどで銃撃・襲撃されたことがありますが、自分たちは丸腰であり反撃する意志はないこと、平和活動のために来ていることなどをしっかり伝えることで何とか危機を脱することができたのだと思います。一方的に駆け付けて武力行使による自衛措置を行った場合、かえって文民の命が危険にさらされることもあり得ます。

 このような様々なリスクを認識した上で、目の前の救える命は救う。重いテーマですが、この機会に徹底的に議論をしなくてはなりません。



外務委員会で小泉進次郎政務官に質問する私。今日は両院議員懇談会を抜けての質問だったので秘書による写真撮影はできず、衆議院インターネットテレビの画面を撮影しました。




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